Short Story
幸せな小話達
基本的に自分とお相手のみの会話文です

ALL/雨宮 蓮/明智 吾郎/喜多川 祐介
▼ ダイエット
Nov 12, 2023(Sun.) 14:18 /喜多川 祐介
「あ」
「どうしたの祐介」
「これ、この間テレビで見て美味しそうだと話していた茶菓子じゃないか?」
「あ、本当だ〜!やっぱり美味しそうだよねえ」
「………買わないのか?」
「か、買わない…」
「どうしたんだ!? 何時もなら真っ先にカゴへ抛るのに…!」
「そんなにおかしい!?」
「ああ。食欲がないのか?どこか具合の悪い所は…」
「そ、そんな人を食いしん坊みたいに…。ダイエットだよ、最近すこし暴飲暴食をしすぎたなーと思って…」
「なんだと…?」
「かお、こわ」
「君にダイエットなど必要ないだろう。こんなに細いのに…」
「それ祐介に言われなくないんだけど…」
「とにかく食べぬダイエットはダメだ。運動すればいい」
「あ、ダメ!買ったら食べちゃうってば!!」
「食べた分俺と散歩だ」
「やだー!」

▼ みつまた
Oct 13, 2023(Fri.) 19:51 /喜多川 祐介
「細いな」
「祐介くんに言われたくないけど」
「白くて細い…まるで店頭のミツマタだ」
「…もしかして貶してる?」
「いや。芸術など抜きにして美しいと感じている」
「ふうん…」
「あっ、何故隠すんだ、よく見せてくれ!」
「う、美しいとか言われると普通に照れるし…」
「ああっ 待て! にげるな!」
「ひっ!助けて双葉ちゃんっ!」
「ナムナム…」

▼ 精密模型
May 29, 2023(Mon.) 10:22 /喜多川 祐介
「…ふふふ」
「…何時までソレを眺めている気だ」
「え?そりゃ気の済むまでだけど…」
「む………」
「だ、だって見てよこの造形美! この流し目…流れるようなここのライン…! なんていったってこの大きさ! あ〜格好いい…」
「隣を見ろ、隣を」
「祐介がいる」
「そこの模型より精巧で精密だろう」
「それはそうだけど〜…あっ、ほらここの装飾すごくリアルじゃないっ?」
「………まあ確かに、そのフィギアの出来が良い事は認めるが。眺めすぎじゃないか?俺なのに、俺の時より良い顔をして眺めているし」
「んも〜…ていうかそもそも祐介は美術部の課題制作を進めるんじゃないの?」
「そうだが」
「手が全然動いてない!」
「………」
「あっ、ちょっと! フィギュア何処に持っていくの!」
「取り敢えず隣の部屋、だ。 筆が乗らない原因はこのフィギアにある」
「意地悪〜〜〜っ!」

▼ 絵の具に濡れた君
Mar 15, 2023(Wed.) 19:16 /喜多川 祐介
「ああ…こんなことになるなら殴ってでも止めるべきだった…」
「こんな事とはなんだ」

ダメだと提案を却下したというのに、1歩も譲る気のない彼に押されて折れた私も悪いけれど。
べとべとに濡れた身体を拭くことも許されず薄いタオルの上で身を縮めると、「悪かったよ」と全く悪びれた様子のない声が降ってきて厚手のタオルが手渡された。

「雨に濡れた君を見てインスピレーションを感じたんだが、やはり間違いではなかった。絵の具に塗れた君は実に芸術的だ」
「はあ、まあ祐介が喜んでるならいいけどさ…もうシャワー浴びてきてもいい?」
「いや待て。 あと数分でいい、描かせてくれ」
「ええ〜? うう〜もうベトベトで限界…」

そう言いかけて彼を仰ぎ見ると、湧いてくる着想に興奮気味の表情と、どこが熱の篭った瞳で鉛筆を走らせる祐介が。

「………あー…仕方ないなあ、祐介は。いいよ描いて、ふふふ…」
「…おい、どこを見て返事しているんだ」
「ええ?祐介の祐介? 」
「あー…仕方ないだろう、君の裸体を見て平静で居られるわけないんだから」
「ら、裸体とか言わないでよ…一応シャツ着てるし…」
「その俺のシャツが余計にクるんだ。ああっ ダメだ、この着想を形にするのが先なのに!俺は今猛烈に劣情と対峙している…!ぐっ…」
「ふふふ、ふふ…ほらほら、描いていいんだよ? ちゃんとよく観察しないと」
「こ、こら。煽るな…!」

▼ 呑み
Feb 5, 2023(Sun.) 00:47 /喜多川 祐介
「すまない、遅くなった」
「ああゆうすけだあ〜ゆうすけはどうしてそんなにかおがいいんだ〜」
「………酔ってるな」
「ご、ごめんなさい祐介…止めたんだけど、いつの間にか結構お酒飲んじゃってたみたいで…」
「もうっ、ほとんどコイツのせいだから! ほら竜司!!」
「ああん? んだよお〜楽しくのんでんだからいいだろー、な?」
「うん! たのし〜よ!あはははははは」
「全く。 お酒に弱いんだから、あまり飲むなと言っておいたのに」
「ああ〜きみはおこったかおもかわいいなあ〜あはははは」
「何が面白いのか分からんが、可愛いのは君の方だろ。 ほら帰るぞ」
「大丈夫? はいこれバックとお土産っ!帰ったら安否確認のチャットしてねっ」
「ああ。 ありがとう、お前たちも羽目を外しすぎるなよ」
「あーん、あんちゃんとまだあそぶの〜〜おろして〜〜」
「私もまだ話し足りないけど、今日は大人しく彼氏にお持ち帰りされな?? またねーっ! 後日談たのしみに待ってる♡」
「うう〜 」
「俺と帰るのは嫌か」
「や」
「…」
「うお、めっちゃ渋い顔してっけど!顔怖っ!!」
「うそで〜す、ちょーすきで〜す! あいしてる〜んーちゅっちゅ」
「…」
「ヒュー!!!」
「祐介、めちゃニヤけるの堪えてる…!てか堪えきれてないし!」
「もう、こんな所でイチャつかないの!」
「そうだぞ。 ほら帰るからな、そういうのは帰ってからにしろ」
「んー」
「(帰ったらするんだ)」
「(帰ったらするのね)」

▼ 二度寝どころじゃない
Jan 17, 2023(Tue.) 14:18 /喜多川 祐介
「おい、いつまで寝ているんだ」
「ん〜……さむい、おきられない…」
「もう昼だぞ」
「起こして…」
「全く君は…」
「…スキありっ」
「うおっ!?」
「さあさあ…君も一緒に二度寝しちゃおうよ…」
「…はあ、いいだろう。 だが俺と布団に入って、二度寝出来るなどと言った幸せな考えは改めた方がいいぞ」
「…起きます、起きます。一緒に布団から出ましょう」
「二言は無しだ」
「かわいい祐介戻ってきて………」
「生憎、暫く留守にしているみたいだよ」

▼ マフラー
Jan 13, 2023(Fri.) 11:17 /喜多川 祐介
「うわっ 君寒くないの?」
「ああ。この寒さにはもう慣れている」
「ええ…。 見てるこっちが寒くなるんだけど…、見てよ私のこのモコモコ」
「タヌキみたいで愛らしいぞ」
「……喜ぶところ? なんか複雑」
「可愛い顔を『たぬき顔』と比喩する事があるだろう。それだ」
「そ、そう…。 ていうか本当に寒そう。こっちが凍える! せめてこれを巻いて…っと、」
「マフラーか? いやしかし、それでは君が寒いだろう」
「大丈夫、私マフラー2個してるから。 ん、屈んでね」
「…ありがとう。 首元が暖まるな」
「今度一緒に買いに行こう? これからもっと寒くなるのに、祐介の装備は弱すぎる…」
「ん。 ああ、君の甘い香りがする…、」
「んー、そりゃ、さっきまで巻いてたからね。 臭くないなら良かったけど」
「これ、いいな。 良かったらこれを俺に譲ってくれないか? 君には代わりに、新しいマフラーを選ぼう」
「女物だけどいいの? 顔がいいから似合うけどさ」
「ああ、これがいい。 いいのか!?」
「祐介がいいならあげるよ、それ。 あ、でも1回洗濯してからね」
「いやダメだ。 洗濯しなくていい」
「やだよ、臭うよ」
「臭わん。 寧ろこの香りが良いんだ! ……っおい!辞めろ! 俺のマフラーを取ろうとするなっ!」

▼ セーブデータ
Jan 8, 2023(Sun.) 17:42 /喜多川 祐介
「だーっ!!ダメだ!」
「……さっきから、何をムキになっているんだ」
「新作のゲーム……どうしてもクリア出来ない……!」
「全く。 俺に貸してみろ」
「出来るの?」
「まあ、見ておけ」
「………………………………。全然ダメじゃん!」
「くっ…敵の守りが硬すぎる…! レベルが足りてないんじゃないか?」
「直前でセーブしちゃったから、レベリングするには結構前のデータをロードしなきゃいけないの……」
「先に進むためには致し方ない事だ」
「……暫くの間、多分、いや絶対君のこと構ってあげられないと思うけど…」
「装備と有効属性、スキルの見直しをするぞ。 アイテムを使い切ってでも勝利を掴む!」
「アイサー!!」

▼ 仮面にKiss
Jan 2, 2023(Mon.) 20:16 /喜多川 祐介
「息苦しくないのか?」
「うん?ここ酸素濃度低いの?」
「いや違う。 口元が覆われているから、息苦しくないのかと思ってな」
「あー、私の仮面…。 見た目よりも息しやすいんだよ、実は」
「そうなのか。見えない所に細工があるのだろうか… 。にしても、頬の曲線美、目を惹く配色、見れば見るほど俺の中で何かが溢れ出す…口付け出来ない事だけが惜しい…!」
「………出来たとしても、しないよ?」
「何故だ!?」
「えっ寧ろなんですること前提なの!?」
「…したくないのか?」
「質問を質問で返さないでください〜!」
「恋人同士じゃないか!」
「シャドウがいる場所でなんて絶対やだ」
「ははは、見せつけてやろうじゃないか」
「いいぞ、弱点つけるかもしれないし」
「ジョーカー!茶化さないで!!」

▼ ガン見
Dec 24, 2022(Sat.) 22:16 /喜多川 祐介
「美、だな…」
「ねえジョーカー、フォックスをどうにかして。 戦いずらいんだけど!」
「ごめん。 俺には祐介をどうすることも出来ない。 美を追求する祐介は無敵だ」
「ああっ 今の脚技! 最高だ…着地の瞬間まで美しい!」
「えっ…そうかな…?」
「満更でも無さそうね」
「…クイーン???」
「ねえ、さっきよりも動き、良くなってない?」
「そそそんな事ないけど!?」
「いい…良いぞ! その角度ッ その表情! ああ、今すぐキャンパスに収めたい!」
「…そ、そんなに?そんなに良いかな?」
「やっぱり満更でも無いみたいね」
「シャドウ撃破!いいぞー!! 攻撃も恋心も絶好調だ!!!」
「ナビまでやめて!!!」

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