顔料系ゲルインク、可動式クリップ、ノック式という、サラサクリップに似た特長を持つ顔料系ゲルインクボールペン。
0.38mm20色、0.5mm10色、2020年2月発売、日本製。
替芯
UMR-**Sボール径をペン軸側面に浮き彫りで表示。競合品サラサクリップやパイロット ジュースの印刷と違い、消えません。
白軸が標準。黒インクのみ黒軸あり。
競合品より色部品の面積が小さいながら、白軸を採用して判別しやすいところなど、クリップ周りに部品構成の妙が見られます。
可動式ワイヤクリップは、その片側が浮く傾向があり(浮かないものもある)、実用性を損ねてはいないものの、挟持力は競合品より低い。
クリップ全体が張り出しておらず、手に干渉しにくい。
ノックボタンを押した際にも指に干渉しにくいため、競合品より押しやすく、フラップ付きポケットにも収めやすい。
ペン軸は直筒形。
ゴムグリップは堅くてべたーとした感触。白いため汚れやすい。
グリップを回して外し、替芯交換。
回転子(ノック機構部品)が替芯後端をくわえこみ、替芯が上軸側(後軸側)に残ります。◆替芯UMR-38S, -05S φ
5.7 6.1mm×111.5、ペン先径2.3mm、JISゲルK型、日本製
インク色;黒赤青、ほかの色は替芯別売なし。
ボール径/筆記距離;
0.38mm / 400m
0.5 / 350
シグノノック式と描線を比較すると、光を反射せず、顔料系らしからぬ鮮やかさ。
ただし赤の耐光性がやや低下、またアルコールで変色します。
新開発「ビーズパック顔料」使用。
色材粒径が大きい、というので、擦過に弱いかと思ったら逆でした。
筆跡を指でなぞってもかすれず、速乾性があり、エナージェルとサラサドライを超えていると感じます。最速かもしれない。
それでいて滲まないし裏抜けも見られない。修正テープ上でも色が淡くならない。
筆記後五秒ほどで蛍光マーキング。
五秒では、ほぼ完璧なサラサマークオン+モジニラインに敵いませんが、一分くらい経つと蛍光マーカー上書きでも本品は滲みません。
・紙はコクヨ さらさら書けるルーズリーフ ノ-837S-5
・ゲルインクボールペンは上から
ワン) 本品
シR)
シグノRT1サマ)
ゼブラ サラサマークオンサク)
ゼブラ サラサクリップジュ)
パイロット ジュース・蛍光マーカーは左から
オプ) ゼブラ オプテックスケアWKCR-1
モジ)
ゼブラ モジニラインプロ) 三菱プロパスPUS-101T
プレ)
プラチナ万年筆 プレピーコピ) トゥールズ コピックスケッチFYG1
消しゴムがけもしてみました。
やや筆跡が淡くなりましたが、画像に写すぶんにはあまり変わっていないので、印刷やスキャニングでも良好かもしれません。
シグノ307は本品より筆跡が濃いままですが、完全に乾くまで他より時間がかかります。
・紙は前掲品
・ボールペンは上から、
ワン) 本品
シRT1)
シグノRT1シ307) シグノ307
・消しゴムは
S60)
SEEDレーダーS60、塩ビ
M01) SEEDスーパーゴールドER-M01、天然ゴム
JISゲルK型に準拠しながら規格より細い。
シグノノック式用替芯UMR-80系より細いため、多くのノック式ゲルインクボールペンに転用可能。
本品ペン軸にはどちらも入りますが、ペン軸が111.5mm長替芯に最適化されているため、一部の111.0mm長替芯(ゼブラやぺんてるにある)ではペン先が0.5mm短く出ます。
互換品:三菱
シグノノック式用UMR-80系(UMR-82, -83, -83E, -85N, -85E, -87, -87E, -80)及びR;E用URR-100、
コクヨ エラベルノ用PRR-E**
ゼブラ
サラサ用JF芯 (111.0mm)及び
サラサマークオン用MJF芯 (111.5mm)そして
サラサドライ用JLV芯 (111.0mm)プラチナ万年筆GKR2,
ぺんてるハイブリッドテクニカ用KFRN及び
エナージェル用LR / LRNそして
ハイパーG用KLR (一部111.0mm)
代用品:三菱ジェットストリーム用SXR- (細くてちょっと引っこむ)
サクラクレパス
ボールサインNX用R-GB及び
ボールサインノック用R-GBP、
ゼブラ ブレン用NC芯(細くてちょっと引っこむ)
パイロット アクロボール用BRFV-10
太字がなく、また赤インク耐光性が低いため、掲示物等を作成するのだったら従来品かマーカーがよいと思います。
そこを除けば、速乾インクで擦過に強く、色数もあり、なにより書きやすい製品。
シグノ登場から三十年、ノック式シグノが二十年強経っているから、本品に更新される可能性もあるわけで、シグノをいくらか蓄えておこうかという気分になります。
シグノノック式は本品に比して、インク色がやや淡く見えるものの、ボール径が多く、筆記距離が等倍〜二倍強、インク耐候性がやや上回る点において、今なお価値を失っていませんが、デフレ時代の製品が更新されていくのではないかと思うことがあります。
*今回で休止します。
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