2021/05/25 - 40
わたしに暴力をふるうひと
わたしとあなたの頭蓋骨のサイズはちがうのよ
わたしの夢のなかであなたをみた
わたしは駒鳥
わたしを掌握する大きな目
わたしはきっと、あなたの絵に涙を流すために生まれてきたんだわ
骨まで愛す
あなたで穢れていたい
微少女倶楽部
食い死に
だってあなた。わたしを一目で見つけられるの?
やわらかすぎて、うっかりやけどしてしまった
あたまの中ではバレエが響いて、まるで、ちょうど、あなたと出会った時のようだった
あたしの足はペニスを模しているのよ。ねえ、受け入れて
腐った花束
印刷するようにつぶやく
なんにも恐ろしいことはないのよ。さあ、飲み込んで
あなたの嗜好品となりたい
ただしさだけでは泳げない
植物性の死
2021/05/05 - 39
あしくびにめまい
ショッキングピンク・血飛沫
きみはわたしの羽をもいで飛べるはず
墓にキス
教えてあげる、経血なんて蒸れた血のにおいと尿のにおいよ
あなたはどんな匂いがするの。教えて
ソフィアと呼ばないで
純にならぬ愛
クローゼットはあまい匂いがします
サーモンピンクの血管など
2021/04/22 - 38
今思い出しても、胸の底が獣の爪で撫でられたようでぞくぞくとする
寝ている時でも優しくしてくれるから、寝ていても彼は彼のままなんだと思う
今ならやさしくできるよ
倒錯地獄
それを愛だと言わせてくれ
あなたの庭を教えて
虜の肉
あたしきみのラヴァー
少女の前では永遠に童貞でいたい
あなたの薔薇で生きてやる
赤の瞼
青の舌
黄の腑
2021/04/17 - 37
冷たいカンヴァス
愛しているから終わらせないで
硬い皮をずっと剥いています
ふたつの牙で貫かれる気持ちよさをあなたは知らないでしょう
この人は多分、わたしをはやくに壊したいのだろう
密室の方が安心する。窒息したって構わない
私の小惑星を愛する人
小さな頃は、蟻を踏んでは内心楽しんでいるような子どもでした
きみは鼻歌が下手みたい
わたしを必要としないあなたのために
潜性から弾かれたわたし
酸素に触れられてあたしはだんだん硬くなっていく
2021/04/05 - 36
わたしの愛の証明を見届けてくださいますかあなた
声を上げたら悲鳴を手の中で殺された。やっぱりこの人って最低なんだって安心した
その甘言に怯える
わたしを逃さないで
花と鋼
枯骨となりたい
愚痴貪愛
処女粘膜
あなたをバスタブに沈めた記憶がこびり付いている
あなたに委ね苦痛
あなたの手の水槽の中でわたしを飼って
2021/03/26 - 35
あたし達に映画みたいな愛憎はいらないの。お互いの肉体、指先、足、水晶体があればそれで。あたし達は上編で出逢い、下編にたどり着ける
二度とあなたが、わたしのなかで息をしませんように
嘘でいい、ただの芸術品だから
舌は少女を飾るレース
今日も君はものがなしそうだ。それでいいんだけど
あなたのためにいつまでも咲き続けるけれど、どうか迎えには来ないでください
好きな歌のあのワンフレーズだけ聞く
きっと悲しくなったら地に堕ちれる
パラフィン紙に包まればおいしそうにみえる?
2021/03/04 - 34
私にとって喪失とは、覚えていても二度と手に入らないこと
爪が伸びるのがアンバランスでも、いい?
あなたの手の中の果物、後に咥える煙草
ああ、虜にしてよ
脱ぎ捨てたネグリジェの狭間で震える
あなたがわたしに微笑んでくれた。まるで両想いみたい
お気に入りは燃やしたい
お前が私を好きにならないというのなら、私のために死ね
私は誰かを愛してみたいけど、お前の愛は必要ない
しかして乙女はマゾスティック
やがて実るはあたしのお前だけをみつめるまなこ
2021/03/02 - 32
異臭を放ちながら愛してると言う
腹の下から流れる脚
臍の下から溢れる脚
お前は単純な生き物なので、私が舌を出せば欲情する
スパンキング・キス
虚なあなたを見たい
私の中の感情のほとんどは考え過ぎだって淘汰されるべきものなのだ
鏡の中に映るわたしも好きだと言ってもらいたい
私の感情を知っているだなんて言わせない
憎しみとクレマチス
2021/02/02 - 31
あいして恋人、冷凍庫で
(倒錯/盗作)の羽
ことばの引力
撫でてみればわかること
あなたとわたしの致命的欠陥
私の無慈悲を捧げましょう
わたくしは花園でうまれ、蜜のにおいが染みついている
機械仕掛けの我がプリマ
やわい爪を立てられたって痛くないんだから
炎の渦の中で私を見て
きみよ、あなたは電波塔
きみの頭は電波塔
いつまでもなまぐさく在りたいのに
魔法でだきしめて
見慣れた髪色
悲しみは脱ぐもの
くさりかけショートケーキ
つまらなさそうにホールケーキをつつく女
逆光のあなたを貫くのがつらい