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魔女の森任務2


◆任務初日

  ルミナスメイズの森の中


バタンッ

ぐぇぇ……(目を回すナゲツケサル)

……ナゲツケサルに縁があるな。(剣を消す)

わぁ……

さあ、怪我してるんだろ、見せてみろ。

……あぅ……

……呆けてる場合じゃないぞ。

……にに、すごい……

すごい?

こわいの、ぶんぶん、こわかった……

ぶんぶん?
……ああ、ナゲツケサルのことか。
お前は小さいからな、あいつが少し大きく見えるんだ。
お前の背が高くなればあんなのおもちゃみたいなもんだ。

ちゃ?

あいつに追いかけられたのか?

ん……ぶんぶん……ぶんぶんがね、ぶんぶんって……(手をぶんぶん振る)

ふふっ

……にに?

なんでもない。
(足を指で押す)足、擦りむいた程度か、これなら傷薬で治る。
滲みるぞ。

ん……んぅぅ……(我慢)

泣かないのか、偉いじゃないか。(なでなで)

きゃっきゃ(喜)

よし、俺はトウヤだ。

と、お、やぁ?

うん。
お前の、名前は?

みぃちゃん……

ミィ?

み、みりあ……

ミリア?

ん!みぃちゃん!

よし、ミリア、念の為病院に行こう。(抱える)
その後で家に届ける。
パパとママに会わせてやる。

ママ!

パパもだ。

ママ〜

パパ……。(可哀想に……)
よし、空を飛ぶぞ。
お前は高いところがこわいか?
パパは高い高いしてくれるか?

たかたかすき、ママ、たかぁたかぁい

おお、ママがしてくれるのか?
それよりもっと高い高いだぞ?
こわかったら目を隠すんだ。

いないない?

そう、いないいない。
ちょっとの間だけ、目隠ししておけば怖くないからな。

ん!

よしいい子だ。
ちゃんと俺に掴まってるんだぞ。
手、ぎゅっとして、高い高いしてる間は離さないようにな。

ん!

お前のうちは、この森の中?
それともラテラルか、アラベスクか。

んー……?

お前のうちは、近い?

んん……いっぱ……いっぱいね、あるいた……?

歩いたか。
(周囲を指さしながら)こんな木がいっぱいあるところ?

あ!あるー!

そうか。ならいっぱい歩いたらうちに着くかもしれないな。
ミリアのうちと、他の人のうち、1、2、3、4……いっぱいある?

あるよぉ〜!
ゆんちゃのおうちもある!

ゆんちゃ……?
ともだちか?
まあいい、建物が並んでるなら分かりやすい。
ミリア、掴まる時間だ。
用意……

ん!

どん。(飛ぶ)

わぁ〜〜〜っ、きゃははっ

(ラテラル側の入口から西北西約2.5km地点だな)
……楽しいか?

たかいたかーい!(喜)

……さあ、ラテラルの病院へ行くぞ。






  ルミナスメイズの森の中 また別の場所


ん?……あれ、人がいるぞ。

……ほんとだ。

声掛けてみよう。
ここが森のどの辺かくらい教えてくれるだろう。

うん、そうだね。

あの、すみません、よろしいですか?

……!!
……。
……ええ、何かしら。

私ら、ちょっと道に迷ってしまって、あなたはこの辺りの方ですかね。
ここはルミナスメイズの森のどの辺りか、教えていただけませんか。

……ああ、ええ、そうね……
教えてあげたいけれど、実は私も教えてほしいのよ。

……あ、あれ〜この辺の人じゃないのか。
ブリムオンかな。だからこのへんの人かと思って……すみません。

いいえ。

ということは同じく迷子?

まあ、認めたくないけれど。

あはは、そっか、じゃあ一緒に行きます?
私たちの向かう方向で良ければ。

……そっちから来たのね。
私はその進行方向から来たのよ。

あ、あれ〜?
どれくらい歩きました?

……。
2kmくらいになるかしらね。

歩きましたね……。
キーウェン、この森って端から端まで大体何kmくらいなんだ?

ええっと……でも、5、6kmくらいだと思うよ……?
……魔女の森の辺りまで行くと分からないけど……

そうか。
なら私たちの来た道を引き返そうか。
歩いてきた分と、それよりも歩いていけば端に出るかも。

俺は構わないよ。(進む)

……簡単に食い下がるのね。
あなた達はここへ何をしに来たの?

仕事です。
実地調査を。

……。
あなた達、もしかしてガラル軍?

あ、ええ、そうです。
私はイーリスと言います。
こっちはキーウェン。

あ……ど、うも……(緊張)

……。
……マリアよ。

マリアさん。
本当はもう1人仲間がいるんですが、さっきはぐれてしまって。
そいつにも戻ってきてもらいたいんですがね。
私たちは空を飛んだり、周囲の感知能力もありませんから、なかなか捜すこともできなくて。
まず自分がどこにいるのか確認したくてとりあえず森を出ようとしていたんです。

……そう。
……。
実地調査って、一昨日の……


あなたも聞きましたか。

……まあ。
ここ数日、ルミナスメイズの森周辺にいるから……聞こえたのよ、あのメッセージ。
怒り狂ってたわね。

あなたもそう受け取られたんですね。

……。
難しい言葉じゃないもの。
理解しようとすれば誰だってそんな印象を受けるはずよ。

私たちはその警告を発した理由を聴取するためにここに来たんです。
もし、事件に巻き込まれていると言うなら、私達も解決に協力したいと。

……それで魔女の森へ向かおうとしてたってこと?
……分かるわよ、あんな恐ろしい言葉、恐ろしい魔女しか言いっこないわ。

……マリアさんはどちらのご出身?

……。

あ、いいえ、魔女の森の人間が警告を発したとお考えなら、ルミナスメイズの森に観光に来るのは肝が据わってるなと。

肝が据わってるのよ。

なるほど?

……。
魔女は、外の人間を寄せ付けないと聞いているけれど。

噂は聞いてます。
しかし今回は外の人間が事を起こし、外の人間と関わらなければならなくなった。
それも報復のために……。
……こちらとしても、その外の人間がなんのために事を起こしたのか、調査し、厳正に処罰しなければなりません。
それを達成するには、彼女たちの協力が必要になります。

協力する気もなければ、あなたたちの助けも必要ないんじゃない?
彼女たちが自分で犯人を見つけて、罰を与えると言っていたじゃない。

彼女たちに、犯人に手を掛けさせるわけにはいかない。

そんな気遣い要らないでしょ。
彼女たちが罰を与えたいのよ。
誰かが代わってじゃ意味が無い、彼女たちの気は済まない。
だから協力要請をしたわけでもない。
直に犯人に警告が伝わるよう、広範囲に警告したはずよ。

私たちは彼女たちのことを何も知らない。
正体不明だから恐れるんだ。
そんな状態で、犯人を見せしめるようなことをすれば、本当に恐怖の対象としか認識されなくなる。
それは何としても避けたい。
彼女たちが外界とを閉ざして生活しているとは言え、同じガラルの住民だ。
今回の件で、差別や迫害の対象になってはいけない。
今後の争いの火種にならぬよう、友好的な関係を築く礎となるような、対処を取りたい。
今の彼女らがどんな選択をするかについて私たちが干渉するつもりは無い。
しかし長い目で見て将来、近い未来かもしれない、外に出ることを望んだ者がいたとして、そんな健気な願いすらも、大きくなってしまった隔壁に阻まれるのは不憫でならない。
こんなことが、現に起こりかねない状況だ。
せめて彼女らが、恐ろしい存在ではないことを教えてほしい。
事件について、処罰はこちらでさせてほしい。
今後困ったことがあれば、私たちを頼るという選択肢も持ってほしい……。
こちらの意志を、真っ向から伝えさせていただきたい。
……だから今回、会って話をしなくてはならないんだ。

……。
そんなに次々綺麗事が口から出るなんて尊敬するわ。

現に可能な事だと確信している。
理想と現実の区別はするさ。

……。

……。
……もし、良かったら、魔女の森まで案内してはくれないだろうか。
魔女の森のお嬢さん?


……どうして……




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