トンボ鉛筆エアプレスエプロ ブラウン軸 黒インク
トンボ エアプレスエプロ;Amazon検索
トンボBR-SF替芯;Amazon検索
マーケットプレイス品
もしあなたが立ち姿で伝票に記入したり、壁に掲げたカレンダーなどにボールペンで頻繁に記していたなら、途中で書けなくなった経験があると思います。
これはボールペンのインクが逆流するためで、この上向き筆記や水平筆記に対処してペン軸内にインク加圧装置(逆流防止ポンプ)を設け、書き出しかすれも解消したのが今回のエアプレスエプロ。
エプロはエプロンを意味し、クリップリリース機構や誤ノック防止措置を組み込んで、エプロン系立ち仕事に最適化したもの。日本製。
基本構造は先発の
エアプレスBC-APと同じく、ノックボタンで空気を圧縮、インク加圧する方式。
全長が短いながら適度に太くて取り回しやすく、またノックボタンの半分はペン軸後部に覆われ、ポケットや鞄内で誤ノックされる事故を防ぎます。
このためノックボタンはヘンなかたちで操作しづらそうと思ったら、ボタンが大きく予想に反して扱いやすいものでした。
またノック操作にひっかかる感触がなく、ゆっくり押せば操作音を小さくできます。
約20°開く可動式クリップはノック解除機構と連動し、2mm動くと芯を収納、ポケットに挿そうとすればペン先が収納されます。
クリップ内側の凹凸はゴムではないので、ポケットから抜き取るとき生地を引きずることなく「サッと挿してサッと取れる」の売り文句通りに扱えます。
後端(上部)の穴は紐通し穴。小さくて紐が通りにくく、小径リングを介してつなげるようです。
この大きく長いクリップが、筆記時ジャマくさそうに見えてそうではない点はデザインの勝利。
エアプレスの弱点である口金ねじは、少し改善されました。
替芯はBR-SF芯(φ2.9×58mm,インク4色)。前作エアプレスはもちろん
おんぶっくや
リポーターコンパクトとの共用品。
筆記距離が500mと短く耐アルコール性もなく、エアプレス最大の欠点がこの替芯。
BR-SFはJIS油性B型派生品。B型は普及率高く、長さこそ違うものの
三菱S-7S芯や
ゼブラSK芯とほぼ同径。
ですので、インクが減った他のボールペンから替芯を切り出して移植できます。
また空気が混入した替芯の復活も可能です。
けれど、これで喜ぶのはホントにマニアな人間だけだろうなあ。
0.5mmボールがあれば細字好きな人種に好まれるかもしれないですね。
軸色は5色。ペン軸はもちろん、クリップやノックボタンまで細かく色分けされており、その部品数は競合品
三菱パワータンクの3倍以上約17点(替芯除く)で価格は380円+税、高価ではありませんが、低所得層には廉く思えないでしょう。
部品数を考えれば、ギリギリまで低くした価格であろうとはいえ、むこうは200円+税、エアプレスエプロ一本でパワータンク本体と替芯一本が買えるわけですから、トンボにとっては苦しい状況です。
そのうえ不恰好で、前作と違い見た目で選ぶ人もいないと思われ、個人的には好みなのですが、商業的には競合品にかなわないような……。
触ってみると感心するつくりをしているので、店頭見本をいろいろいじってみることを勧めます。
エアプレスエプロは2012年か2013年ころに製造中止になり、エアプレス ブーケになりました。