死してなお愛すること
確かにそこには尊いものがあったはずなのに
いつだって、理不尽は足音を立てず
けれども死は平等で
君へと続く距離を測る
明日なんて捨ててしまえ
過去だけは綺麗なまま
君を縛るもの
光にだって触れられた頃
奇跡というにはあまりに歪な
希望と呼ぶにはあまりに暗く
さながら、呪いのようで
見つめる瞳に宿る感情
せめてこの想いだけは木漏れ日の下に
死してなお愛すること
君の望みはなんだっけ
お別れなんて必要なかった
ちゃんと狂ってるよ
屍に口付けを
これが私のラブストーリー
胸元には赤い花を
未来を代償に永劫を手にした
青い空だって知っている
そうして僕らは街の一部になる
入道雲はいつだって愛おしい
泣きたくなるような夏だった
変われないのにね
世界の色は君の中
滲んだ別れの言葉さえ
鼻歌だって忘れたくない
やがて来る忘却
嫌いでも捨てられないの
君の影を追う
路地裏のひととき
走馬灯の旅
蝉の声を嫌いになれない理由
夏の日差しに囚われて
ほんとうは、覚えてるんだ
輝く空は君のもの
照りつける光の眩しさ
汗ばむ肌の記憶
青い空だって知っている
確かにそこに君はいた
終わらない春を夢にみた
柔い光の記憶
簡単には告げられない
月には教えない
ノスタルジアは覚えない
いつか桜の下で
君は陽炎のように
無意識の拒絶
遠くのままならよかった
すみれの香りの呪縛
君は春そのものだった
交わした言葉の意味
痛みが君をつなぐもの
綻びを恐れる
終わらない春を夢にみた
それは優しさだけの思い出
ぬくもりだけで造りあげる
意味のないものなどなかった
凍返る夜の越し方
散った花を抱きしめた
銀杏は君の色
オリオンはまだ遠く
縁結びの知らんぷり
うさぎだけが見てる
望んでいないわけじゃない
苦し紛れの告白
銀杏は君の色
ある秋の神話
心の消費率
月の光はもういらない
本当はまだ恋をしていたい
手繰り寄せた虚勢
似合わない言葉を吐き捨てた
凍てつくはまほろば
キスの温度だけを知る
偶像の盾
ストレイシープの独白
君の指が結ぶ星座
クラシックの終わりに
君のいた場所には雪が降る
結晶に込めて
凍てつくはまほろば
哀しくてもどうか笑顔で
やるせなさはいつだって近くに
雪原に花束を
天使が泣いた理由
命は選ぶもの
善人でいるのも楽じゃない
取りこぼす前に
いつだって僕ら選んで
幸運を貪り食う
ハリボテの矜持
逃げるくらいなら死んでやる
命は選ぶもの
救いを降らす
余命すら捧げて
カウントダウンはもういらない
どうせなら灰も残らないように
君だけの救世主
いい夜でありますように
きっと神様がいたら、君と出逢えていなかった
無情も非情も受け入れて
憐憫には唾を吐く
振り向く資格なんてなかった
虫食いの感情
トリップのお決まり
ひとりぼっちの戦争
抗うことに意味がある
蟻地獄で会いましょう
きっと神様がいたら、君と出逢えていなかった
脳を泳ぐ
ならせめて感情だけは手放さないよう
あの星は僕だけのもの
飲み干して流星
寄生した白
音楽家の末路
言葉の代わりに音を届ける
手紙は書かない
雄弁に奏でる
楽譜に遺書
ホルンに隠す
コードに込めた追想
君がまだ聴けない理由
ピアノに花
まどろみの演奏
音楽家の末路
夢だけを捧げる
亡き王女への裏切り
月の光が眠る日
残したのは愛だった
死んだ先を描きたい
春さえ眠りにつく
かつて奇跡を知っていた頃
残像に帰す
百合の花を嫌う時
時間通りの結末
湖のほとりで君だけを待つ
残したのは愛だった
爪先に光を灯す
たったひとつの世界が壊れただけ
その代わり、もう夢を見せないで
ゆりかごだけが揺れている
シンデレラにはなりたくない
ハッピーエンドの憂鬱
ロマンティックの量り売り
テンプレートが鬱陶しい
理想の毒
仮面夫婦の日常
不規則な愛情表現
めでたしなんて嘘
おわりを描きたい
見つけなくていいの
期限のある魔法なんて欲しくない
シンデレラにはなりたくない
清らかな青を染めて
まだ愛に飢えていたい
綺麗なだけのおわりはいらない