1987年に通産省グッドデザイン賞金賞を受賞、2000年には同ロングライフデザイン賞を受賞した製図用シャーペン。
かつては0.3から0.9までの四芯径、さらに油性ボールペンがありましたが現在は0.5mmのみが生産されています。
φ9×139mm, 12.5g, 4mmスリーヴ。
芯繰出量1ノックあたり約0.45mm (芯径.5mmの場合)、ノックは重め(約850g)。ノック音も鈍い。
グリップはへたなゴムグリップより滑り止め効果があり、べたつきもしない「エフスリー(F3)構造」。
表面にゴムを貼りつけたのではなく、内側に組み込んだゴムを露出させているので剥がれ落ちません。
そして金属を基材としているため、握りしめても指が沈み込む感触がないのです。
グリップとともに外見上の特徴になっているのが、ゴムじゃばらで覆われたノックボタン。
ボタン天頂部にある芯径表示が見づらいため、二本以上を使い分けるには向かないですね。
クリーニングピンは.3と.5に付属。
芯硬度表示は4H〜2B (F含む)。他の芯径は表示範囲が異なり概ね2H〜B (Fなし)。
表示リングの位置を変えるには前軸を緩めます。
本品を原型に、グリップとノックボタンを変えたのがパーソンズブランドのPQ1005 (.5のみ)。
黒いスマッシュに対して色使いがポップな品でした。
ボールペンはノックボタンが外れず、替芯を交換するには前軸を外し、替芯を引き抜いて行います。
ペン先出没孔が狭くガタつかない反面、他社製同型替芯がこの狭い出没孔を通れず、純正品KFS7の他に合うのはゼブラ4Cと
JSBくらい。
スマッシュボールペンは珍しくゼブラ4Cを薦められる製品です。といっても替芯受けが緩くなってしまうのは避けられません。
ぺんてるは過去、ラミー(ドイツ)の輸入代理店でしたが、その影響もあるような、ちょっと変わった製図用です。
スリーヴが折れ曲がったら前軸ごと交換しなければならないものの、口金と一体化されたこの前軸こそが本品をリジッドな構造にしており、単なる変わり種に終わってはいません。
グッドデザイン受賞品にしては売れたんじゃないでしょうか。
口金と前軸を一体化した構造は
グラフギア500に、エフスリー構造はグラフギア1000に受け継がれています。
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