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2020/06/28 - 20 ひらがな

望んで、おねがいよ
黒いめ 黒いつめ 黒いはね、あなた
やくそく破ったらおこってくれる?
あなたにみつめられたいからあさは眠ったふりをする
うんめいみたいに笑っていてほしいなあ
悪意 とてもおおきなにもじ
やくそくの果たせないくすりゆびはもらうね
きみがしんだらくすりゆび頂戴
このひかりに眼をならさなければ
墓石にくちづけ あなたがねむる
原典におちよう
やさしいきもちのまま、手からすべりおちていく
さみしさがわたしの、邪魔をする でもわすれたくはない
くちべにの色はおぼえているんだけどなあ
わたしに肩があったらあなたはあいしてくれましたか
いつかわたしは真水になるさ すてきなはなしさ、きっと
きみのあいがわたしを縫いとめる
それがきみならわたしは哀する
むかしだったらため息もつけた
きみに触れられるまえに


2020/06/28 - 19

海とジムノペディ
果ての楽園まで駆けてもいい

夏生まれのあの人の体温はじつは夏よりも冷たい
もうすぐ閉園の時間よ。檻のところまで来て
オフィーリアみたいに絶命させて

私の部屋で一番先に目覚めるのは、観葉植物である
営巣に閉じ込められたい
好きな人にはフルネームで呼ばれたい
足首の影

全部を肯定してあげる。あなたが望むならピアノも弾くわ。膝を差し出すわ。身体を貸すわ。でもあなたは親指の背を噛むのをやめない。結局は孤独を孤独たらしめるのはあなたのせい。でも、そんなあなたが好きよ。その孤独に飽きたら一緒にこの白い家の庭で遊び、コヨーテを撫でましょう。そしてまた孤独になりましょう

あの人を追えない季節ばかり
汗みどろになってもいいよ
妹みたいに愛でてよ
あたしが嘔吐して丸まった背中を愛する女

実の詰まった瞼
肉付きのいい唇
卵の薄皮と罅


2020/06/28 - 18

発情愛
ゼラチンの指、手首、爪、踝

体温よりもつめたいなみだ
愛を牛乳でかさ増し

下着の味を吸った体液
私はお前を求めないけど、お前から求められるのは気持ちいい

白木蓮の終わる季節
貝殻から海の音がすればわたしは故郷に帰れた気がする
私のためにその柳眉を歪めてくれ
女には愛撫が必要。男には射精が必要。それを無視するような男だった。


2020/06/28 - 17

土の強く薫った庭は獰猛。枯れた花がその証よ。あらゆる栄養を喰らい、わたしの家に入ろうと細胞を蓄えている。この間、泥の腕が生えていた。

口内の夜中

ひとくちの地獄
ひとさじの愛撫

あなたになら許されなくていい

眩う
今日もきみの薄い膜越しから世界が見れて完璧だった
爪痕を守って

あたしの思想が好きだと云って

君の心臓が砕けるとき、きっと世界で一番美しい音がしたんだろう
個性を黙殺される制服の下の十人十色の肉体、知りたくなあい?見せてあげるよ…
純真無垢のままでいたかったからアダムとイヴのままでよかった

便器の味を覚えた


2020/06/28 - 16

愛してるのよ恍惚さえも
少女ロボットに断末魔はない
冷たい血を覚えられない

覚えたての色香は僕を狂わせる
あなたを愛してるよ心中を

「今日も君はうつくしかったね」人を殺めなかった日に言われる言葉

心が二つ三つあるなら食べちゃいたいのに

私の唇に触れる相手が欲しい
骨髄まで考えてあげる

肉欲生まれの愛
内緒生まれの恋


2020/06/28 - 15

アリス、わたしを知って
心が二人を分かつまで
お互いの肉を分かち合った秘密よ
全ての機能を奪ったあなたに片方の靴は履かせてあげない
欲しい、と思ったものはその欲しい相手にしか受け取れないと満たされない発動しない魔法

知能と愛
約束よ、と囁いた声が忘れられない
模倣のユーフォリア

眠れるように抱いて、それから撫でて。そしてあなたのお母さんが歌ってくれていた子守唄をわたしに歌って

最初はわたしが支配したから、今度はあなたがわたしを支配する番
お前を殺して寂しい夜を過ごすのも悪くない
あなたと煮崩れたい
もしも会えなくなったら、あなたの夢を毎晩見たい
私は彼女の乳房を耳で感じる

昔から父のことは嫌い。でも性癖も彼に似て、似たような顔ばかり好きになる。父が父でなければよかった

女王蜂の腰

わたくしの初恋は同級生の男でもなんでもなく、わたしの頭を優しく撫でながら乳を与えた乳母なのです

臍の上に抱いて眠る
死因はきみの子宮がいいね


2020/06/28 - 14

すき、だいすき、あいしてる。どんどん文字数が増えていくね
「美しい」その言葉を言えないから唇を舐める

房総半島でなら私を銃弾で撃ち抜いてもいいよ
随分と不毛なことをしてきた。いつか姉は男のものになるというのに

昭和五十五年に発行された小説の、意思、というかすれた文字をなぞる
誑し込む、誑かす、嗾す、娶る、拐かす

あなたと恋人になってからというもの、わたしという人間はこのように人を愛するのだと知った
例えお前が白痴であろうと私はお前をぶったりしないよ


2020/06/28 - 13

肋骨は優しくわたしを抱きとめる
裸子のからだ
爪に潜む逕庭
君の髪に舌を挿れる

塩素剤をくちうつしで飲ませあう貯水槽
桃の皮を包丁の背で撫でる真夜中二時半
性愛をするときはあなたが兄であることを忘れる

さみしい皮膚の乾いた垢
飼っている植物に水をやるときはすべての時間が止まっている
ルージュも引いたことない処女くさい唇

心臓から遠い器官でときめかせて
彼の言葉に真実はあったのだろうか。桜が水面に落ち続けている


2020/06/28 - 12

あなたからは腐った桃のにおいがする
処女は鋼鉄のにおいがする
桜は耳朶のように柔らかい
エラがいやらしい動きをしながら

耳を食んだから知っている。彼女の柔さを
胸の内で感じさせて

爪ほどもない脳みそで惑って逃げて叫んでみせて
きみはうつくしい牙を向ける。懐柔されたようなふりがお上手。食べてもいいよ
植物の匂ひ 植物の体臭
本当のくちづけは額だけに

彼はどうやら死体愛好家らしい。私は寝そべり、目蓋を下ろして腕も首も足もだらしなく伸ばす。力を抜く。足首を掴まれて引き摺られる。今日は何処かしら、そんなことを考えながら体温と膣内を冷たくする。

足の裏が覚えているよ
出会いは鹵獲


2020/06/28 - 11

吐息から嘯いている
口元だけの微笑み

あなたはおそろしい あなたはいとしい
ふたりでみれるゆめ

いっそあなたから千本の針を与えらたい
私の晒した首に牙を立てる覚悟はあるか
目蓋の裏で面影が揺れている
ふと私とこの人には同じ数だけの首の骨が埋め込まれているのだと思う
引火する心

死化粧をなぞる
魚雷のような足
少女は白くてうつくしいなにか
心中通りに
肩の骨のような海

永い骨
優しい隔たり
夢の中で天使になった私はあなたがコンフレークをぼんやりと食べてるのを眺めてた
背徳の背中


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