―殺し屋創作―
数十年前、突如犯罪数が急激に増加する事態が発生した。国家と警安の手には負えない程となり、もはや治安維持の機能を失っていた。
そんな中、密かに『殺し屋』と呼ばれる仕事がうまれる。彼等は違法者をターゲットに、依頼を受けることでターゲットの抹殺を実行する者達だった。
彼等は最初こそ世間から批判を受けた。しかし次第に役目をなさなくなった警察への怒りが殺し屋達への期待へと変わり、その存在は非公認ながら「一つの職業」として確実に成長を遂げていくのであった。
そして現在。殺し屋は「見えない制裁者」として世間に認知され、世間はそれを大いにに受け入れていた。国家及び警察も表では否定と排除を掲げながら、意図的な野放しに加えて殺し屋を裏で利用することで、治安維持を図るようになっていた。
原因不明の奇病による殺人鬼の増加も著しく、犯罪数は決して減ったわけではない。しかしそれでも犯罪数が過去の数値よりも低い値に留まっていることは、殺し屋の増加を明らかにしていた。裏社会も巨大な根を国家の届かないところまで張り巡らせ、悪化した実際の治安は、平和に見える表の世間によって世界から皮肉にも巧妙に隠れていた。世間は治安維持機能を依然失ったままの国家の下で過ごす他無いのだった。
世間は腐敗した国家への怒りと不安を、殺し屋への大きな期待へと。
国家は犯罪者である殺し屋を利用した非人道的治安維持へと。
殺し屋の存在は、必要不可欠になると同時に常識を狂わせていった。
世界は笑う、全てを愛おしく観察しながら
・00話
【殺し屋】
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【用語解説】
・殺し屋
・殺人鬼
・害者
・暗殺者
・能力
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