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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -
名前変換のない短いの。気が向いたら。
基本非同一夢主。

全部 pkmn tns rkrn inzm MHA NRT knkm 


(↑新)

(マダラ/NRT)

 目が覚めたらすぐ隣に彼がいて。それが何よりも安心できるだなんて、初めての感覚だった。
 布越しではない、素肌の触れ合う感触が心地よい。
「ん……?」
 じっと見つめていると彼の瞼がピクリと動き、おもむろに上がった。うっすらと開かれた隙間から覗く漆黒の瞳はまどろみを残しつつ私が起きていることを認識する。
「起こしちゃった? ごめんね」
「……悪いとも思ってねぇくせに」
「ふふっ」
 私は小さく笑う事で肯定する。彼は徐に視線を窓の方へ向け、厭わしげに眉を寄せた。
「……まだ朝じゃねぇじゃねーか」
「誰も朝だなんて言ってないわ」
「……」
 私の言葉に口を真一文字に結んだ彼は視線を私に戻して不機嫌そうな表情のまま私に背を向けて二度寝の体勢に入った。長い髪の間から肩甲骨が覗く。
 その背にぴたりと体をくっつけてやると髪に顔を埋める形となってしまうが見た目ほど硬くない。しかし毛先が肌に当たってちくちくするのが嫌で押し付けるように胸を張っていると観念したように彼がこちらに向き直った。
「ん」
 短い言葉と共に彼の腕が私を包む。彼は素直じゃないのだ。

夜明け前のふたり
(マダラ/扉間/NRT)

「頭領〜」
「たまやったのか」
 そう言ってマダラはわんわんと涙を流す彼女の足元に視線を落とす。そこには男性だったものが無残な姿で捨て置かれている。
「だってこいつ他の女と出会茶屋に行ってたんですよ〜!」
「そうか。お前という恋人が在りながら浮気する方が悪いからな。お前は何も悪くない」
「頭領〜!」
「おいマダラ、そいつを甘やかすな」
 よしよしと彼女の頭を撫でてやるマダラを、騒ぎを聞きつけた扉間が咎めた。扉間は彼女の足元に視線を移し眉を顰める。
「お前も、一般人をこんなにしおって。処罰の対象だぞ」
「一般人じゃないです〜、恋人ですー。……“元”だけど」
「兎に角。今回は事故として処理しておくが次回はないからな」
「そのセリフ七回目……」
「なんだかんだ言って扉間も甘やかしてるじゃねーか」

浮気されたらすぐ殺しちゃう子とそれを許して甘やかす頭領
(マダラ/NRT)

「お前よく魚のふぐりなんて食えるな」
「白子をそう表現する人初めて見た」
「実際そうだろ」
「そんなこと言ったら稲荷寿司だってふぐりみたいなものでしょ」
「全く違うしいい加減その話題から離れろ」

(マダラ/扉間/NRT)

「……頭領みたいな男と結婚したい」
「ならオレと結婚するか」
「しません! 私、頭領“みたいな”って言いましたよね?」
「言っておくがオレは一途だし浮気もしないぞ」
「頭領の妻とか荷が重いんで! 何の柵もない次男希望です」
「しゃあイズナはどうだ?」
「イズナかぁ……身分も申し分なく何の柵もない次男……確かに良物件……でもなぁ……」
「何が不満だ?」
「うーん……やっぱりイズナは駄目ですね! あいつとは食の好みが合わないんで!」
「そうか。食の好みなら仕方ないな」
「はぁ、どこかにいないかなぁ……良家の次男……あ、目の前にいたわ」
「待て、そいつは駄目だ」
「頼むからオレを巻き込まんでくれ」

理想
(マダラ/+イズナ/NRT)

「……ふふっ」
「稲荷見つめて何笑ってんだ」
「このおいなりさん、マダラのふぐりみたい」
「オレのはもっとデカくて立派だろうが」
「兄さんそこじゃない」

(マダラ/NRT)

「この手を離さないで」
 今この手を離されたらきっと、わたしは駄目になってしまう。
 わたしの言葉に彼は腕の力を緩めた。しかしその手が離れる事はない。
「そんなに弱い女だったか」
 目の前でわたしが死んだでもあるまいに、彼は悲痛な表情を浮かべている。
「人は誰しも弱い部分があるものよ」
 わたしにもあるように、きっと柱間や扉間にだってある。ただ他人の前ではそれを見せていないだけで。
「あなたにもあるでしょう?」
 その言葉に、彼は腕の力を強めた。

離れていってしまう前に

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