コンパスで円を作図するというのは、なかなか器用な動作らしくて、
ソニック くるんパス等各社工夫が見られます。
今回はつまみを人間工学形状にした製品。
鉛筆装着式、ケースつき、ベルマークつき、2019年11月発売、中国製。
脚を開いても頭が中心からずれない中心器(中心機構)つき。
さてその特長の人間工学ヘッドですが、どう説明すればいいのか、おそらく設計者は、三角軸の側面に親指をあてて安定させると同時に、稜線部に人差し指をあてて不安定にすることを利用して、回しやすくした、のではないでしょうか。中指はどこにあててもいいです。
つまみ径が太くてつまみやすく、従来品より低い位置をつかめるのは長所に感じます。
脚を閉じても針先と鉛筆芯先がズレなくて、精度は良好。
コンパスには尖った針があるため、少々危ない学用品です。
そこで、変形して針と鉛筆芯先を覆います。
(1)鉛筆装着部を摘まんで開けば、(2)それに連れて鉛筆部が回って芯先が出て、(3)そこをさらに回して固定すれば使用状態になります。
変形に少し手間がかかるおもちゃっぽい他製品、
同社シャーペストコンパスや
シンパス、レイメイ藤井ペンパス、
ソニック くるんパススティックのほうが小学生に人気あると思うんですけど、変形機構が面白いのは教師に不人気かもしれないですね。
また針の周りが出っ張っていて、従来品に比べ、刺さっても深く刺さらないよう配慮されています。
脚を閉じて針を覆ったまま鉛筆を交換可能。
このねじをいっぱいまで弛めても、紛失対策で脱落しません。
滑り止めが浅く、滑り止め溝をもうちょっと深くしてもいいように思います。
鉛筆軸径φ8mmくらいまで装着可能。
日本製鉛筆は側面を締め付け、舶来鉛筆は稜線を締め付けます。
付属鉛筆φ7.8mm×
102 56.5長、HB、∠33.6°
芯先を14mm出すのが最適。
短い鉛筆を約40mmまで装着可能。
102 56.5mm以上に長い鉛筆も装着可能。
付属鉛筆の芯先がかなり鈍角ですが、鋭角な芯先、例えば
トンボKSA121で削られた∠18°芯先も装着・収納できます。
付属鉛筆並みに鈍角に削れる鉛筆削りには
同社2ウェイ シャープナーRS006 (色鉛筆用)∠29°や同社トガール、
ステッドラー512 128 ∠30°などがあります。
2020年8月? シャーペン仕様CP215 (ケースなし)が追加されました。
その仕組みは今回の鉛筆仕様・ケース付きとおんなじだと思います。
本品の形式は両脚式コンパス。
コンパスにはほかにも形式がありますが、両脚式に不慣れな小学生が多いなら、
片脚式(ドロップコンパス)を大型化したり、定規と組み合わせる
ビームコンパスを小学生向けにしてもいいんじゃないでしょうか。ただしビームコンパスは片手で作図できません。
文科省の【算数編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説
→小学校学習指導要領解説:文部科学省ではコンパスと指定しているだけで、その形式までは指定していないから、新製品の余地がまだあると思います。
関連記事
クツワ シャーペストコンパスクツワ シンパス