なんと今月も鉛筆削りです。
片面にφ8.3mm鉛筆削り、もう片面にφ11.3mm鉛筆削りを交差するように配した丸型二穴式。真鍮製、ドイツ製。
メビウス&ルパートの略称がM+Rです。
- φ8.3mm
- 切削角度
19°30′〜20°22°〜23°、とんがり係数0.85〜0.89- 削りくず0.2mm厚
- ドイツ製だし真鍮製だし切削角度がDUX4322Nや同4112と同程度だろうと思えば
意外に鋭角で20°くらいでした。やっぱりおんなじくらいでした。 - φ11.3mm
- 切削角度
37°32°、とんがり係数0.660.575- 削りくず0.3mm - 0.4mm厚
- ファーバーカステル182797でも削れないKoh-I-Noorジャンボ1820(φ11mm)を削れます。トリオグラフ1830は入らなかった。
替刃はDUX 12Nが合いますが切れ味はM+Rのほうがいい。
※2016年9月15日;切削角度を誤っていたため修正
削りすぎる(鉛筆を回しすぎる)と芯先が欠けやすくなります。それでも尖るものの、きれいに仕上がらないので少し慣れを要します。
太軸用は鈍角ながらわりときれいに仕上がります。
太軸鉛筆はだいたい描画用だからあまり尖らせないものなんですが、本品はうまく削っちゃうので尖らせたい場合におすすめます。
二穴式は
ステッドラー512 001や
KUMドームなど横に並べた形式が一般的なんですけど、これは厚い円盤(丸型)に交差して配置されています。
どうしてそんなかたちにしたんでしょう?
大小どちらで削っても鉛筆が同位置になるよう配慮したためと考えられます。
そんなふうに位置がズレる二穴式の欠点を解消したかたちなんだろうなーと思うんですけど鉛筆削り中心からズレていることに違いなく、少々慣れを要します。
扱い慣れるとうまく削れるようになります。
現在は慣れなくてもうまく削れる鉛筆削りが日本製などにあるのですが、それらはすべて使い捨てられるような品ばかりです。
日本製は優れているけれど何でも安っぽくしてしまうのが欠点ですね。またふつうの鉛筆しか削れない。
本品は発売年不詳ですが1950年代後半には存在していたもよう。
真鍮削り出しだから重く、鉛筆削りですら使い捨てではなかった時代の製品。
矢印で示した刃の一部が引っかかりやすいところに古い時代、刃物が個人の持ち物として珍しくなかった時代を感じます。
ある程度分別をわきまえた人間向けですが、注意するにこしたことはありません。
次回は同社の604グラナーテにしたかったんですが、入手できなくて
リネックスPS500になりました。
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