もず
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狂おしい
 あなたがたは雲雀──の話をしっていますか。
 ──は雲雀恭弥の妻です。雲雀恭弥は長い歴史を持つボンゴレファミリーがひとつの転換期を迎えた十代目の時代、沢田綱吉がドンを務めていた時の雲の守護者です。雲の守護者の役割は「何者にもとらわれず我が道をいく浮雲」、「何ものにもとらわれることなく、独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮雲」となることであり、雲雀もまた多くの雲の守護者と同じく孤高を貫く人間でありました。特に雲雀はその気質が強く、一人でいることを好んだ初代雲の守護者に瓜ふたつであったという興味深い話もあります。
 彼の多くは謎に包まれたものですが、その妻のことも言うまでもありません。ベールで覆い隠された彼女の人物像を語る人間はおらず、僅かにあったであろう情報の片鱗は、先の第三次マフィア戦争において完全に消失したとも言われています。
(中略)
 その肌は一点の曇りも無い白磁の如く、唇は朝露に濡れた薔薇の蕾の如く、髪は流れる絹の如く、目は黒蝶真珠を閉じ込めた水晶の如く。声を響かせれば人々はうっとりと膝をつき、或る者は恋煩いに三日三晩寝込んでしまったというのだから、万人に一人といない美貌の持ち主だったと言われています。
 ただその姿を見た者はごく僅かというため、近年では、彼に妻はいなかったとする学者もいます。
(浅蜊社「ボンゴレファミリーの歴史」より抜粋 | 一部欠損)

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Main Story
く 食らいつくような静寂 | る 類似品を知っている | お 覆い隠されるべき | し 集束する恋慕 | い 違和はほんの少し | くるおしい

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