ダイヤルを回すと鉛筆の尖り具合を調節できるDUX 4322Nは、調節機能つきとしてはおそらく最小ながら真鍮製で30g以上あり革ケースまで付属する鉛筆削りです。
ダイヤルは三段階、裏側に凹みがあり、鉛筆挿入深度を変えて尖り方を変えます。鉛筆が浅く入る1では鈍く、深く入る3が最も尖ります。
同原理がクツワK'ZOOLや
サンスターFLAVORに応用されています。
切削角度約23°,対応軸径φ8.1mm。コンテ ア パリ等太軸鉛筆は入りませんが、その他の多くの鉛筆を削れます。
刃の切れ味そのものは悪くないものの、これで削った鉛筆の芯先の仕上がりがどうにもイビツになり、ダイヤル3にすると際限なく削れるようになるうえ、芯が折れやすくなるので注意が必要です。
ダイヤル1で削るぶんには使いやすいですね。
DUXのN替刃はKUMやMOR社製にも合います。
工作精度が意外に悪いのか、最初の購入品はダイヤルの径が僅かに小さく、芯先がダイヤルからはみ出てしまう不良品で返品交換しなければなりませんでした。
革ケースは黒のみドイツ製、色つきは日本製とのこと。そんな革ケースや価格のことを考えると、これを買うのは道楽に近い行為ですな。
ペーパレス化やシャープ/ボールペンの普及により、鉛筆削りは主に学童用と考えられますが、そのような素朴とも言えるものを高級品化してしまうのは面白い試み。
といっても本品は1950年代に発売されているので、純粋に高機能化を目指しただけなのかもしれません。
現在DUX社はなく、Standard Graph社が製造を引き継いでいるようです。
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