あかいりんごとあまいはちみつ
□ 2013/12/30 03:26 はじめまして新しい未来
ハローハロー
「あ、あぅーう」
「目が覚めたか、ルーク」
「あ、しゅー」
「無理に喋らなくていい」
「んーん」
「今回はどんな道が待っているんだろうな」
体を起こして首を傾げる幼いレプリカルークは澄んだ目をしてルークを見上げる。音機関にかけられて衰弱したルークは細い手でレプリカルークの髪を撫でた。
「近いうちに会いに行くから待っていろ。もう、限界…だ…」
「うー、うあ、やあっ」
「わか、…る、戻る…」
ルークはふらふらと音機関に戻ってすっかり意識を失う。レプリカルークはしばらくぱたぱたと手足を動かした後、もう一度横になって目を閉じる。喋れなくとも思いはルークと変わらなかった。
今週はどんな未来が待っているのだろうか。どういった幸せで終われるのだろうか。
目を開けると大きな大きな屋敷のベッドだった。新しい未来の始まりだ。
ハローハロー。真っ白な未来にこんにちは
□ 2013/11/05 03:53 無題
「…ガイ」
小さな声で呼ばれるが、聞こえない振りをする。ずんずんと先に進めば、向こうも足を速めてきた。
「なぜ逃げるんだ」
腕をつかまれて引き留められる。振り払おうと思えば振り払えたが、そこまでするとあからさまなので諦めた。振り向くと強く、それでも訝しむような視線を投げられた。
「…はぁ」
「聞いているのか」
「聞いてるよ。何か用でもあるのか」
「…それは…」
アッシュが言葉に詰まる。あらかた見かけたから声をかけたのだろう。アッシュは普段そういったことはしなかったが、ナタリアや俺には昔はよくしていた。それは関係が近かっただろう。限られた環境下におかれ、好いた人がそのくらいしかいなかったせいもあると思う。昔から縋るような目をしていたから解る。
ふいにぱっとアッシュが握っていた俺の腕を離す。話すことを諦めたのだと判った。
「悪い」
「…昔っから変わらないな」
「…あの頃とは違う」
「より不愛想になったな」
「……」
じっとりと睨み付けてくるが、身長差もあって全く怖くない。昔から見ているからか。 虚勢を張る姿はとても滑稽だった。だから少し、虐めてやりたくなった。見上げることをやめてどう離れるか伺っているアッシュの頬に触れて、少し顎を取った。
「優しくしてほしいのか?」
目を見開いて驚いた。うっすら悲しそうな表情で。そんな反応に満足した俺は最低だと思う。
「ふ、ざけるなっ!」
アッシュは思い出したかのように俺の手を払い、身を翻していく。些か早足で人混みの中に紛れて行った。
もう昔には戻れないのだと改めて思った。今度会ったら謝れたら謝ろう、そう思う。
□ 2013/07/04 00:20 落雷
ゴロゴロと地に響く音がする。外は嵐で夜なのもあって微かに揺れる木々しか見えなかった。
「ガイィこぇぇ」
ぶるぶると布団にくるまり震える最近まで赤ん坊みたいだったルーク様は昔からはとても想像しがたい状態だ。昔のルーク様は出会った当初から怖い物なしみたいな態度だった。なのに今のルーク様は不様に雷なんかに怯えて使用人、俺が部屋に戻ることも許してくれない。今日も今日とてお守りで疲れているから早く横になりたい……
「ガイ?ガイィ…」
「はいはい私はここにいますので早くお眠りくださいルーク様」
「それやめろって言ってんだろ…ひっ」
ぴかりと稲妻が落ちて、小さな手で必死に布団を握りしめる。俺の手も。力みすぎていて痛い。目には涙が光っていた。
「……。ルーク、大丈夫だ。ルークが寝るまでずっとこうしていてやるからさ」
「ほ、ほんとかガイ…ウソだったら怒るからな……」
「こんな時に嘘ついてどうすんだよ」
「うう…ぴかって、こわい…ガイ」
「はいはい」
昔自分も雷を恐れていたことを思い出した。まだ小さい俺が怯えている姿を見て、姉上は寝るまで傍にいてくれた。俺がまだ幼くて早寝だったから可能なことで、ルークと同じになったならそれは叶わなかっただろうな。
仇の息子がかわいそうだなんて思ったわけじゃない。幸せだった、何も知らなかった昔に思いを馳せながらずっとルークの手を離さずにいた。あたたかい手に、それは過去なんだと思い知らされた気分だった。
□ 2013/06/25 16:44 日常
「明日は晴れ、明後日も…晴れか、そっか」
「…何をしている」
「ローレライと通信中。やっぱり外出る時は晴れててほしいだろ?」
「ろくでもない事にあいつ使ってんじゃねえよ、第一に痛みが付き物だろ、やめろ」
「アッシュ心配してるれてるんだ」
へらとルークが笑う。
それを見てそっぽを向くアッシュ。
「テメェが使い物にならなくなれば俺に量増しが来るだろうが」
「あ…うんはい、その通りです…」
「…解ればいい」
「ごめん、アッシュ。それと心配してくれてありがとう」
「……フン」
□ 2013/06/02 02:45 そんな君が好きなの
「がぁいー」
「はいはい」
「ガイー」
「はいはい」
「……」
静かな夜に宿で音機関を弄るガイ。そしてそれを隣でただぼぉっと見ているルーク。ガイの音機関弄りの趣味はもうわかりきっていたがこうも同室に居ながらも放って置かれるのが不満だった。
「…ガイー」
「わかったってルーク」
「〜〜〜っ」
ながら作業で返事を返すガイにルークは言い様のないもどかしさを感じる。構って欲しいのに、たまにの趣味を邪魔したくないと言う気持ちもあるのだ。もやもやもや。軽く叩いてみたり。
「♪〜〜」
だんだんと苛ついてくる。気は長い方ではないのだ。ついに音機関を取り上げた。
「おいおいルーク、悪戯しないでく…」
「……知らねー」
ぷいと横を向いて無視を決めるつもりでいた。ガイの視線はルークから動かない。少し気まずくなって、ちらりとガイを見ると視線が合って、抱き寄せられて。
「ルーク」
「……っ、」
「ほら、拗ねてないでこっち向いてくれよ」
「…ガイが悪いんだろ…っ」
「…顔が見たいんだ、頼むよ」
「………、っ」
恥ずかしいやつ、と言おうとした言葉はガイの口にのまれた。唇を舐められて、ぐるっと口内も舐められて。少し体が火照るくらいで離れて、ガイはにやっと笑ってみせた。
「夜は一緒に寝てやるからさ」
馬鹿野郎!
結局ルークは寝坊しましたとさ。
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