バトルコートもあってポケモンたちを遊ばせるには十分すぎるくらい広い庭付きの大きな白い一軒家なんて贅沢は今はまだ言わない、最初はマフィティフやミライドンたちがいても窮屈に感じない程度に広い3LDKくらいの賃貸に住もう。
そうだな、料理している時の貴方の顔が見たいからキッチンは対面式で、二人だけど食卓テーブルは広めのを買ってお揃いのマグカップを使おう。
寝室は一緒じゃなくていいし仕事だってどんな職種でも気にしない。でも食事だけは毎回顔を合わせたいな。朝は起きたらおはようって、仕事から帰ってきたらただいまって、寝る前にはおやすみって、君の顔を見て言いたいから。
「だからペパー、卒業したら一緒に住もうね」
「なっ……」
「世の中何が起こるか分からないから必ず幸せにするとは言いきれないけど、幸せにする努力を怠るつもりはないよ」
「ちょっと待てって!」
頬に朱を差した彼の制止に、私は首を傾げつつ素直に口を噤み彼の二の句を待った。
金魚の様に言葉を発せずに口をパクパクとさせたかと思えば眉尻を下げた。私を見つめたまま口を結んでしまったのでさすがの私も困ってしまい思わず声をかける。
「何か問題でもあった?」
「だ、大問題だろ! いきなり何言ってんだよ!? 」
「何って……貴方との将来の展望だけど」
「そもそもオレたち付き合ってすらねーだろ! トンデモちゃんにも程がある」
「そうだった。好きだよペパー、今日から恋人だね」
「決定事項かよ!」
「でも私たち両想いでしょう?」
「っ、そうだけども!!!」
吹っ切れたように叫ぶ彼に私は笑顔を返した。いつものことだが彼は可愛い。
貴方との未来を歩むために