各短編 / 企画夢小説
@18zzz_hq
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滅多に積もらない雪が見渡す限りに広がっている。昨日まで「動けば結局暑いから」とアウターを着る以外は秋装備だったのに、今日の朝は寒すぎて防寒フル装備だ。部屋から出たくないと駄々を捏ねたがやはり母親にド叱られたので、こうして頭の上に雪を積もらせながら、通学路の真ん中を歩いている。
高校最後のクリスマス。例年通りに彼氏なんて存在がいないわたしは今年も仲の良いグループで集まってクリスマスパーティー!
「今年は暖冬だ」と言えど、流石に年末ともなれば凍えるような寒さに身体が震える。激務だった仕事を終えて光のなくなった暗闇へと一歩足を踏み進めれば、真っ白な雪がたくさん降り注いでいた。降らないだろうとニュースでは言っていたのに、やはり予報というのは当てにならないらしい。おかげで帰るまでに半分雪だるまになってしまいそうだ。
続きを読む じわり。今年新調した白の松葉菊柄の浴衣に、汗が滲む。
着慣れない、履き慣れない。その二つが行く手を阻んでいる。なぜ友人はあんなに平然と人混みをするりと掻き分けていけるのか、そういう技でも習得しているのか。そんなことを考えている間にもう数メートルの距離が出来ている。「行きたい」と言うから「行けば」って言っただけなのに、いつの間にかその「行けば」はわたしも一緒に行くのだという内容にすり替わっていた。
「やる気は感じられないけれど、アイツは二年生にして男子バレー部の副主将を務めているんだよ」と同じクラスメイトである先輩が言っていた。わたしは吹奏楽部で、そんな彼の一つ下。半年前にバレー部の応援にきて、涼しい顔で汗を流す姿が単純にカッコイイと思ったのが最初だった。確かにやる気が漲っているような感じはしなかったけれど、多分それは彼がポーカーフェイスなだけだったのだろう。
続きを読む 「今日もテーピング? それともサボり?」
お昼ももうすぐ終わり、授業が始まる。…という微妙な時間帯にその男はやってきた。具合が悪くもないくせに毎日マスクなんてしちゃって、それが我が高男子バレー部のエースだか次期エースだかって言うんだから信じられない。のっそりとした猫背のままじろりと見た目は「察しろよいいだろうがあと少しくらい」と言いたげだ。
「隣のコート男バレだって」
先輩のその言葉にぴょんと三センチぐらい跳ね上がった。だっていつもだったらバドミントン部は両面使って男子と女子に分かれて練習してるんだもん。だけど、どうやら今日は違うらしい。男子バレーの試合が近いとのことで、先輩達が半分譲ったそうだ。