まとめ 1- 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 22 / 23 / 24 / 25 / 26 / 27 / 28 / 29 / 30 / 31 / 32 / 33 / 34 / 35 / 36 / 37 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 43 / 44 / 45 / 46 / 47 / 48

魔女の森任務20


◆任務初日

  ルミナスメイズの森 魔女の森 マリアの広間


すごいですね。
壊れた建物を直せるなんて。

構造が単純ですから。(魔法で建て直し中)

なるほど、生物の組織の再生となると複雑なのは何となく分かります。

それに比べれば容易い。

マリアさんは建築にお詳しい?

私がまだ外界とを行き来していた頃、外の文化や技術を取り入れて、この建物を造ったのです。

えっ、この建物はあなたが造ったんですか!?
すごいですね……!
……もしかして、この周囲に建てられているここの住人たちの家屋も……?

そうです。

へぇ〜!
魔法って便利ですね!
ああ、使い手の技術が優れているからこそなんでしょうね。

あなたは、何か企んでいるのでしょう。
私が読めないように、思考に小細工しています。

ははは、機嫌取りしているわけではありませんよ?
素直に、素敵な力だと思っているんです。
……しかし、ゆっくりと話し合いをしたいのは確かです。
悪意を持っているわけでは、決してありません。
私は、自分や外の世界に誠実に向き合おうとする姿を、手助けしたいと考えているだけなんです。

誰がとは聞きません。
誰だとしても、許しなしには外と行き来させません。

外の世界で、大切な家族が傷つけられることが怖いのは、分かります。
確かに、善人ばかりではない。
現に先程のような輩もいる。

あの様な者に襲われては、この子たちはひとたまりもない。

それから守るのが私たちの仕事です。
その為に不定期に巡回していますし、森に警備もつけられます。
自分の身は自分で守れるようにしたいと思うものがいれば、力の使い方を教えることもできます。
うちにも多種多様な、タイプや種族、戦闘スタイルの者がいますから。

この中では戦闘をする必要はありません。
外敵が侵入すればこの手で抹消します。
手出しは無用です。

……。
マリアさん、私たちはマリアさんも守ります。
あなたがこの森の皆さんの全ての責任を負う必要は無いんですよ?

要らぬ世話です。

これは失礼しました。
ただ、私たち軍からすれば、マリアさんもまた守るべき方々の1人です。
放っておくのも難しい。
いえ、放っておくわけにはいかない。
外に出たくない者を無理やり引きずり出そうなどという考えは決してありません。
マリアさんも然り。
この居場所はこれより先もずっとこのままで構いません。
外へ出る者を見送り、帰ってくる者を迎える。
そんな場所があるということ自体、心の拠り所となるでしょう。
それを安全に行えるように、私たちがサポートします。

あなたはそのようなことを言うためにここに来たのですか?

これも目的のひとつです。

だとすれば、このお話は無駄です。
非力な子たちに訓練などさせられません。
私がここで守ればいいのです。
痛みや苦しみを伴うものは排除します。
今までそうしてきました。

この先ずっとそのままではいられないでしょう。
力の使い方を知らなければ、貴重な能力を持っていても意味が無い。
それに、このままでは彼女たちは、マリアさん無しでは生きていけなくなる。

あなたにここのことを危惧される筋合いはありません。

心配ですよ。
同じくガラルに生きる方々です。
森の外と内と、何も違わない。
あなた方がここより外側の者を拒絶するのは止めませんが、私たちは隔てなく対処しなければなりません。
軍はあなた方を蔑ろにしたくない。

今の今までそんな話聞いたことありませんが。

総隊長によれば、かねてより代表と接触を試みようとしてはいたようです。
ただ、一方的に話を進めるのは、侵略と同じこと。
森の内側に入ることも、話し合いも、任意の上で行いたかったようです。

この件が好機だと……?

セナちゃんの誘拐も、どちらも重要な案件だと認識しています。
キッカケがあるなら逃したくはない。

……あなたをここに留めたのは……、もしあの子が見つからなければ、あなたに責任を取らせるためです。

責任ですか。

私の家族が亡くなったともなれば私は、誘拐犯を、軍を、あなたを恨むでしょう。
恨みからあなたを殺してしまうかもしれません。

なるほど、殺すためにそばに置いているということか。
分かりました。
逃げも隠れもしませんが、せめて彼女たちの様子を見させてください。
先の騒ぎで恐ろしい思いをしたでしょう。
少しでも安心させてあげたい。

逃げようとも、逃げられはしません。

ええ。
セナちゃんが戻ったあとで、ゆっくり話の続きをさせていただきますね。

……。

あ、それと、彼をここに置いてくださり感謝します。
恥ずかしながら、彼は私より遥かに頼りになる人間です。
先程の輩もすぐに鎮圧できる実力を持っていますので、再び攻められることがあるなら、共に対応します。

……。





イーリスさん!

アンシェラさん、お怪我はありませんか?

はい!
イーリスさんは、お怪我はありませんか!?

ええ、心配いりませんよ。

……ほんとに?

フレデリシア、私が怪我してるように見えるか?

痩せ我慢なんかしないでよ?
倒れられたら困るもの。

ああ大丈夫。
あれ以上相手してたら危なかったかもしれないけど。

ほ、ほんとに、体調が優れなかったら言ってくださいね……?

ああ、ありがとう。

ねねー!(ぎゅっ)

あー、ミリアちゃん、また会えたね!

ねね〜!(ぎゅぎゅ)
あ、ににきた!きたよ!

おお、にに来たね〜(トウヤに手を振る)

……。(手を振り返す)

ミリアちゃん、よく眠れたかな?

ん!
ねてたらおっきいおとして、おきたの。

あははっ、ごめんな、ねね達がちょっと遊んでて大きい音を出してしまったんだ。

そうなのー?
だめだよ〜、あそびすぎたら、ままにめっていわれる!

えっ、ちょっとミリアったら……!

ああ、怒られちゃうなぁ。
今度から静かに遊ぶよ。

あそぼーね〜

フレデリシア、この部屋に集まってる人、結構多いが、森のどのくらい集まってるんだ?

全員よ。

ぜ、全員!?
どうして……?

マリアが集めたのよ。
危険が迫ってるからって……。
ここの一室は、マリアが結界を張ってるから、外部からの衝撃で破壊されることは無いわ。
以前放火されたのを教訓に、みんなマリアから召集がかかったらすぐここに集まるようにしてるの。

なるほど。
マリアさんの信頼と、皆の団結力が強いんだな。

……あの、軍人さん、さっき助けてくださいましたよね……ありがとうございます。

ああ、私は大したことしてないからな。
お礼はあの白うさぎにでも伝えておくよ。

あ……はい、それも、そうなんですけど……
襲ってきた男が、技で建物を破壊し始めた時、私、腰が抜けちゃって動けなくて……
あなたが相手の気を引いてくれていたから、逃げられたんです。
だから……ありがとうございました。

あはは……そんなに見られてたとは、恥ずかしいな。
いやいや、あなたたちを守るのが軍の仕事なので。
時には身を挺します。

ありがとうございます……!
私、外から来た方はみんな怖い人だと思ってました……。
でもあなたや、彼も、そんなことはありませんでした。
彼、子供たちとすぐ仲良くなって……
さっきの騒ぎで怯えていた子も、すっかり落ち着いて、遊んでもらっています。

ああ、彼は子供と接するのが何故か妙に上手いんだ。

はい、すごく助かっています。

……この子みたいに、あなたたちに理解を示す子は他にもいると思うわ。

……そうか。
……あなたは、この森の外に出たいと思ったことはありますか?

えっ……

もし、自由に森と外とを行き来できるようになったら、外に出てみたいと思いますか?

……私は……。
……外に出るのが怖い。

……うん。

でも……私、外にあなたみたいな人がいるなんて考えたこともなかったんです。
怖い人たちばかりだと……
だから、あなたみたいな、優しい人と出会えるなら、外に出てみるのも、良いかもと、今思いました。


……そうか。
……それは嬉しいよ。
確かに、外には善人も悪人もいる。
ただ、悪人は少数だ、遥かに善人の方が多いよ。
少なくとも、うちの軍はみんな善人だ。
私が隊長を務めている隊も、みんないい子だ。
そこの彼もそう。

……!
あなたと彼は同じグループなんですね……!
他にも隊員がおられるなら、きっと優しい方々なんだろうなと思います。

ええ。
もし、会うことがあれば、ぜひ声をかけてくださいね。

あ、会えるでしょうか……

もちろん。
いつか会えます。
私とも会ってくださいね。

……!
は、はいっ!

やっぱりあんた、女たらしね。

そんなことないだろ。

いいえ、この子なんてもう、デレデレしちゃって。

そ、そんなこと言われても……!(照)

そんなこと言ってるけど、フレデリシアだってイーリスさんのこと、好きでしょう?

……嫌いじゃないけど。

あはは、光栄です。
さ、暫くはここにいさせてもらいます。
色々お話を聞かせてください。

あ、はいっ!
こちらへどうぞ。




→ 1-44 魔女の森任務21

← 1-42 魔女の森任務19

←←HOMEへ戻る



まとめ 1- 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 22 / 23 / 24 / 25 / 26 / 27 / 28 / 29 / 30 / 31 / 32 / 33 / 34 / 35 / 36 / 37 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 43 / 44 / 45 / 46 / 47 / 48