近ごろ流行る選択式多色ボールペン、
パイロット ハイテックCコレト、
ぺんてるスリッチーズ、
三菱スタイルフィットの後を追って2012年6月に発売された新製品、日本製?
※2018〜2019製造中止
ゼブラには既にシャーボXという高級選択式多色ボールペンがあったためか、低価格帯への参入は後発です。
後発製品は不利になることが往々にしてあり、先行品に対して何らかの優位性か特異性を示さねばなりません。
プレフィールは
可動クリップやシャーペン用ノックボタンを持つペン軸、
インクを三種、
シャーペンユニットを三芯径用意して選択肢を広げています。
◆ペン軸
三芯、四芯軸あり、ともに同サイズ。
色別法:着色された替芯ペン先を透明下軸(前軸)から視認。
下軸(前軸)を長くして視認範囲を広げたほうがよかったんじゃないでしょうか。
色別以外は、先行品と同価格ながら機能面で最も充実しており、可動クリップとシャーペン用独立ノックボタンを具え、不意にペン先が引っこんだりもしません。
かわりに作動部が汚れるとレバーが戻らないことがあるので、その場合には爪楊枝などで掃除します。
◆替芯φ2.95mm×98でJIS油性B型にあたりますが、他社製より内径が狭く、互換性には難があります。
例えばプレフィール芯を他社製ペン軸に入れるにはキツくて入りにくい。
逆にプレフィールペン軸にスタイルフィットUMR109芯を入れるとゆるくて外れる。UMR109が新品だったら外れません。
◆インク
色数;4色から11色
- K芯(同社ジムノック用油性インク)
- 0.7mmのみ、筆記距離800m
- 昔に比べると質が落ちたように感じますが、旧来の油性インク中、一・二を争う書き味。
- EK芯(同社スラリ用エマルジョンインク)
- 0.3mm/筆記距離600m、0.5mm/550m、0.7mm/250m
- 書き味がK芯以上。インクづまりはないけどもダマができやすく、口金内にインク汚れがつきやすい。
- NJK芯(同社サラサ用ジェルインク)
- 0.3mm/120m、0.4mm/100m、0.5mm/70m
- NJK芯は全般的に良く耐水耐アルコール性も優れる。
書き味は0.4mmくらいまでは悪くないんですが、0.3mmは悪く、とくにEK-0.3芯はかすれることもあります。
みにくいけれど、赤とブルーブラックを試す。
各紙片一行めがEK芯、
二行めがNJK芯、
三行めの紫はNJK-0.4、水色はEK-0.5、赤がK芯。
◆シャーペン
.3mm、.5mm、.7mmの三芯径。
芯補充は他製品と同じく機構部を外してから。
シャーペンを装着するとプレフィールは
スタイルフィットマイスター並みの操作性となり、本品を多色シャーペンとした場合に便益性が最大になるかもしれません。
シャーペンと色ボールペンを併用してノートに書いている場合、修正テープと消しゴムを使い分けられず戸惑うこともあるでしょう。
プレフィールに三菱0.5mmユニカラー芯やパイロット0.7mmカラーイーノ芯を入れれば、修正テープと消しゴムを取り違えることもなくなります。
消せる色芯。消しゴムはプラス オムニ青。
同方式商品が飽和ぎみになっているのですけども、市場が飽和しているなら価格を下げて発売する方法もあるのに、過当競争を防ぐためかゼブラは先行品とほぼ同価格にしています。
同社はブロックバスター傾向があるんですけど、今回はそうはいかなかったようです。
旧来は替芯しか売れないのは不都合なことでしたが、この方式は替芯だけでも利益が出る価格設定なので、もう少し互換性を与えてもよかったんじゃないでしょうか。
消費者を囲い込むのだったら、
多色サラサのJK芯を活用して、一ヶ所だけJK芯共用のプレフィール4芯ペン軸とか造ったらきっと喜ばれるに違いありません。
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