15色替芯と軸が別売りされ、組合せを選べる
コレトに、2009年4月、四色軸が追加されました。
同方式商品はぺんてると三菱鉛筆からも発売されていますが、スライドレバーにインク色が反映されていない、または反映されていても視認性に欠ける問題があります。替芯にレバーが付き、レバーごと交換するコレトにはその問題がありません。
この方式の特長は黒を除いた多色ボールペンを構成できるところ。
印刷された文書をチェックするときに黒は原則不要であり、また自筆の場合にも、使用頻度が高い黒や赤をインク容量が大きい単色ボールペンで揃え、多色ボールペンを補助的に使うことができます。
一本に収めたい場合は4色軸に、主文用に使う色を太字で、修正用は中字或いは細字、追記や囲み線に中字、4本めを主文用と同色で予備という構成にできます。
天冠は亀甲型。ゴムグリップは面積が増えました。余計な事を……
4色ともなるとレバーを組み込みづらいので注意。
2色軸よりクリップが細く、折れ易く思えます。
コレトのペン先は磁性がなく製法も少し違うようで、強度に劣ります。ペン先強度と耐水性なら
スタイルフィット、耐水性が無くていいなら
スリッチーズ、軽く書きたいなら(とくにペンを傾けて書くなら)コレト0.5、というよりハイテックCシリーズのペン先は高筆圧に耐えられないようです。
替芯は共通規格JIS油性B型より5mm短いφ3.1×93mm (内径1.65mm)。
共通規格と寸法を少し違えて互換性を阻もうとするのは各社ともやめたらどうか。
油性B型及びその短縮型は各社の低価格帯多色ボールペンに採用され、コレト用替芯は
ゼブラ クリップオンマルチに転用(要改造)できることで有名です。
またちょっとキツいのですが、長さを合わせればスライドレバー形状に優れるトンボリポーター(トンボBR芯φ2.9mm)にも転用可能。
スタイルフィットやスリッチーズ替芯でも転用できます。
油性ボールペンをわざわざゲルへ換える人間がいるくらい人気が高いのだから、共通規格替芯にゲルインクを充填すればそれだけで需要が望めます。
例えば
同社LHRF-20C替芯はJIS油性D型互換ゲルとして重宝がられており、ドイツ製多色ボールペンに換装される例が絶えません。
ですがJIS油性B型とその派生型は元来油性インク用のためゲルインクでは筆記距離が著しく短くなる欠点があり、ゼブラと三菱鉛筆はインク容量がB型の2倍という新たな多色ゲル替芯をそれぞれJK芯とUMR-65の名で発売、
SARASA4とシグノMC3に採用しています。
これらはφ3.5×96mm (内径2.45mm)と太く、収める軸も太くならざるをえず、色は5色ほどしかありませんが廉価で耐水性があります。
多色ゲル替芯はやがてφ3.5×96mm準拠となってJIS油性B型ゲルは過渡期の製品に終わるかもしれません。
※追記2019年10月17日;という私の予想に反し、JIS油性B型ゲルは過渡期の製品とならず一般化、逆にφ3.5mm×96替芯が隅へ追いやられてしまいました。それどころか紙もボールペンも無くなってタッチペン(スタイラス)ばかりになっているかもしれませんけどね。