2011/03/20 06:00
1851年から1914年までのデザイン(絵画建築含む)を扱った本。白黒図版136点、索引つき。原著は1949年刊。
著者の主張の多くは第一章で示されており、後に続く章でそれを詳説する構成。
19世紀「芸術家は、実用を軽んじ民衆を軽んじだし(略)その時代の真実の生活に目を閉ざし、雲上に逃避して、芸術のための芸術、芸術家のための芸術のみを創作した。」p8
そんな時代に粗悪な量産品を改善しようと、W.モリスは英国で美術工芸運動を興したのですが、過去への回帰運動だったために機械生産を拒み、そのため美術工芸運動やその後の手工芸ギルドはあまり発展しませんでした。
著者はその理由をモリスの回帰志向だけではなく英国階級社会にも求めています。
近代化とは工業化と民主化≒大衆化にほかならないわけで、量産品の品質向上と大衆の生活水準向上は対の現象であり、やがて階級社会を覆しかねません。革命のような暴力的手段に拠らずに。
※桐敷真次郎はこれとは逆に、英国人がモリスを受容し運動の必要性が薄れた為、としています。
その後「主導権は、今や欧州大陸とアメリカに移り、その後しばらく間をおいてドイツが発展の中心地となった。」p15
機械を拒まず活用するために規格化という概念を導入し「個々の試みから脱して、世界的に認められる様式を確立しようとする方向へ」p24進み、量産品の品質向上が図られました。
そして建築は木と煉瓦と石造りから、鉄とガラスとコンクリートの時代へ移り、W.グロピウス(のちのバウハウス初代校長)を紹介して本書は終わります。
さて、19世紀の量産品は粗悪とよく言われるのですが、実際どんなものか私は知りません。
それが本書には3点紹介され、いずれも粗悪というより装飾過多で、当世日本で流行るデコ盛りに近いもの。
また、バウハウス以前にドイツ工作連盟Deutscher Werkbundという組織が存在したことが広く知られていますが、本書にはその前に存在したドイッチェ・ヴェルクシュテッテンにも触れています。
ぺんてるタフは地味に評価が高い筆記用シャーペン。
.5mm、.7mm、.9mmの三芯径が供給され、鋭角的な口金と直筒スリーヴにより芯先が見やすく、太すぎないゴムグリップと大きな回転繰出式消しゴムをもち、これ一本で運用できます。
金属製クリップは厚地に差しにくい欠点を抱えますがしっかりしています。
大きく長いノックボタンは押しやすく、ボタン紛失の可能性も低い。
この形式はキャップスライドとも呼ばれ、ゴムグリップを人差し指と中指で挟み、ノックボタンを親指と人差し指の付け根で挟んでノックすることもできます。
付属芯の硬度は2B。
スリーヴ長3mm。
φ10mmほどのゴムグリップはほこりまみれになりやすいものの、あまりべたつかず、軟らかすぎもしません。経時変化でべたつき、軟らかくなる。
1ノックあたりの芯繰出量
0.7芯径 0.64mm/ノック
0.9芯径 0.7mm/ノック
消しゴムはゴムデール用と互換。
トンボモノワンやノック式消しゴム等既存品とほぼ同じφ6.8mmなのに取付部が特殊で既製品が合わず、そして入手しにくいのが欠点。
消字力は良好。
ぺんてるには同名鉛筆TUFF CB5もありましたね。
本品はたぶん学生向けに設計されたと思われるんですけど、おっさん世代にも好評なようです。大量筆記、連続筆記にはいいんじゃないでしょうか。
全然違う製品ですが、私はなぜかパイロットスクールグリップ(左端、製造中止)に共通点を見いだしてしまいます。
著者の主張の多くは第一章で示されており、後に続く章でそれを詳説する構成。
19世紀「芸術家は、実用を軽んじ民衆を軽んじだし(略)その時代の真実の生活に目を閉ざし、雲上に逃避して、芸術のための芸術、芸術家のための芸術のみを創作した。」p8
そんな時代に粗悪な量産品を改善しようと、W.モリスは英国で美術工芸運動を興したのですが、過去への回帰運動だったために機械生産を拒み、そのため美術工芸運動やその後の手工芸ギルドはあまり発展しませんでした。
著者はその理由をモリスの回帰志向だけではなく英国階級社会にも求めています。
近代化とは工業化と民主化≒大衆化にほかならないわけで、量産品の品質向上と大衆の生活水準向上は対の現象であり、やがて階級社会を覆しかねません。革命のような暴力的手段に拠らずに。
※桐敷真次郎はこれとは逆に、英国人がモリスを受容し運動の必要性が薄れた為、としています。
その後「主導権は、今や欧州大陸とアメリカに移り、その後しばらく間をおいてドイツが発展の中心地となった。」p15
機械を拒まず活用するために規格化という概念を導入し「個々の試みから脱して、世界的に認められる様式を確立しようとする方向へ」p24進み、量産品の品質向上が図られました。
そして建築は木と煉瓦と石造りから、鉄とガラスとコンクリートの時代へ移り、W.グロピウス(のちのバウハウス初代校長)を紹介して本書は終わります。
さて、19世紀の量産品は粗悪とよく言われるのですが、実際どんなものか私は知りません。
それが本書には3点紹介され、いずれも粗悪というより装飾過多で、当世日本で流行るデコ盛りに近いもの。
また、バウハウス以前にドイツ工作連盟Deutscher Werkbundという組織が存在したことが広く知られていますが、本書にはその前に存在したドイッチェ・ヴェルクシュテッテンにも触れています。
ぺんてるタフは地味に評価が高い筆記用シャーペン。
.5mm、.7mm、.9mmの三芯径が供給され、鋭角的な口金と直筒スリーヴにより芯先が見やすく、太すぎないゴムグリップと大きな回転繰出式消しゴムをもち、これ一本で運用できます。
金属製クリップは厚地に差しにくい欠点を抱えますがしっかりしています。
大きく長いノックボタンは押しやすく、ボタン紛失の可能性も低い。
この形式はキャップスライドとも呼ばれ、ゴムグリップを人差し指と中指で挟み、ノックボタンを親指と人差し指の付け根で挟んでノックすることもできます。
付属芯の硬度は2B。スリーヴ長3mm。
φ10mmほどのゴムグリップはほこりまみれになりやすいものの、あまりべたつかず、軟らかすぎもしません。経時変化でべたつき、軟らかくなる。
1ノックあたりの芯繰出量
0.7芯径 0.64mm/ノック
0.9芯径 0.7mm/ノック
消しゴムはゴムデール用と互換。
トンボモノワンやノック式消しゴム等既存品とほぼ同じφ6.8mmなのに取付部が特殊で既製品が合わず、そして入手しにくいのが欠点。
消字力は良好。
ぺんてるには同名鉛筆TUFF CB5もありましたね。
本品はたぶん学生向けに設計されたと思われるんですけど、おっさん世代にも好評なようです。大量筆記、連続筆記にはいいんじゃないでしょうか。
全然違う製品ですが、私はなぜかパイロットスクールグリップ(左端、製造中止)に共通点を見いだしてしまいます。comment (0)