ノートや鉛筆が学校を変えた
ノートや鉛筆が導入された経緯を統計資料と当時の公文書等から探った本。
本書には三菱鉛筆の最初の製品が木軸鉛筆ではなく芯ホルダ(ねじ締め式)であったことや、鉛筆の輸出入統計も少ないながら載っており、文具マニア的にたいへんな良書。
また、紙が発明された極東では本を読み書写することが学習の基礎となり、紙の普及が遅れた西洋では対話が主な学習法となった、という説の紹介も興味を惹く。
惜しむらくは絶版でありAmazonでは約5倍の値がついていることだ。
工業では少量多品種生産への転換が1980年代後半から要求されていたが、趣向の細分化が盛んに言われた出版業界で読者向けにオンデマンド増刷体勢を整えた出版社はいなかったのかしらー。
消しゴムはカドがいちばん消しやすい、というわけでコクヨカドケシの発表以来、カドをいかに取り入れるかが争われ、その一方でノック式消しゴムはより細くなって
モノゼロが登場、細密化が加速しました。
今回のノック式消しゴムぺんてるAinクリックは、消しゴムを三角柱にすることで細くせずにカドを加えた製品です。
軸:日本製、消しゴム(一辺8mm,121mm長):韓国製。
商品特長をわかりやすく表した三角軸後方の、空力特性に優れていそうなふくらみにばねが仕込まれています。
軸色は4色、いずれもラメ入り再生樹脂で安っぽい。実際150円と廉いのですけど。赤は透明軸。
品名は同社の消しゴムAinと同じながら、Ainクリック用消しゴムは非塩ビ製で「軽く消えるタイプ」とも「まとまるタイプ」とも違い堅くて消しかすは細かくまとまりませんが、消字性は遜色なく実用に及第しています。
おかしなことに、まっさらな新品状態では消しづらく感じられ、カドがとれてから消しやすく感じられるようになります。
それでも稜線から成るカドがあるのが三角柱の利点ですね。
三角柱には、消しゴムを長めに繰り出しても円柱型より折れにくい利点もあります。ぺんてるは2ノックぶん(5mm)繰り出して使うことを勧めていますが、3〜4ノック(7mm)でも折れそうにありません。
最初の消しゴム装填を確実にするため、ノックボタン頂部は斜めにされています。反面、垂直方向に力が伝わりにくく、またばねが中心からズレた位置にあるためノックの感触は従来品よりやや劣ります。
クリップは手に干渉しやすく、もう少し短くてよいと感じます。
稜線のみを使う方法と面のみを使う方法の二通りを試してみて、面が消しやすく感じました。
消しゴムのカドに執着してもしようがないのかもしれません。
三角軸が流行しているらしいドイツへ輸出すると売れたりするかもしれんですね。