あかいりんごとあまいはちみつ

□ 2012/10/17 22:24 耳3

「アッシュ!ひどいじゃんか!!」
「なんだ煩い…」

どたばたと自室に入り込んでくるレプリカに仮睡眠を遮られる。

「ガイにこの前聞いたら、アッシュ元々左利きだって!!きょうせいして右利きになったって!アッシュの嘘つき!」
「……矯正、な」
「そこはいいんだっつーの!」

べしべし叩かれて痛い。仕方なしに身体を起こしてひきはがす。知られると後々調子に乗るから言わなかったのだが、ガイめ。

「俺が言いたいのは、アッシュの利き耳は左耳だからこの前なんも反応しなかったんだってこと!自分だけずるいじゃんか……」
「ずるい?」
「だって、すごいかっこよく聞こえるんだぜ?すぐ腰抜けそうになるのが俺だけとかずるい。俺だってアッシュ気持ちよくさせたいもん」
「別に要らん」
「いんや駄目だ!!しかもここ3連アッシュ上じゃん!アッシュのイイ顔見てない…」
「ほいほい下になってたまるか!」
「ちょっと赤くなった」
「黙れっ」

顔を隠そうとつい横を向くと、髪と絡みかけている右耳に触れ顔を正面に戻される。先程から話題の右耳には、ルークの指。これはまずい。すでに動きが鈍っている。

「くすぐったい?」
「…っ、離せ…」
「いいでしょ…?」
「駄目だ!」
「照れやさんなんだから…ねぇアッシュ」
「っ…くそ、好きにしろ!」
「やった」

こうなったら簡単には収められそうにもない。半ば躍起になり許可すると、それはそれは生きの良い魚のようにはしゃいだ。


「アッシュ……」

「〜〜〜っ」

吐息をかけられ思わず身を震わせる。そのまま舌を挿入され水音がとても大きく感じた。今夜は長そうだ。


  


□ 2012/09/21 16:32 kiss

きすしてもいい?

唐突に言われた。鱚をどうするって?訊ねると髪に手が絡んだ。くるくると絡められて、唇に当たった。そのさまを無に見ていた。

「アッシュわざと?キスしたいなーって」
「だれと」
「アッシュ」
「……そうか」
「うん」

ぱちりと開いた瞳がこちらをみる。俺より薄くて綺麗なライトグリーン。

「だめ?」
「するのか」
「したいな」
「どうして、口付けは好み合い付き合いをしている男女がするものだろう」
「そうなのか?俺ガイにされてたけど」
「ガイは男だろう。どうして口付けなんてしてるんだ」
「あっほっぺにな!さすがに口はされてないと思うぜ」
「………」

よくわからんと返すと笑われた。俺は男で、レプリカも俺からできているから当然男で、キスをする条件に合わない。もう1つの好き合っているというのも合わない。そんな規則(ルール)やぶりなことを何故レプリカはやりたがるのか、わからない。


「俺がアッシュ好きだからだよ。それだけ」
「………」
「いい?」
「……好きにしたらいい」
「やったぁ」

言葉だけの許可が降りたから正面を向きあわせて、肩に手を置いたらなにをするだなんてまだ言われた。改まってしようとするとどきどきして掌が汗で滑った。アッシュの閉じられたくちが綺麗な感じがして、普段俺がものを食べてよごすくちとくっつけたらアッシュがよごれてしまうような気がした。でも、やってみたいんだ。勿論アッシュ限定な。

「続きが読めないから早くしろ」

そんなことを言って急かすアッシュに俺の心臓がばくばくなってるなんて言ってもわかってくれないだろう。もう一度肩を握りしめて(痛いと言われた)アッシュのくちを見て、ゆっくり自分のくちを尖らせてくっつけた。やらかい。アッシュも合わせてくちを少しだけ開けてくれて、その隙間がぴったり埋まるように顔をずらした。あったかいなー……。

「………」
「………、っ…」

段々息がきつくなってきて、手が震えてくる。アッシュの肩も少し震えて、ちらっとよそ見すればアッシュの手は本とソファを握りしめて呼吸困難に耐えていた。肩を伝ってソファを握るアッシュの手をほどいて自分の手と絡ませたら、ぎゅっと握られた。あつい。
苦しいのが我慢できないで手を強く握ったら同じタイミングでアッシュが合わせていた唇を離してくれた。顔が赤くなってるなぁと思ったら回線で″お前もだ″って返される。震えと荒い息がいつまでも止まなかった。

  


□ 2012/09/02 06:20 海にうつる夕日はやがて消える

ふとした時見える赤毛
思わず目で追ってみても、そこには偽物の色


「………ク様、ルーク様?」
「あ……」

心配そうにこちらを覗くのは堅苦しい鎧。中が誰かなんてわからない。

「御加減でも…」
「いや、大丈夫だ。悪い」
「顔色が余りよろしくないようですが……」
「……っ黙ってろ」
「…申し訳ありません」


視界に入るのは記憶と違う色
どうしてひとつになってしまったのだろう。良いことなんてないのに――――
燻るのはアイツの思い


「は…はは……」

はやくかえってこいよ。
いつまで俺をひとりにするんだ
  ...追記


□ 2012/08/23 00:01 耳2

「腰いてぇ……」
「自業自得だ」

腰をさすりつつ既に起き上がったアッシュに水を求めるルーク。ぶっきらぼうに水をつき出すアッシュの手を引いて、ルークはじゃれる。

「俺がしたかったのに」
「たわけ」
「ひでぇの」

シーツにこぼれそうなコップを机に戻して、アッシュはベッドに身を乗せる。ルークは満足げに笑って、アッシュの左肩に頭を乗せた。

「アッシュー」
「なんだ」
「あれ? アッシュって右手が利き手だよな?」
「……そうだが」

じゃあ右耳が利き耳なはず。おかしいなとルークは首を傾げ、もう一度耳元に近づいて声を出す。

「アッシュ?」
「…だからなんだ」
「あれぇ?」
「間抜けた声出してんじゃねぇ」
「おかしいなー」
「お前なんかと一緒にするな。また喰うぞ」
「いや、遠慮しときます」

腰痛いし、と諦めて身を引くルーク。その表情は諦めていないようだが、左手は腰を撫で降参していた。

  


□ 2012/08/17 20:07 耳

「なぁアッシュ、知ってるか?」
「なんだ」
「耳にはいつも聞いてる″利き耳″ってのがあるんだってさ」

なんだそんな事かとアッシュは軽く気を落とす。ルークはアッシュの知らない範囲の知識をよく拾ってくるから耳を傾けるようにしているが、今回のはアッシュも大分昔から知っているものだった。

「でさ、利き耳と反対の耳は聞き慣れてないからそっちでなんか喋るとぞくぞくするんだって」
「……今更知ったのか」
「えっ、アッシュ知ってたのか!?」

ずるいだの文句を言うルークの服の襟を掴んで、右耳に囁く。

「ルーク…」
「……っ!」

真っ赤になった耳を舐め、そのままルークの服に手をかけた。  




トップ
DIOジョル
ジョジョ
赤毛
ガイと赤毛
ガイルク
ルクアシュ
その他L受け
その他A受け
その他


| top |


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -