0.2mmシャーペン、オレンズに自動芯繰出し機構を組みこんだ同シリーズ最高級品。プレミア価格で転売されるなど話題になりました。2017年2月発売、日本製。
芯径0.2mm、0.3mm、ノック式、芯硬度表示なし
収納式スリーヴ長3mm、芯繰出し量0.7mm/ノック、残芯約16mm、ノック負荷約450〜500g、自動芯繰出し機構負荷約10g。
付属芯2〜3本、
替えゴムPPE-2、短い付属消しゴム。
オレンズPP502より約7g重く、重心がほぼ同位置、中央やや前寄り。
オレンズメタルPP1002Gを机上に置くとかたかた揺れますが、本品は揺れません。
プラスティック製ペン軸。グリップは一見すると金属のようで冷たささえあります。
十二角軸グリップはオレンズ中もっとも長く52mm、芯先から測ると70.5mm。
オレンズメタルより12mm長く、
パイロットS10と同じくらい。
これで筆記角度を浅くして(ペンを傾かせて)書けるけれども。そうすると細いスリーヴが引っかかりやすくなり、書き味が落ちます。
一方.2mm自動芯繰り出し機構はペン軸を立たせて書くのに向いています。
このグリップと機構の組合せなら.7mmや.9mm芯があってもいいんじゃないでしょうか。
自動芯繰出し機構はスリーヴ押圧式。
スリーヴ(ガイドパイプ、ペン先)を押すと芯を繰り出す仕組み。
スリーヴを引っ掛けるようにして、スリーヴのみを押せるようにしました。
1) スリーヴからちょっと芯が出ている状態。
2) スリーヴのみを押しつけると、そのぶん芯が露出、
3) スリーヴを離すと内蔵ばねによって前進、露出したぶん芯を引っ張り出す。
4) さらにスリーヴを押した状態、スリーヴを離したらまた芯を引っ張り出します。
芯が書き減るとスリーヴが紙面に触れて引っこみ、そのぶん芯を繰り出し、わずかずつ作動します。
スリーヴは内蔵ばねにより常に前進しています。
芯が16mmくらいになると、スリーヴが大幅に引っこむようになるので、ノックボタンを押して残芯を押し出します。その後スリーヴを5回ほど紙面に押しつけると次芯が出てきます。
スリーヴがノックボタンを兼用しているのですが、異なるのはスリーヴを押しても芯を収納できないことです。
芯収納は、従来品のようにノックボタンを押しながら行い、押したままスリーヴを机などに押しつけてボタンを離すと、スリーヴも収納できます。
そんなわけなので、この機構はノックボタン操作を最小限にできる反面、スリーヴが常に前方へ押されて紙面と擦れ合い、その結果書き味が堅くなり、ほんのちょっと凹んだ跡が紙面につきます。
一応製図にも使えますが、スリーヴが紙面に押しつけられる自動芯繰出し機構はあまり製図向きではありません。
オレンズPP502やオレンズメタルはスライドスリーヴに内蔵ばねが無く、本品のように紙面に凹んだ跡を残さず、製図にも合います。書き味に限って言えば、PP502が最も秀でていると感じます。
この自動芯繰出機構では副産物として、従来品と異なるノックボタン操作ができます。
ボタンをほんのちょっと例えば0.1mmくらい押したら、芯も0.1mmくらい繰り出されます。0.5mmくらいだったら0.5mmくらい繰り出されます。繰出し量は最大0.7mm。
従来品は定量押して定量繰り出す仕組み。
長いグリップはペン軸を傾かせて書くのに向いているのに、.2mm自動芯繰り出し機構はペン軸を立てて書くのに向いているから、ちぐはぐな印象がありますが、まっすぐなグリップを短く握ってペン軸を立てて書くことも容易です。
オレンズネロ自体は良品なんですが、標準価格以上で買うことはありませんし、流行に乗って買っちゃったけど冷静になってみたら必要なかった、というひともいると思いますので、極細芯を使わない場合はパイロット オートマック0.5とかでもよろしいんじゃないでしょうか。
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