キャラ設定・ファリス(2)
〈ルセリオ王国の栄光:世界観と主な登場人物〉
2015/10/03
*登場
「陛下、お呼びですか?」
一人の女が室内に入ってきた。
衛兵たちがはっと息を呑み、その視線が女に釘付けになる。柔らかな金色の髪、石榴色の印象的な瞳、どこか挑発するような微笑。
女はルセリウスの前にうやうやしくひざまづいた。
「敵地の情報が必要なんだ。ファリス、君に潜入を頼みたい」
「任せてくださいな!」
ファリスと呼ばれた女は面を上げると、小首を傾げて主君を見上げ、微笑んで片目をつぶる。
ルセリウスは思わず生唾を飲み込んだが、次の瞬間、心中にわき上がった思いを慌てて打ち消した。
かくも蠱惑的な姿態を示す彼女は――いや、「彼」は――驚くべきことに「男」なのだ。そのあたりの女よりもはるかに美しいこの部下は……。
女を愛するルセリウスにとって、それは甚だ残念なことだった。
*
ファリスは、女性が大好きなルセリウス王が思わず心を動かしそうになるぐらいきれい。
でも男の娘。
ファリスはルセリウスのこともたびたび誘惑しているけれど、この王は女性にしか興味がないので、「彼女」に対しては鉄壁の防御が発動する予定。
よければポチポチっと応援クリックお願いします
↓
にほんブログ村 ファンタジー小説
*prev← □back #next→
-