Tin ice in the sun

殺人出産

本の表紙画像

自分でも薄々分かり始めてるんですが、村田沙耶香のこと推し作家にします……!!!! はい。自分はどうにも性欲と支配欲と一緒くたになりそうな人間の性愛事情が嫌いでうっすら性欲ある人間のことを嫌っているのですが、どうにも村田沙耶香の作品はそのうっすら加減を最大限に出力してくれる作家に思えて仕方がないです。無意識に共通点を見出そうとしていると思います。(読み手の自由解釈……!) 表題作のお話がとにかく好きなんですが 人間を10人産めば1人殺す権利を得られるというの ディストピアものとしての完成度が高くていいよね。しかもそれを得られるのは男性だろうと変わらない。作中で性別があんまり明示されないが普通に男性も女性も「産み人」となって人を殺す権利を得るために頑張るのきっっついですね。 出産がいかに辛く大変なものかみんなわかっているから、人間を殺す代価として求められる。死刑に代わる処罰としても。 現実では奨学金の代価として求められているのが悲しいぐらいの皮肉。


  • 14th.Apr
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