ユニボールワン発展型。ゴムグリップを廃し、「スタビライザー機構」により低重心になりました。2021年9月発売、日本製。
軸色7色、
付属芯は軸色にかかわらず黒インク、UMR-**S。
ノック負荷は以前より少し重くなって450g。
先軸内に仕込まれた金属部品「スタビライザー機構」の一部が露出、それがペン先を鋭く強調しています。
●スタビライザー機構
その金属部品の重さが、重心を前方へ移動させています。
左から本品、
同社ユニボールワンゼブラ サラサナノJJH72ゼブラ ブレンBA88
しかし、新たな特長であるスタビライザー機構の主眼は低重心(前重心)ではなくて、ペン先のガタツキを抑えることにあります。
その効果は良好ですけど、黒軸を秋に購入した際、わずかながらペン先がガタついていました。
ところが半年以上経って改善。買い直したわけでもないのになぜ?
ペン軸がやや太くなりました。
ゴムグリップではないのでもちろん滑りますが、ちゃんと書けます。
また手帳のペン挿しにするりと入ります。
黒軸「消炭」のみポケットクリップが黒仕上げ。
バーコードラベルが愉快。
先軸を回して外し、替芯交換。ペン軸の分離箇所が後方へ移動し、握る箇所に継ぎ目や段差がありません。
◆替芯UMR-38S, -05S φ6.1mm×111.5、ペン先径2.3mm、JISゲルK型、日本製
インク色;黒赤青、付属芯黒のみ。別売りされないもののインク色多数。
ボール径/筆記距離;
0.38mm / 400m
0.5 / 350
前回2020年6月には気づかなかったのですが、この替芯の最大径はφ6.1mmでJISゲルK規格準拠品でした。
インク収容筒が後方へ向かって逓減している形状だったのです。
互換品:三菱
シグノノック式用UMR-80系(UMR-82, -83, -83E, -85N, -85E, -87, -87E, -80)/R ; E用URR-100
コクヨ エラベルノ用PRR-E**
ゼブラ
サラサ用JF芯 (111.0mm)/
サラサマークオン用MJF芯 (111.5mm)/
サラサドライ用JLV芯 (111.0mm)
トンボ モノグラフライト用BR-KN*
プラチナ万年筆GKR2
代用品:サクラクレパス
ボールサインNX用R-GB/
ボールサインノック用R-GBPゼブラ ブレン用NC芯
パイロット アクロボール用BRFV-10
JISゲルK型替芯には、111.0mm長と111.5mm長の二種あり、口金が薄い本品ペン軸にどちらを入れても違和感ありません。
前身のワンUMN-S-はペン軸が111.5mm長替芯に最適化されていて、111.0mm長替芯を入れるとペン先が0.5mm短く出ていました。
厚いプラスティック口金では見づらくなります。
注意点:ゼブラJF芯とプラチナ万年筆製替芯を入れると、複座ばねが替芯に嵌まります。
ゼブラ製は一応入るけれどちょっと不具合があり、またぺんてる製JISゲルK型替芯(
エナージェルや
ハイパーG用)が入らなくなりました。
純正替芯より廉価な他社製替芯を入れると不都合あるけれど同価格だったら容認する、という方針になったのかもしれません。
三菱ジェットストリームSXR-も入りません。
代わりにゼブラNC芯がぴたりと入ります。
欠点と言えば、書き味良すぎて書きにくいことでしょうか。
1997年2月に発売された
シグノノック式は150円税別でした。そして
2000年10月シグノRTが100円税別、
2013年1月
シグノRT1が150円税別、
2016年、シグノ307が200円税別、
2020年2月に発売されたワンは120円(税込132円)、
2021年9月、本品は300円(税込330円)です。
三菱ノック式ゲルインクでは、いったん値下がりしてから今回の発展型で倍以上になりました。賃金も上がっているのでしょうか。
インフレ云々言われて久しい昨今、日本のボールペンは2010年代後半から平均単価が上昇しています。総務省物価統計では品目指定しているため、その上昇が表れにくいのです。