野外仕様メモとして耐水紙を綴じたメモ帳があります。
木材パルプを使わず、石灰石(炭酸カルシウム)粉末とポリエチレン合成樹脂から造られたストーン紙「Keeplus」を採用したのが本品。
2014年?発売、日本製。
A7変形、白無地、ダブルリング綴じ。ページをはぎ取れます。
8.47mm穴間隔。前回のレインガードメモ同様、
リヒトラブ ツイストリングシリーズへ転用できます。同社耐水メモ ランクAオレンジPW2569 (PP薄膜紙、ユポ紙)は9.5mm穴間隔。
透明なポリプロピレン製0.75mm厚表紙は堅く、下敷きにもいい。
いっぽうリング側のカドが引っかかって痛いのが難点。ここはやすりか何かでカドを丸めるのがよいでしょう。
前回の
アピカ レインガードメモもカドが立っていますが、本品ほど痛くありません。
緑色のカエルは内表紙に印刷され、ほかに青い金魚や赤いカタツムリがありました。金魚のみ現行品。
ほかには格子模様に6mm横罫と、地質図柄に5mm方眼罫があります。
紙面を指でなぞるとラッピングフィルム(包装材ではなく磨き仕上げに用いる一種の紙やすり)のような手触り。
ボールペンやサインペン(ファイバーティップペン)、鉛筆で書くのがよいと思います。
水中筆記してみましょう。
私の悪筆には言及しないこととして、
左側:温水約40℃、右側:冷水約10℃
冷水から先に書きました。
ゼブラ ウェットニー/替芯K-0.7芯 (付属芯、製造年月2005、2020年5月製)
同ウェットニー/K-0.7芯 (別売2007)
トンボ エアプレス/BR-SF33 (0710)
三菱パワータンク/SNP7 (1006)
同パワータンクスマートハイグレード/SJP7 (0907)
フィッシャー ブレット/PR4F (995)
難なく水中で書けます。
ただ紙面が凹みやすく、とくに温水中では二枚目にはっきり跡がつきます。
そこを鉛筆等で軽くこすると、書いた文字が浮かびあがる(フロッタージュ)ので、なにかこう、特命や密命を受けているようなひとは気をつけてください。
また裏から筆跡が透けて見えます。裏抜け(インクが裏面に浸透)しているわけではないので、読めるほどではありません。
乾いていても凹みます。とくに筆圧を要する旧油性ボールペンでは跡がつきやすい。ユポ紙は跡がつきません。
耐水紙で有名なのは「ユポ紙」、PP (ポリプロピレン)を薄膜化した合成紙です。
同社耐水ランクAや
クツワ風呂単メモもおそらくユポ紙。
それらには、紙面が乾いていても水性インクで書けません(耐水性が高すぎてインクが乾かない)が、ストーン紙には書けます。でありながらPP薄膜紙と同じ耐水性があります。
もっとも水中では水性インクで書けないと思う。試していませんが……
前回の撥水紙にも水性インクで書けますが、本品ほどの耐水性はありません。
水中筆記後は干しておきましょう。
なおストーン紙は一枚でも水に沈み、ユポ紙はメモ帳ごと浮かびます。
キャンプ等ではなるたけ軽い道具が好まれますが、浅瀬で水遊び程度なら、流されにくいストーン紙のほうがよいかもしれません。
いずれにせよ紛失防止には、綴じリングに紐を結わえるのがよいでしょう。
鉛筆は温度や水に左右されずに書けます。
ただし消しゴムで消した際、消し跡が少し残ります。
画像では読めるくらい残っていますが、
SEEDレーダー等ならもう少し白くできます。
ストーン紙の耐光性については、六年越しの私有品は端がうっすら黄変しているものの、劣化は見られません。
ただし炭酸カルシウムは光で分解されるそうなので、耐光性は期待できないかもしれません。
ストーン紙はユポ紙に比べて廉いらしく、同社耐水ランクA 500円税別に対し本品は300円税別。前回のアピカ レインガード撥水紙はさらに低廉で180円税別。どれも40枚。
ですので、飲み物をこぼす程度なら前回の撥水紙を、潜水や入浴メモとかならストーン紙やユポ紙を選ぶのがよいと思います。
捨てる際は可燃ゴミ。ユポ紙と同じく古紙回収には出せません。
木材を使わず、製造時の水使用量が少ないため、環境特性を宣伝されていますが、Wikipediaのストーン紙LIMEX記事が「中立的な観点に基づく疑問が提出」タグがつけられるほど批判的だった(2021年2月現在)。LIMEXはキープラスの改良品。
ストーン紙の品質そのものは良いと感じます。
その白さは漂白剤を使わない石灰石(炭酸カルシウム)由来の白さ。夏に触るとほんのり冷たい。
ホタテ貝等も炭酸カルシウムだから、それらも使ったら環境特性が向上するかもしれませんね。