実用的な消しゴムを組みこんだ
モノグラフシャーペンシリーズの新型。
滑り止め効果が高いグリップと軽さが特長の
ノック式です。突針なし。
2022年12月発売、ベトナム製。
0.3mm:ノック負荷約500g、芯繰出し量約0.4mm、
0.5mm:ノック負荷約550g、芯繰出し量約0.55mm、
替えゴムER-MGL。
ゴムの摩擦に頼るだけでない「高密度テクスチャーグリップ」を装備、力を入れずに握っても指から離れず、それでいてべたつきをあまり感じません。
素材そのものは前回の
モノグラフグリップモデル同様少々べたつくのですが、指と触れる面積が少ないため、不快に感じないのです。
そのグリップに比してポケットクリップは貧弱で大した挟持力もありませんが、ポケットに差すことはできます。
また先行品モノグラフのクリップより短くて手に干渉しにくく、筆記用としてはむしろ良いでしょう。
.3mmペン軸が明るく.5mmが暗く色づけされていますが見分けにくいので、芯径を使い分けるなら色軸を薦めます。
残芯14mm、真鍮チャック、ノック音がいい。
同社プレスリリースによれば
2万回のノックに耐える高耐久。 「広視界ロングパイプ」により芯先を見やすく、高密度テクスチャーグリップと相俟って御しやすく感じます。
回転繰出し式消しゴムはノックボタン兼用のため多少ぶれます。
気になる場合は消す際に親指をそっとノックボタンに添えて支えましょう。
構造は
ロットリング ラピッド等と同じですが、金属部品や滑り止めを省いてコストダウンされています。
そのぶん回しにくく、さらにペン軸尾端が少々太いため、操作性は従来品に劣ります。
回しにくかったら思いきってペン軸尾端のカドをやすり等で削って丸めるか、消しゴムを使わなくていいかもしれません。
◆替えゴムER-MGL φ3.6mm×30、3本入り、中国製、非塩ビ
†紙はコクヨキャンパス
画像の上1行めは、書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返したもの。
左からモノグラフライト付属芯0.3mm (おそらくHB)、同0.5mm、モノグラフ芯B
消字力:良好〜優良
消しかす:ややまとまる
消耗:
レーダーノックよりやや少ない
消し心地:レーダーノックと同程度
折れにくさ:たぶん折れる、ただし実際に折れたことはない
また折れにくい工夫があります。
φ2.3mm
モノグラフゼロDPA-161φ3.6 本品
φ5.3
モノグラフDPA-131φ6.7 モノグラフワンDCD-121
本品のφ3.6mmは細部を消しやすい反面、筆記用としては細すぎるとも感じましたが、まあなんとかなります。
モノグラフ0.5を文系科目に、モノグラフライト0.3を理系科目に使い分けるのがよいかもしれませんね。
既存のφ3.8mmと共用できません。
なぜわざわざ従来品と共用できない寸法にしたのか解せないのですが、このφ3.6mmは従来のφ3.8mmの代用になる──この替えゴムをラピッド等他社製品へ装填できるんです。
けれど逆はできず、他社製品使用者は入手しやすい本品用替えゴムを選択しがちになります。
結果、トンボ替えゴムだけが売れてゆくことを目論んだと見られます。
このマーケティング戦略をなんというんだ。
ただし、モノノック3.8などノック式3.8mm消しゴムへは転用できません。
ほかに転用できる製品を探してみたら、プラチナ万年筆プロユース1500とパイロットH-109*用消しゴムへ転用できそうです。
ゴムグリップにしてはかなり書きやすい製品。ゴムでなくてもいい。
左から
モノグラフゼロDPA-161本品
モノグラフDPA-131
モノグラフグリップモデルDPA-141モノグラフマルチCPA-161モノグラフワンDCD-121
本品の元になった製品が、2021年3月に発売されたボールペン、モノグラフライトBC-MGLです。胴軸はたぶん共通部品。
モノグラフシャーペンがモノグラフライトボールペンになってまたシャーペンになりました。
このグリップでシャーペンへ展開したのはとても良いと思う反面、モノグラフSH-MGやモノグラフグリップモデルにも装備すればさらに完成度を高められるんじゃないかと思います。