トンボ モノワンφ6.7mmや
モノスティックより細い消しゴム芯を用いる、携帯に適したノック式φ5.0mm消しゴム。
事務用なのは「まとまるタイプ」EH-105Mがあるから。
ミディアムなのは太いEH-200/-205 φ7.2mmがあって、細いEH-101 φ3.8mmがあったから。
2004年発売、日本製。
前身のEH-100Pは1990〜2004年、発売から三十年くらいになる製品、
クツワ ペンケシに対する強力な競合品でもあります。
ノック負荷約750g、残芯約15mm、消しゴム繰出し量2mm/ノック。
†紙はコクヨキャンパス
画像の上1行めは、書いて消す行為を1回、下5行めはそれを5回繰り返したもの。
消しゴム芯ER-100P使用、まとまるタイプを試せなかった。
左から
ぺんてるAinシュタイン0.3HB、
パイロット ネオックスG 0.9HB、
三菱ナノダイヤえんぴつB、
三菱ナノダイヤ0.9HB◆消字力:良好
・消しかす;細かくまとまらない
・消耗;並
・消し心地(消し味);トンボ モノワンと同程度の消字抵抗
・折れにくさ;折れる、ノックし過ぎ注意
*実際に折れたことはない
軟芯はあまり得意ではないようで、どちらかというとシャーペン向けではないかと感じます。
携帯用なんですけど、机上でも重宝する製品です。
手の大きさにもよりますが、軸径が10mmちょっとなので
「二本持ち」でき、筆記・消字を適宜切り替えらながら黒板を書き写せます。
ノート筆記・板書では数文字を消すことが大半ですから、本品は重宝されるでしょうし、マークシートにも描画にも役立つでしょう。
器用なひとなら、利き手でない手に本品を握る「両手持ち」もできると思います。
しかしφ5mm消しゴムで一行をまるごと消すには荷が重いので、ノート筆記の場合、従来の四角塊消しゴムと併用します。
この点、φ7.2mmやφ6.7mm (
モノワン等)、
ぺんてるAinクリック△8mmは一字消しにも一行消しにも対応でき、本品のφ5mmより適応範囲が広いのです。ただしφ6.7は一行消しでたまに折れる。
それらに対するφ5mmの優位性というと、文章の一部を消しやすいことでしょうか。
私たちが書写・板書で消しゴムを使うときは、概ね書き間違えた直後──直前に書いた文字を書き直すことが大半なのですが、たまに数行さかのぼって書き直すことがあります。
周囲を文字に囲まれた修正箇所を消すには細いφ5mmに分があります。
ノートの罫幅が10mmや原稿用紙であれば四角塊消しゴムでもよいのですが、罫幅が細くなるにつれ間に合わなくなります。
元来携帯用もしくは製図用だったノック式消しゴムは、ノート筆記でも有用性を見せるでしょう。
経年で口金ねじが割れるそうなんですが、使い始めて間もないため、その兆候がありません。
右は次回の
SEEDレーダーノック。
消しゴム補充はノックボタンを外して後方から。
新しい次芯で短い芯を押し出せることもあれば押し出せないこともあるので、古い短い芯をつまんで抜き取ります。
◆替えゴムER-100PK事務用、ER-100MKまとまるタイプ、ER-100DK製図用 (製造中止)
φ5mm×90、三本入り、塩ビ、日本製。
実測φ4.9mm。他社製含めφ5.0mmは呼び寸じゃないかと思います。
代用・互換品:
SEED EH-KR、トンボER-100AF (製造中止)、ライオン事務器ER-901K / -905K / -902K / -903K (製造中止)
消しゴム芯はSEEDレーダーノック用EH-KRより少し堅く、少したわみにくい。
競合品がさまざまありますが、シャーペンに実用的な消しゴムを組みこんだ
トンボ モノグラフや
ゼブラ デルガード タイプER、
ぺんてるタフがノート筆記において競合します。
元来携帯用ですが、机上で細かく消したい需要にも応えられる製品です。
細部を消すにはノック式を使えばいいわけですし、四角い消しゴムを使えば丸くなるんですから始めから
Koh-I-Noor 6240や
コクヨWiLL消しゴムのように丸くていいと思います。四角いほうが大量生産しやすいんですけどね。
前身のEH-100の色違いである、黄色いEH-120Pのノックボタンには通気孔が空いていません。新旧の違いはたぶんここじゃないかと。
EH-100の後に発売されたEH-120は単なる色違いでしたが二割値上がりして120円でした。様子を見て値上げする予定があったのかもしれませんね。EノックがEH-100から現行EH-105へ変わった2004年当時、ちょうど構造改革が金融にも及んでいたころで、家庭持ち労働者でも賃金が削減され、その余波で奨学金利用者が急増しましたから、価格据え置きになったんじゃないでしょうか。直接金融を重視する新自由主義はサプライサイド経済学によって物価を下落させ、そのぶん賃金を上げずに企業収益を配当に上乗せしたり開発費に投資したりする、という主義ですので、労働者の購買力が抑制されてデフレスパイラルを招きデフレマインドを定着させたのでした。
左から、ヒノデワシ ノックちゃんNK-100
SEEDレーダーノック本品
三菱EH-120P
本品の製造元はヒノデワシだと思うんですけど、シードからも類似品が出ているから、消しゴムのみ各消しゴム会社製で、ペン軸はヒノデワシでもシードでもない会社が造ってるのかもしれませんね。
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