このオタク長文で語るよ。
トップ
ひとりごと
ネタ
夢絵

神職天使(刀剣乱舞)
2015/05/19 22:08

「主は、人間かい?」

その蜂須賀虎徹の主は大人に満たない少女だった。今年十五という年齢は蜂須賀が振るわれていた時代では立派に子を産めるものではあったが、それが現代に則した価値観ではないことくらい彼とて分かっている。ゆえに彼が抱くべき感情は、子供を戦ごとに巻き込むことへの嫌悪が先行するはずであった。にも関わらず、それらを押しのけて、むしろ自己紹介すら途切れさせて膨れ上がったのは驚愕。虎徹の真作としての自信に裏付けされた微笑が剥がされて、口は餌を求める鯉のように開閉を繰り返す。

「はい、これでも人間です」
「しかし、ソレはいったい……もしや俺が知らぬ間に、現代の人間は皆そのような姿になったのかい?」
「あはは、安心してください。現代でも珍しいものですよ」

肩口で切り揃えられた髪が左右に揺れる。穏やかに笑う口元に反して目元は泣き腫らしたように赤く、続くセリフは痛々しいほどに沈痛な声音だった。

「私は、病気なので」

少女の背には白く大きな羽が一対、その存在を強く主張していた。


生まれつき羽を持ってること以外普通な女の子とその信者化した刀剣男士と全部知ってる近侍蜂須賀。審神者は中三で親元から離されて寂しいから刀剣たちと仲良くしたいのに相手は天使みたいな見た目の主を神聖視しすぎて近寄れないという。嫌われてると勘違いしてる審神者に否定も肯定もしないで一番近いところに居続けるなんちゃって策士蜂須賀さんであった。ちらっとしか出てこない政府はさらりとブラック。
九井諒子さんの進学天使というお話の設定をお借りしてます。途中まで書いて投げ出したプロットのお話です。ゴールデンな鎧と天使並べたら神々しさで目が潰れそうだなあと。あと単純に蜂さにが読みたいです。


作画と原作が若返ってやり直す(爆漫)
2015/01/09 23:08

私とミヤくんは同じ養護施設で育った。私は全然両親のことを覚えていないけど、ミヤくんは中学生で突然両親を亡くしたとかで私が高校生の時にやってきた。その頃から私は漫画家になりたくて、必死に頑張って絵の練習をしてはいろんな出版社を回って、何度も何度もダメ出しを食らって帰ってくる日々の繰り返しだった。国に養ってもらっている身分としては高校を卒業したら就職をしないといけない。頭も良くない。顔も平凡。そんな私でも夢を叶えるチャンスはあった。けれどそのリミットはあと数ヶ月に差し迫っていた。だから新しく面倒を見なければいけない彼を最低限しか世話してあげられなくって、きっと彼は私をそんなに好いていなかったんだと思う。ある時彼は私の書き終えた原稿をたまたま見つけて、声高々にダメ出しをし始めた。この主人公のここがカッコ悪い。このお話のここが辻褄が合わない。この終わり方は古臭くていけない。私はそれらの内容を呆然と聞いていた。だってミヤくんは何事にも無頓着で無関心な物静かな子だったから、人を良くも悪くも言わないとっつきにくい子だったから。そんな驚きが引いた瞬間に、私は我に返ってそこらのチラシ裏を引っ掴んでボールペンでガリガリ書きなぐった。一心不乱に。無我夢中で。ミヤくんがドン引きしているのも気づかずに何度も続きをせがんで、無理やり言わせて、全部を絞り出してから彼の存在をガン無視して原稿を一から書き直す作業に入った。それが私たちの代表作。私たちの宝物。私たちの全て。今日最終回を迎えた、私たちの漫画。
「終わったね……」
「終わったな……」
二人してフローリングに寝っ転がってジャンプを置く。あの時18歳だった私も今は28。24のミヤくんと違ってもうくたびれた干物女だ。こんなにもくたびれるまで全てを注いできた漫画。今ではあの時こうしていればという後悔と、それ以上の達成感が体の自由を奪っている。何をしたでもなく眠い。明日からしばらく期日を気にしないで漫画を書ける。新しい漫画を考えて、また書いていかないといけない。もう終わった漫画のことなんて気にしてられないんだ。もう、忘れてしまわないといけないんだ。それがどうしようもなく寂しくて、でもその寂しさも忘れてしまいたくて。私は自分の眠気に従って目を閉じた。

書き出したら止まらなかった寝て起きたら主人公が10歳、オリキャラが14歳になってた若返りトリップの冒頭。まさかのオリキャラ落ちで原作にかすったりかすらなかったりを突き進んでいくお話を爆漫全盛期に温めていました。オリキャラのミヤくんが真城高木と同じクラスで主人公が亜豆妹と同じクラス。一度終わらせた連載で後悔したことを徹底的にやり直してもう一度最高の漫画を作ろうとする二人のお話。ここまで書いて八割方満足してしまった…ちゃんと書くなら吉田さんと平丸先生はとりあえず出したいですね…ちゃんと書くのか…?


吾輩は吾輩である(ハンター)
2014/12/27 01:13

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生まれたのかはとんと検討がつかぬ。
吾輩の一番古い記憶は暗い路地裏の片隅であった。まだ乳飲み子であった吾輩を、他の兄弟たちと共に母猫が置き去りにしたあの日。まだ世界も何も己の目的さえ持ち得なかった吾輩は、暫し赤子の鳴き声を狭い壁と壁の間に響かせるのみの存在であった。それは他の兄弟たちも同じことであっただろうが、彼奴らは次第に沈黙していき、遂には吾輩のみが残された。もはや生にしがみついていたと言うよりは本能であろう。
言葉なき声を出し続けて幾許か。気が付けば大変に大きな生き物が吾輩を遊に高い場所から見下ろしておった。それは妙な生き物であった。毛という毛が見当たらないにも関わらず、なんとも説明し難い異なものを身に纏い、皮ばかりの前足を浮かせて地を立っておる。よく見れば頭の天辺にのみ毛が生えておるようだった。
なんと違和感のある生き物であろうか。そう思いつつ吾輩はその生き物に懐かしさを覚えていた。安心する、とはまた違う。世の理に当て嵌まった物を感知した時の当たり前さと言うべきか。
それならば何故に吾輩は生まれたばかりの身空で浮世を知った気でいるのかと。猫は猫なりに唸ている間にもソレは起こった。その巨大な生き物が、吾輩の前足の付け根に前足を差し入れた。気味の悪い長さの指を引っ掛けるようにして器用にも持ち上げたのだ。
初めて感じる気持ち悪い浮遊感を受け、吾輩の体は宙に浮く。そしてその時、吾輩は彼奴の目玉を垣間見た。この路地裏よりも光を通さぬ、黒々とした闇夜の眼に。そして空かした腹の辛さも忘れ飛びついたのだ。

「メスか」

この婦女子に対して愚行を犯した愚か者の顔に爪を立てるために。
今さらの話ではあるが、おそらくずっと遠い昔、吾輩は人間であったと思われる。今ではどうでも良いことだ。

一人称吾輩の黒猫と彼女を拾ったクロロの締まらない日常。「吾輩は〜」で始まる文章を書きたかっただけ。そのうち念を覚えて猫耳女になる、かも。


困難の中に幸せなんてない(まどマギ)
2014/11/17 18:41

「じゃあ、幸せになりたい」

軽い気持ちで魔法少女になった瞬間人生ハードモードになった上に無限ループに陥った見滝原中学三年生の女の子の話。

キュゥべえ「どん底にいる限りそれより下のことなんてありえないんだから、なんだって幸せに思えるよね」

まず魔法少女になった瞬間唐突に前世の記憶を思い出して自分がまどマギの世界に転生したと気付く。そしてすぐに自分の行き着く末路を知って絶望。一気にソウルジェムに穢れを溜め込んで魔女化。けれどそれでは主人公が幸せになってないのですぐさま時間が巻き戻されて最初からやり直し。魔女と戦って食われてやり直し。魔法少女とのいざこざで死んでやり直し。自らソウルジェムを砕いても本当は死にたくなかったからやり直し。幸せにならない限りずっとやり直し。

やり直す毎にポジションが変わる。中二になったり小学生になってたりマミとクラスメイトだったりまどかと双子だったり杏子の姉だったりさやかの妹だったりほむらの幼馴染だったり。最終的に誰かに幸せにしてもらうという結論に至ってなんやかんやで前世の知識をフル活用してほむらのサポートに回る。ほむらは主人公が時間を繰り返していることには気付いてる。

こんな感じの暗い設定をものすごくやる気のない明るい雰囲気でだらだら書きたい。


| →

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -