報われないのは恋心 何も、求めたことはなかった。 自分にそんな権利があることなんて知らなかったし、そもそも何かを欲しがる程多くのものを見てきた訳じゃない。 だから、求めるということが一体どういうことなのか、僕は何も知らなかったのだ。 犠牲と後悔の上に成り立つ願いだったなら、叶わなくて良かったのに―― どうか、誰か、言って、僕を赦して。 罰が要るならその全ては僕に与えて。 目を覚まして。そして言って。 出あったことは間違いでないと、僕は生まれてきてよかったのだと、お願い、どうか言って。 この想いは報われなくて構わない。 もう一度、会いたいだけ。 title by 地下書庫のニンフェ |