倉庫/倉庫(自画自賛するほう)/rzk企画/10000/3year


お気に入りの作品を挙げてくやつ


評判良かったで賞
なーんかよくわかんないんですがとっても評判が良かったんですよねえ、『同僚は幹部でした』。連載当初は洗練された?文体にしたくてけっこう頑張っていた記憶があります。『僕と生物図表』完結させてからだっけ?それより前だっけ?もう忘れましたがあの雰囲気シリアスみたいなのをやめたくて書きました。結果的にかなりマドンナにしては異彩を放つ作品に成長しましたねえ。友人には「同僚連載と他の作品のテンションが違いすぎてゴーストライターを疑うレベル」と言われました。確かに書いているときの心持ちは全く違いました。センキュー! …あと地味に幕引きしてからも読まれ続けているようです。なんで?



病的描写が超絶技巧で賞
圧倒的にこれです、『歩行者天国の少女』。たまにブログでも取り上げてダラダラ語った気がするんですが、ほんとにねえこれ以上のものは書けないです。世界観から文体から、当時が最高に心死んでたゆえに書けた奇跡の作品です。ほかにも選考に残った作品として『みて、そうぞうして?』『心臓のない朝』『ご自愛ください』がありますが、もう全会一致でホコテンでした。歩行者天国ってさ、なんか、響きが地獄だよね。「雑草の中でゆっくりと息をする」ってもう書けないよ。最後の数文はかなり消して書いて消して書いてした記憶があります。ちなみにこの作品は大学の図書館で大学のPC使って書きました。やべえ


どうして書いたんで賞
今思い返しても意味不明、『じいさん』。これ、確か朝5時に書いたんですよ。受験生時代、毎朝5時に起きて勉強してたんですけど、いつも通り(授業見るために)パソコン開いて、気が付いたら書いていたという。そして一気に書き上げるという。意味不明。しかもジル書いたのこれが最初だし。なんだったんだあの朝。でもかなりお気に入りです。文体は村上春樹を意識しています。姉妹作品の『ポーズ』もそう。


構成が完璧で賞
ヒーロー』です。タイバニの虎徹おじさんの小説ですが…、なんかこう、構成が!構成が!自分が書いたとは思えないくらい素晴らしい。まず手元から始まって、女の子が出てきて、回想、また女の子の声で現実に戻ってきて、その回想とオーバーライドした瞬間に、虎徹がだーんって出てきて、ぜんぶぶっ壊れて、でも、ぶっ壊れた先に、悟りがあるという。音楽みたいな小説だなあと思います。こういう小説が意識的にかけたら天才なんだろうなあと日々思っています。これも大学のPCで書きました。やべえ


どこでその世界観を拾ってきたんで賞
このときひっさびさに小説を書いたんじゃなかったっけな。『saitai』。「さて帽子を取ると怖いくらいに美しい」ってもう書けないよ(二度目)。あのですね、私の場合、その作品の世界が具体的に浮かび上がってきさえすればもう9割書けたようなもんなんですよ。あとタイトル。この作品はタイトルが先に決まってるタイプだったので、もう書き出しの時点でかなり濃い世界が出来て、タイトルもあって、ほんとすらーっとかけた覚えがあります。でもなぜ東南アジアの屋台が浮かんできたのかは当時の自分でさえわかってなかったと思います。強い太陽光とか、ざわざわした感じとか、汚い机とか、そのあいだでマフィアが個人的な思いを抱えながら話をするとか。どこでその世界観を入手したんだ私は。


越えた屍がありすぎたで賞
ユートピアランド』です。賞の名前意味わかんないね。この作品を書くにあたって元になった作品(未公開含む)があまりにも多かったという意味です。いくつあるだろうな。『re-born』『世界平和大計画』『刃先を知らぬ人々に告ぐ』『それは普通のことだった』とかかな。ざっと考えだたけで4つあるってことは多分その倍くらいのプロットを越えてユートピアランドは開園したってことですね。言わずもがな感ありますが、イメージは伊藤計劃の『ハーモニー』です。映画は見てません。


名言出たで賞
大学時代、レポート書いてると言葉の流れでふと出てきた文章がとてもその作品の芯を突く言葉だったりして、へえー自分の無意識すげーなーと思ったりしたものです。その小説版が『きぼうについて』。「なぜかって、絶望は意味の持ち腐れだけど、希望は意味の消失だからだよ、バーカ」って、書いてから「たしかに!」って思いました。自分で書いてるのにまるで他人の小説読んだみたいな感動。ちなみにこれ、家出してからはじめて書いた作品じゃなかったっけな。当時は思考がバグってる彼氏をつかまえてしまったせいでなぜか実家に返されてきぼうなんて一ミリもなかったけどな!それでもこれを書けるんだからベルはすごい(?)


その努力は認めるで賞
忠誠心』です。話は全くまとまっていなくて、めったに読み返さない話なんですけど、当時書こうとしていたことはまだちゃんと覚えていて、ここまで書けただけ立派だなあ、と自分で思うのです。正義と正義の話なんですけど、正義って忠誠のことなんじゃないかなと思ってて。自己では完結しないよね絶対。だからバグるんだよねーっていう。でも当時はもーなんていうかどうしようどうしようって思いながら書いて、結局成形できなかった飴細工みたいになってしまった。一次創作で書くのはかなり至難だと思います。もう書けないかな。難しいね。


マドンナはここからはじまったで賞
文体と集中力がこの作品を機に爆発的に変化しました。『私のなにが痛い』。まだ道中感あるので、ちゃんと確立されたのは『不可抗力に埋もれる』からだと思ってるんですが、しつこく何かを探るようにして書こうと思ったのはこれが初めてでした。今のマドンナは完全にしつこい小説で埋め尽くされてますが笑、昔はそうじゃなかったんですよ。語彙の問題だと思うけど。ということで、記念賞。