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　KUMはドイツの鉛筆削り会社、そこが鉛筆キャップに鉛筆削りを組み込んだ製品を発売しています。2013年？発売、ドイツ製。輸入元レイメイ藤井がつけた品番はKM108。

　鉛筆削りつき鉛筆キャップ、鉛筆、消しゴムキャップから成り、すべて組み合わせると新品鉛筆と同じ長さ176mmになります。
輸入元による公式寸法は、→KUM Tip Top Pop ケズリキ エンピツツキ / レイメイストア / 株式会社レイメイ藤井
キャップサイズH62.5×φ13.9mm（＋7mm※クリップ部分）
削り器サイズH29×φ13.6mm
消しゴムサイズH29×φ10.9mm
鉛筆サイズH115×φ7.6mm
画像内数字は実測。

画像右端はブルーオーシャン403.03.21 (製造中止)。
同社が2008年ころ発売し、のちTip Top Popへ変わりました。
現在の同社ブルーオーシャンはバイオプラスティック使用製品。

鉛筆キャップJar Art. Nr. 347.04.27鉛筆削り内蔵

開口部φ7.8、深さ24mm、奥に向かってすぼまり内奥φ7.0

・約6g。鉛筆に取りつけたまま書いても苦になりません。

・鉛筆を留める機械的な仕掛けが無く、鉛筆が外れることがあり、携帯用鉛筆キャップとしては不足しています。

・ポケット携帯の場合、鉛筆キャップを鉛筆尾端にはめ、消しゴムキャップを芯先にはめます。KUMもその状態で出荷しています。

でないと、ポケット内で外れた鉛筆を取り出す際、芯先が指に当たります。

・ポケットクリップ挟持力は、あるにはあります。

鉛筆削り

いっぽう鉛筆削りは円錐頂点を容易に削り出せる良品。

口径8.2mm、切削角度29°、芯先長さ(円錐高) 14.5mm

・付属鉛筆の木鞘が堅いため削れ味をあまりよく感じないのですが、日本の鉛筆やファーバーカステル製鉛筆を削るとその優秀性を感じられるでしょう。

・ただし切削角度が鈍く、芯先が短すぎて、削り直す回数が増えるため、色鉛筆用に薦めます(後述1)。

・F - Cパーフェクトペンシルと違ってキャップに収めたまま削れて、二回くらいなら削りくずを貯められます。そのままにしておくと削り粉が漏れるため、早めに捨てましょう。

・鉛筆キャップから取り外すと、おそらく最小の鉛筆削りになります。

鉛筆

φ7.6〜7.7mm×115丸軸、両切り、先付け(削られて出荷される鉛筆)約∠32°

・芯硬度不明、筆跡の濃さは日本のFに近い。

・書き味は悪くはないけれど良くもなく、粗い紙では筆記音が大きい。特段秀でてもいなければ悪くもない鉛筆。たぶん鉛筆だけはドイツ製じゃないと思う。

・樹種は堅め。

・二本持っているんですが、軸径に僅かな差がありφ7.6mmから7.7mm。

・別売りなし。φ7.7mm鉛筆を挙げました。(後述2)

消しゴムキャップMinijar Art. Nr. 402.25.27

同社2013年カタログによればTPR (サーモプラスティックラバー)製。

・口径7.5〜7.6mm。付属鉛筆がφ7.6〜7.7mmということもあり最適な鉛筆軸径もそれくらいのようです(後述2)が、三菱ユニφ7.9mmにもなんとか装着できます。

いっぽうステッドラー ルモグラフφ7.5mmや同トラディションφ7.4mmには合いません。ファーバーカステル9000番φ7.5mmにはギリギリ合います。

・深さ22mm。∠22°より鈍い芯先が合います。

右はファーバーカステル グリップ2001イレーサーキャップ。内径7.4mm前後、深さ22〜30mm。

・輸入元のレイメイ藤井は輸入していませんが、別売りもあります。

†紙はコクヨキャンパス
画像の上1行めは、書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返したもの。
左から
本品付属鉛筆
北星9500 / HB
トンボ木物語 / HB
アイボール鉛筆オレン マークシート / HB
三菱9800EW / HB
ポリマー芯のオレンが消しやすい。
七年くらい放置してひび割れた状態で行ったことに斟酌いただきたいのですが、それでも消せます。色鉛筆も一応消せます。
競合品パーフェクトペンシルでは劣化して消せなくなる場合があります。

◆消字力：並〜良
消しかす：細かい
消耗：減りにくい
消し心地：やや堅い
折れにくさ：折れにくい

トンボKSA121による∠19°芯先、約25mmは消しゴムキャップにも鉛筆キャップにも合いません。

●後述1

　鈍い切削角度は墨芯鉛筆よりも色鉛筆、例えばクツワ 鉛筆の蛍光マーカーに好適。そして鉛筆型消しゴムクツワ ペンケシRE028にも好適。
あれらの鉛筆削りキャップ∠23°〜∠23.5°との交換を勧めたく思います。
というわけで次回は鉛筆の蛍光マーカー。

他の鉛筆削りと比較。
上から
本品：切削角度29°、とんがり係数0.6、芯先長さ(円錐高) 14.5mm、削りくず厚0.2mm
クツワRB005 (鉛筆の蛍光マーカー付属品)：∠23°40′、0.78、18mm、0.1mm〜0.2mm
ファーバーカステル キッズパーフェクトペンシル：∠22°、0.84、19mm、0.1mm
ファーバーカステル9000番パーフェクトペンシル：∠22°28′、0.83、18.6mm、0.1mm
削った鉛筆は上三本が北星9500 / HB、下一本が9000番パーフェクトペンシル。

●後述2
　φ7.6mm〜7.7mmの鉛筆を探すと
φ7.6mm：伊東屋イートンペンシル
φ7.6mm〜7.7：サンスター文具プリキュアえんぴつ、
φ7.7mm：北星9500、同ウッディー、
キャメル鉛筆CA-P4、同ジョイント鉛筆、
サクラクレパス 小学生文具かきかたえんぴつ六角、
トンボ木物語、同木物語ゴム付き、
ミドリ ブラスペンシル用替え鉛筆
がありました。そのほかキリン鉛筆(2019年1月廃業)がだいたいφ7.7mm。

7.6〜7.8になると選択肢が増えて、
φ7.5mm〜7.6：カランダッシュ テクノグラフ777、
クツワ 鉛筆の蛍光マーカー、
φ7.7mm〜7.8：アイボール鉛筆オレン、
トンボippo!ナチュラル、同モノJ、
三菱9800EW及び9852EW (濃緑色9800と黄色い9852は塗料ぶん厚い)
があります。

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　ドイツの鉛筆会社ファーバーカステルが、鉛筆に鉛筆削りと消しゴムを組み合わせたパーフェクトペンシルなる製品を本品より早く1990年代に発売しているんですけど、あちらは数万円から数千円、対して本品は350円(税込385円)と低廉。
ファーバーカステルもキッズパーフェクトペンシルという廉価版を2010年ころに一千円以下で発売しましたが、それよりも低い。

　消しゴムが長持ち、鉛筆削りはとても良い、と単品だけ見ると悪くないけれど、それらを組み合わせると、鉛筆キャップの鉛筆保持力が低くて外れやすく、収まりが悪い。
キャップに収めたまま削れる利点も、切削角度が鈍すぎて削り直す回数が増えるため相殺されます。

　ポケット携帯して外出先で書くなら、やはりパーフェクトペンシルを薦めますが、ティップトップを複数本携えて交替させれば、短い芯先もあまり短所になりません。
低価格であれば複数で補い合いやすいのです。

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