文具企業主導ではなくデザイン設計事務所主導で企画されたねじ型消しゴム、2008年9月発売、日本製、スチレン系エラストマ製。通販購入。
同年グッドデザイン賞、ISOT 2008 ステーショナリー オブ ザ イヤー受賞。発売から十年以上生産され続けていることに好感をもちます。
前回の
ジグザグと同じくスチレン系エラストマ製消しゴムながら、あちらより堅め。
でありながら消しやすく感じます。
†紙はコクヨキャンパス ‡中央縦二列の筆跡が従来HBとBだったところ2Bに変更
画像の上1行めは、書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返したもの。
左から
ぺんてるAinシュタイン0.3HB、
パイロット ネオックスG 0.9/2B、
三菱ナノダイヤえんぴつ2B、
三菱ナノダイヤ0.9HB◆消字力:良好〜優秀
消しかす:カドで消すと細かい、面で消すとまとまる
消耗:トンボ モノより少々早い
消し心地:
フォームWと同程度の堅さ
折れにくさ:たぶん折れる、ただし実際に折れたことはない
使用目的を考えると0.3 / HBを消せたら十分に思いますが、軟芯も一応消せます。紙面の黒ずみも少なめ。
theをheにしたり、点を消すより線を消すことに向いている、という印象。
とはいえ濁点だけを消すこともできます。犬を大にすることは容易ですが太を大にするのは比較的困難。
これをピサの斜塔並みに立てて消すと、どんどんエッジが立ってきて鋭くなります。
二本持ちで使い続けて先端がくさび状になった薄い消しゴムも並べてみましょう。
右側、上から
コクヨ サイドノック消しゴムトンボ モノゼロメタルSEEDスレンディプラス
ぺんてるクリックイレーザーfor PRO ZE31SEEDルフラット(製造中止)
先端が鋭くなっても万能というわけではありません。
消すのが難しい箇所、たとえば無線綴じノートの奥まったノド(ページの綴じ目)への書き込みを消すには不向き。前回のジグザグでも厳しい。
これについては前掲の製品群や
メタフィス ガム、そしてトンボ モノES-510Aなど往年のくさび型消しゴムを薦めます。
欠点は転がること。これはいかんともしがたい。
サンスター文具が出した
ジグザグを見て思い出したのが、今回のヴィス。
あちらと比較するために、という消極的な理由で買ったんですけど、思いつきで企画されたような品なのに意外にも良品で、
同社ガムより適用範囲が広くて一行消しもしやすかった。
前後に凹凸を設けて新品と連結できれば、最後の一片まで使えるに違いない。一考望む。
日本製くさび型消しゴムは半砂510型か砂消し512型しか残っていない。半分が砂消しだから半砂。
象牙色が鉛筆用。紫外線で表面が老化(硬化)するため使い続けるか、箱に入れて暗所で保管します。
灰色の砂消しは鉛筆用ではなく、紙面を削り取ってインク筆跡を消すもの。
前時代的遺物となった砂消しですが、錆落としなど新たな用途が見出だされ、年末大掃除などに使われています。