ぺんてるが昔とった杵柄、0.2mmシャープペンシルを復活させました。しかも筆記用として。
付属芯2本、軸色5色、2014年2月12日発売、日本製。
折れやすい極細芯だから、ガイドパイプ(スリーヴ)で保護し、芯を出さずに書く「オレンズシステム」で芯折れを防ぎます。
なのでノックは1回のみ、2回ノックすると芯が露出して折れます。
芯をパイプから出さずに書くということは、金属製パイプ先端で紙面を摺りながら書くということです。
であるからして、パイプは芯が書き減るにつれ後退し、その先端は紙面に引っかからないように仕上げられ、ぐらつきも感じられません。
●ペン軸
ゴムグリップなし。強筆圧はゴムグリップなしを避けるから、これは正解に思います。
- ・スリーヴ(ガイドパイプ)
フルスライド3mm、直筒なので製図へ転用できます。
同社が以前製造していた製図用グラフペンシルPG2でも筆記できますが、書き味は本品が上回ります。
1回ノックして出した芯をすべて書き尽くす前に、途中でもう1回ノックしてもパイプから芯が出ることはありません。
細いぶん書き減りやすいけれども、ノック1回で3mmぶんの芯を繰り出すため、1ノックあたりの筆記量が同社シュタインシャープ.3より大きく、.3芯で同じ分量を書こうとすると芯を(体積から計算して)1.3mm以上1.5mmほど出す必要があります。3回ノックする必要があります。- ・口金
- 金属削り出し、ヘアライン仕上げでよい見た目。
そして製図用同様に芯先を見やすい。 - ・クリップ
- 狭持力良好
脱着不可 - ・ノックボタン
- シュタインシャープと共用。
- ・消しゴムZ2-1N
- シュタインやグラフギアと共用。
別売りクリーナーピン付き消しゴムPPE-2あり。初回のみ付属。
標準付属にすべきだと思うんですけど、安全対策か何かでできないのかな。
筆記を中断して再開するとき、パイプがちょっと退がって芯が露出していることがあります。
その場合はパイプを指でそっとつまんで引っ張り出すと、芯を覆えます。
メンドくさかったら、そのまま書き続けてもなんとかなります。
芯折れは、芯を出し過ぎたときと、口金を分解したとき以外には発生していません。
◆替芯AinシュタインXC272
10本入り、芯硬度HB, B
200円税別。以前のハイポリマー芯は12本入り300円(1本25円)だったから、二割廉くなりました。
筆記用ということでHが無くなりBが加えられましたが、こんな極細で硬度Bなんてすごすぎて開封できない。
筆記中、全く引っかかるところがないといえばウソになるんですが、引っかかるといってもウソになるような書き味で、思ったより良好でした。
売り文句が「不思議なほど芯が折れない」「芯を出さないで書くシャープペンシル」なんですけど、この仕組みには前例があります。
→プラチナ萬年筆のシャープペンシルuc_2→芯が見えないけど…uc_2実のところ過去の遺物なのですがしかし、このことを知る者は少数でしょうから、取説が必須。裸売りできないシャーペンですね。
本品とともにAinサラZESA10という薄い消しゴム(4.5mm厚)が売られており、これがまた折れやすくて万人に向かないのですが、たわむ(しなる)方向とたわみにくい(しなりにくい)方向に気をつければ、折らずヒビ割れずに細部を消せる便利な消しゴムで、本品によく適しています。
もちろん
クリックイレーザーfor PROや
メタフィス ガム、
トンボ モノゼロも適します。
オレンズシステム0.2シャーペンといい4.5mm薄型消しゴムといい、ぺんてる製品は優れるけれど使用に注意を要しシロウト向けではない、というかんじなんですが、使用法を誤らなければ誰にでも書ける製品です。
そもそもシロウトに扱えないものが文具店に流通するはずがない。
それにしても人々はこんな細いので何を書くのでしょうか。
いくら線を細くしても字がうまくなるわけでも絵がうまくなるわけでもないんですが、行間に品詞を書いたり追記したり細かい計算をしたり、小さな字で紙面を節約したりできます。
ぺんてるは0.1mmシャーペンも試作したそうなんですが、狂気の沙汰ですわ。でも売れると思う。そして売り出すんだったらこの二・三年内に行わないと機会が失われると思う。
左は同社中空式製図ペン(製図用シャーペンではない)セラノマティック0.18mm
日本製は全般的に高品質、とくに文具は随一に思いますが、なんで新製品を出すんでしょうか。高品質にあぐらをかいていても日本製なら売れるんじゃないでしょうか。
というわけにもいかないから、シャーペンですら刷新を要し、過去の遺物を復活させてまでも新製品を出すんですが、へたに更新するくらいなら旧型を造り続けてもらったほうがいい場合もあります。
この点、本品は良品であり、高く評価されるでしょう。
学習の電子化が徐々に進行中で、いまのところはアナログ筆記具と共存しそうなんですけど、製図用品がそうであったように、パラダイムシフトが起きて状況が一変してしまうことがあります。
たとえ経産省が英米から文房具部門を買い取って、日本が有利に受注できる約束を交わしていたとしても、その可能性が無くなりはしないでしょう。
日本は小型化と改良は得意なのですが、本当に新しいものをつくれるわけではない、ということをもまた感じます。
※2014年7月11日追記:ずいぶん後ろ向きな文だったので、書き直しました。照合検分はGoogleキャッシュやInternet Archiveでしてください。
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