Tin ice in the sun

文豪たちの妙な話 ミステリーアンソロジー

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夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介、梶井基次郎、佐藤春夫、谷崎潤一郎、久米正雄、太宰治、横光利一、正宗白鳥と妥当な面子〜と思って開いたら、珍しい作品ラインナップだったので買った。 佐藤春夫とミステリーといったらどうしたって「指紋」が出てきやすいので……。 谷崎の「私」と久米の「復讐」は初めて読んだけど面白かったな〜。全く違うアプローチでのミステリー要素なわけだが、編者は「今までこういうラインナップで組まれてるの見ませんよね!」のノリで選んでいるのでその雑さがまあいい。 わたしは正宗白鳥は「人を殺してしまったが…」がかなり印象に残っていて、文アルをやったとき自然主義として出てきてちょっとビックリしたんですよね。面白いですよ、この話。 ただ、珍しいラインナップの割には梶井基次郎がすごくオーソドックスな「Kの昇天」なのが不思議です。結構見るよね、この作品。好きだけど。


  • 9th.Mar
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