×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
名前変換のない短いの。気が向いたら。
基本非同一夢主。

全部 pkmn tns rkrn inzm MHA NRT knkm 


(↑新)

(白石/tns)

「目をそらさないで」
 柔らかい指が俺の肌に触れ心臓が早鐘を打つ。そのまま両頬を包まれ強制的に彼女のそれと向き合わされる。雲一つない青天の様に澄み切った瞳が自分を見据える。その美しさに自分の全てが見透かされているのではないかと錯覚すら覚える。
 俺の中に在るあらゆる感情、特に彼女に対する情愛の念が筒抜けになっているのだと考えると更に顔に熱が集まる。
「ほっぺた熱いね」
「す、すみません……」
「何で敬語?」
 思わず敬語になってしまいそれが面白かったのか彼女がクスクスと笑う。それに併せて美しい双眸が僅かに弧を描く。しどろもどろになりながら、どうにか視線を逸らそうと努力するが彼女の視線がそれを許してくれない。
「とてもきれいな瞳ね」
 まるでアンバーみたいと彼女は言うが宝石に下心は投影されない。涙が滲んで彼女の瞳がぼやける。きらきらと光を反射する様は俺のそれとは違いよっぽど宝石のようだった。
「泣かないで」
「泣かせてるんはそっちやん」
「あら、恋とはそういうものではなくて?」
 やはり、全てを見透かされていた。実際は心音や表情、上気している頬の熱などから既に彼女は知り得ていた事だろう。滲む視界の先で彼女の相貌が細められる。
 そのまま彼女の顔が静かに近づいた思えば下瞼の端をちろりと舐められた。驚いて数度の瞬きをすれば涙は零れ落ちて、視界と共に脳内も明瞭になる。別の意味で泣きそうになったがぐっと堪えて限界を迎えそうになる心音を抑えるように胸に手を当てた。
「しょっぱいね」
「当たり前やろ」
 彼女の言葉に思わず笑いそうになるのを抑え、今度こそ彼女の瞳をじっと見据える。今日も空が青い。

ブルー・トパーズ

 back