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うさぎさんがゆく!
By アラモード(HAL)
2011/01/01 22:12
「さ……むぅ……!」

『寒いと言ったら寒くなる』という方程式を覆せるワケがなく、僕は身体をぶるりと震わせた。
 
−−明けまして新年。
うさぎ、なる動物に良く似た耳を持つ僕は、結構おめでたいのではないだろうか。(その耳は寒さで折れてしまっている)
自らが整備した……いや、整備を見守ったスノーフィールドには、こんなに寒いというのに何人かの見知った顔が見えた。予想通り。
仕事始めの前に挨拶できたら、と思い、雪道をわざわざ此処まで来た甲斐があったというものだ。年賀状やメールで年賀の挨拶はしたけれど、せっかくなのでお世話になった方には直接新年を祝いたい。


「明けましておめでとうございまーす」


−−−−−−
明けましておめでとうございます、HALです。
お正月なので何人かお借りさせていただいて、アラモードが新年のご挨拶に周りたいと思います!

今年も息子娘共々、どうぞ宜しくお願い致します!

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先輩とゆく!
By アラモード(HAL)
2011/01/01 22:55
「明けましておめでとうございまーす」

まず声を掛けたのは、僕の同僚で先輩でもあるスピリットさんだ。

 
「あぁアラド、明けましておめでとう。……よく俺がいるって分かったな」

「車が停まってたんで。先輩は雪合戦でもしに来たんですか?」


僕の問いに彼は、フィールドの様子見だ、と呆れたように答えた。クリスマス前から解放しているフィールドを定期的に見に来ているらしい。仕事熱心なことだ。……僕もたまに見に来てるけどね!秘書なんだから!


「今年も車に同乗させてもらったら嬉しいです!」

「……お前も買ったらどうだ?免許持ってただろ」

「車買うなら新しいギターが欲しいなー」


なんちゃって。
おどけたように続ける僕に、先輩は笑いの交じった溜息を吐いた。分かってるくせに。先輩は本当にいい人だ。

 
「そうそう、これどうぞ」

持ってきた紙袋の中からひとつ、先輩に渡す。
まだ温かなそれは、

 
「……まさか、めでたい?」

「めで鯛です。今年も宜しくお願いします!」

 
鯛焼きを手にした先輩は「つまらない……が、よろしくな」と、いつものニヒルな笑みを浮かべた。


−−−−
スピリットさんお借りしました!アラドがたくさんお世話になっているはずです……これからも宜しくお願いします。

寒いので鯛焼きを配ることにしました(笑)

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双子さんとゆく!
By アラモード(HAL)
2011/01/01 23:43
「ひゃぶっ!?」

後頭部に雪玉がクリティカルヒットした。
 
振り向いた瞬間に、続けて顔面にヒット。もうこの時点で犯人は誰だか検討はついている。

 
「「明けましておめでとうございます」」
 

気持ち良いくらい揃ったハモリ声の主は、昨年お世話になった上司二人。正月も一緒にいるのか……なんて、家族なんだから当たり前か。
 

「新年から綺麗に決まったわね、アマリー」

「新年から幸先がいいね、リリス」

「はいはい、明けましておめでとうございます、総帥に副総帥」


一言も詫びる事のない双子だが、何を言ってもこのペースを崩すことはできない。しかしながら僕は二人と毎度一緒にイタズラをする側だったので、さっきのはちょっと新鮮だった。もう嫌だけど。

「アマリーくんとリリスちゃんは新年の遊びはじめ?僕は断然オシゴトだよー。フィールドの整備状況の確認とかね!」

もちろん嘘である。

 
「ふふふ、アラドくんがそんな事するわけないじゃない」

「そう、スピリットみたいな事をするわけないじゃないか」


バレていた。


「まぁまぁ、今年も宜しくお願いします!これどうぞ」

袋から鯛焼きを二つ取り出して双子に渡した。ちなみにこれは僕のマンションの近くで売っている鯛焼きで、住民の間でちょっとしたブームを呼んでいる。


「あらあら、ありがとうアラドくん。アマリー、これを食べてもうひと遊びできるわね」

「リリス、僕としてはもう動きたくないんだけどね」


−−−−−−
アマリーさんとリリスさんをお借りしました!
双子さんの台詞を書くのが楽しかったです。これからも秘書をこき使ってくださいね!
今年も宜しくお願いします。

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エレムちゃんとゆく!
By アラモード(HAL)
2011/01/02 10:44
(さて、他には……)

双子と別れた後スノーフィールドを見渡すと、先日仲良くなったばかりの女性の姿を見つけた。

「エレムちゃーん!」

ザクザクと雪を踏み締め、やっとの事で彼女の前へとたどり着く。
それにしてもこの雪、しっかりと整備されていて溶けて無くなったり、靴の泥などで汚くなったりしていない。Umpireの誰かが定期的に整備しているらしい。(えーっと、僕の仕事には入ってなかったはず)

 
「アラド……久しぶりだな」

「明けましておめでとうございまーす!」

「あぁ、そうだな。明けましておめでとう」


口調は淡々としてはいるが、エレムちゃんは礼儀正しく頭を下げ、そしてふわりと微笑んでくれた。
エレムちゃんらしいと言うか何と言うか。慌てて僕もお辞儀をし、改めて新年の挨拶を言い直す。

 
「近くを通ったら双子に捕まってな。暫く遊んでいけと言われた」

……で、遊んだ結果が彼女の隣に立つ、怪しげな雪だるまなのか。
ややいびつな形の雪の塊(下手というのではなく、明らかに狙って、だ)に、きのみや小枝で目鼻を付けているのはまだいい。問題なのは手だ。
 
不敵な笑みを浮かべた雪だるまは…………両手に凶器を光らせていた。


「……怖いんだけど。手は武器じゃなくて、枝で作れば?」

「か、可愛いじゃないか……!こんな明るい表情なのに、手に武器というアンバランスさが!」


エレムちゃんは本気である。
 
その独特なる感性を珍しく熱弁しようと構えた彼女に温かい鯛焼きを押し付け、今日ばかりは僕もさっさとお暇することにした。

 
「じゃ、今年もよろしくねー!」

「待てっ……ちょっと話を聞け!これは世間的にも可愛い部類に入るはずだ!アラド!」


−−−−−−
エレムルスさんをお借りしました!私はエレムさんのキャラを間違えていると核心しております、すみません!
今年も宜しくお願いします!

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ユイコちゃんとゆく!
By アラモード(HAL)
2011/01/02 10:47
意外と広いスノーフィールド(そりゃ実際にWar Gameで使ってるんだから)を歩いていると控えめに、背中をツン、とつつかれた。

「あけましておめでとうございます」

振り向くと雪と同化してしまいそうなくらい真っ白な少女。

「ユイコちゃん、明けましておめでとー!」

同僚の審判であるユイコちゃんだ。
年末の休暇のおかげで仕事で負ったかすり傷も完治している。やはり可愛い女の子に傷なんかついては駄目だと思う。


「……お餅、食べました?」

「食べたよー、ユイコちゃんは?」

「ユイコさんも食べました。美味しかったです」


話しているだけでほっこりする。癒し系って凄い。
暫く年末や正月の話をしたり、一緒に食べたアップルパイのお店を教えたりして、久しぶりにお喋りをした。ユイコちゃんは美味しいお店を沢山知っているから、もちろんオススメのお店情報もゲットさせてもらった。今度絶対行こう!

 
「あ、そうそうコレ。良かったらどうぞ」

忘れないうちに、まだ温かさを保った鯛焼きをユイコちゃんに渡す。
「ありがとうございます」、と礼儀正しく受けとった後、彼女は小さな口でぱくりと鯛焼きにかじりついた。


「これは…………“おしょうの満腹亭”の特製鯛焼き……」

「えっ!ユイコちゃん凄い!当たってる!」


一口かじっただけで、あのマイナーな屋台の鯛焼きと分かるとは。僕のマンションの近くでカモネギさんがやっている、小さな小さな屋台なのに。

「美味しいと聞いたので、一度買いに行きました……二回目は売り切れでしたけど」

だから、また食べれて嬉しいです。
……そんな風に喜んでくれるものだから、僕はもう一つ鯛焼きをプレゼントしてしまった。


「ありがとうございます……今年もよろしくおねがいします」

「こちらこそ、今年も宜しくね!」

美味しい正月こそ、幸せのはじまりです。


−−−−−
ユイコさんをお借りしました!日記のネタも拝借させていただいています。
ユイコさんは食の研究に熱心なので、一度食べたものは忘れない……と勝手に想像してしまいました。間違っていたらすみません!
今年も宜しくお願いします!

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ヘルくんとゆく!
By アラモード(HAL)
2011/01/02 22:13
「あっ、アラド!テメェ手伝いやがれ!」

突然目の前に雪男が現れた!
 
折れていた耳がぴん、と立ち上がる程びっくりした僕は勿論逃げ出そうと試みたが、雪男にコートのフードをがっちり掴まれ失敗に終わる。
じたばた悪あがきをしたら、今度は耳を引っ張られた。……すこぶる痛い。


「だめだめだめっ!まだあけおめライブもしてないんだから死ねないっ!」

「何言ってんだ…………あぁ、そうか、ほら、俺だって」

「雪男の知り合いはいませんっ……いません?」


僕を捕まえていた雪男がパサパサと被っていた雪をはらう。やがて雪の合間から見えたのは、オレンジがかった柔らかな金髪とギラリと光る紅い瞳。

雪男の正体は −− 同僚の審判、ヘルくんだった。


「いやー、雪の入れ替えしてたら足引っ掛けて。モロに突っ込んじまったんだよなー」

ヘルくんの話によると、このスノーフィールドの維持・管理は休みの間、Umpireの有志の持ち回りらしい。「有志と言っても手当てが出るからな!」という事であるから、ヘルくんも休日出勤で雪運びをしていたワケだ。


「テメェも男だろーが、こんな細っこい腕しやがってリア充が!雪運び手伝え!」

「リア充じゃないし!それに僕、秘書だから非力でもいいもんねー、雪運びなんかできないや」

「おまっ……!リア充も音楽も滅んでしまえ!」


*********

今年初のめざましビンタは、とてもキレのある一発だったと我ながら感心した。

「ヘルくん、あけおめことよろー」

雪の中に仰向けで寝ているヘルくんの口に鯛焼きを突っ込み、僕はまた新年のご挨拶に戻ることにした。


−−−−−
ヘルさんをお借りしました!
アラモードのヘルさんの扱いが酷いですが、仲が良い、という事にしてくださったら嬉しいです……すみません。
今年も宜しくお願いします!

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