サクラクレパス 消しゴム アーチ スリムタイプ ブラック 10個 RAF150SL(10) :Amazon.co.jp
前々回、消しゴムを一ツだけ選ぶならモノライトSと書きましたけど、その
モノライトと前回の
ノック式φ6.7mm消しゴム双方を折衷したような細長い消しゴム。
ただし折れそうなくらいよくたわむ。
元製品は
サクラクレパス アーチと同社フォームイレーザーピュアスリム。2017年11月中旬発売、塩ビ、日本製。
紙巻き表面の印刷も黒、エンボスっぽく盛り上がって滑り止め兼用。
・紙巻きにキリトリ線あり
使い減ったら後ろ側から9.5mmずつ切り離し最短23mmまで短くできます。
・包装がセリースパックのみ
紙巻きには社名と品名のみ、バーコード等は包装袋に記載され、受験や資格試験にも適します。
全面黒い。
ぺんてるスマッシュや
オレンズネロの隣にふさわしい。
2B芯を入れるとオレンズネロの堅い書き味もやわらぎますが、そんな軟芯も消せます。
†紙はコクヨキャンパス
画像の上1行めは、書いて消す行為を1回、下5行めはそれを5回繰り返したもの、5回書き直した状態にあたります。多くても2回しか書き間違えないなら2行めを見てください。
左から
ぺんてるAinシュタイン0.3HB、
パイロット ネオックスG 0.9HB、
三菱ナノダイヤえんぴつB、
三菱ナノダイヤ0.9HB◆消字力:優良
消しゴム生地は
以前のRAF60に比べ、わずかに軟らかくなったようにも感じますが、たぶん気のせいだと思います。
・消しかす;量が多い、撚糸状にまとまる
・消耗;減りやすい
・消し心地(消し味);軽く消せる
・折れにくさ;よくたわむけれど、折れにくい
横断面の短辺を紙面にあて、罫線に沿って一行を消す。
これが設計者が想定した最適な使用法じゃないかと思います。
厚さ7.5mmがノートの7mm罫や6mm罫に合って一行消しに最適ですし、一字消しもできます。
消しゴムが丸まっても厚さが変わりませんから、その特性も変わりません。
問題なのは消しゴムがたわんで折れそうなことです。
もっとも実際に折れたことはありませんが、たぶん折るひとがいる。
さらに問題なのは、紙巻きが消しゴム寸法より0.5〜1.3mm大きく、その中で消しゴムがずれ、消している最中に引っこむくらいずれることです。
紙巻き先端部にある滑り止めを強く握るとよいのですが、軽く消せる長所を損ないます。
そこで、消しゴムが減って紙巻きを切り取る際、四隅に切り込みを入れて折りたたみ両面テープで留め、ずれても抜けないように底を作りました。
しかし、こうすると消しゴムが9.5mmも出たままになり、たわみやすくなります。
もっとも実際使ってみても折れていません。
で、もうちょっと細工しまして、紙巻きと消しゴムの間に厚紙を一枚差しこみました。これなら底を作らなくてもずれにくくなります。
スリムでないアーチは紙巻きが適切に合っていて扱いやすかったので、隙間を減らしたらさらに扱いやすくなるんじゃないでしょうか。
細長い形状はノート筆記に好適なため、前々回モノライトと前回モノスティックはもちろん、
ミドリCL消しゴムスリム6.7mm厚
ナカバヤシ ロジカルスティック9.7mm/3mm
SEEDレーダーポイント10.3mm
SEEDカラージュ11mm
プラス WエアインスティックER-060WA 11.8mm
そしてサクラクレパスラビット フォームイレーザーピュアスリムRFPS150 7.7mm
などなど、様々な製品と競合します。
本品に先駆けること約三年前、2014年に発売された消しゴムがフォームイレーザーピュアスリムRFPS150、本品の前身の一ツとなりました。
製造中止になりそうなところ、Twitterで話題になってそれを免れたという、あまり売れていない製品ですが、本品と同程度の消字力がある消しゴムです。
また同社にはカッチェというノック式消しゴムもあり、それも併せて記事にしたかったところです。
→上田文具Twitter →サクラ フォームイレーザー カッチェ - Stationery Crip ピュアスリムは本品より少し硬く、使い方次第でカドが復活します。
稜線で消し、平面が生じたらそのまま消し続けるとカドが立ちます。
アーチスリムもピュアスリムも割高。10円あたり体積を計算すると
フォームW RFW100及び
アーチRAF100の2.4倍くらい高価、
モノライトPE-LTSと比べても2.5倍、モノライト大PE-LTに至っては価格差3.5倍になります。モノライトはコストパフォーマンス高い。
スマートフォンがそうであるように、割高でも、それに見合う使いやすさがあれば好評を得られるでしょう。
比較参考
品名 | 寸法mm 体積mm3 | 税別価格:円 2018年11月現在 | 10円あたり体積 |
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アーチスリムタイプ RAF150SL 2017年11月発売 | 7.5×12.7×90=8572.5 公称8×13×90 | 150 | 571.5 |
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フォームイレーザー ピュアスリムRFPS150 2014年1月15日 | 7.7×12.7×90=8801.1 | 586.74 |
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アーチRAF100 2014年10月15日 | 10×23×58.3=13409 | 100 | 1340.9 |
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アーチRAF60 | 10×19.2×45=8640 | 60 | 1440 | フォームイレーザーW RFW-60 2000年5月 |
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トンボ モノライトPE-LTS 1986年9月 | 10.5×16×52=8736 | 1456 |
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トンボ モノライトPE-LT | 12.5×22.2×72.2=20035.5 | 100 | 2003.55 |
モノライト60円は発売時50円でした。
総務省物価統計では消しゴムが調査対象外ということもあり統計には表れていませんが、明らかにインフレしています。
このような隠れたインフレが起きるのは、新自由主義がサプライサイド経済学(物価下落策)を伴っており、値上げがそれに反するからじゃないでしょうか。2021年以降一段と円安が進むようなら、インフレが顕在化し始めるでしょう。
店頭で入手しやすいのはアーチスリムですが、通販ではピュアスリムが入手しやすい。