落書き置き場(文章用)
尻切れトンボになったものとか、突発的に思いついたネタとか
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[11]ボツ・あやつりピエロ(オリジナル
by (´・ω・`)
2014/02/08 07:20
ジャンは狭い部屋にひとつだけある窓の桟に腰かけて湿気かけたタバコに日をつけた。朝日がちょうど差し込んでいた。ついさっきまで仕事をしていたジャンは昨夜は寝ることができなかったが、それはいつものことである。早朝まで仕事をし、太陽がそこそこ高くなってきた頃合いに寝床に潜り込むのがジャンの習慣だった。そして、仕事が終わってから寝るまでの時間にタバコをちょうど2本だけたしなむのがもっぱらの楽しみなのだ。
今日の仕事は疲れた、とジャンはひとりごちた。ジャンの仕事はだいたいハードなものだったが、今日は変な邪魔が入り計画が狂ってしまった。なんとか予定を合わすことができたが、もしも失敗していたらと思うとぞっとしない。
ふと、窓の下を見下ろした。ジャンの部屋は二階だった。下は大通りに繋がる路地である。そこに、一人の花売りの少女が立っていた。こちらを見上げて笑っている。純朴そうな少女だ。すこし継ぎがあるエプロンドレスが愛らしい。ジャンがなんの気なしにその少女に手を降ってみると、少女は顔を綻ばせた。その様子に、ついジャンも微笑む。
その時、トントントントンと、ドアをノックする音がした。ジャンはドアの方へ振り向く。狭い部屋であるから、ドアまでそう遠くない。どうするかと悩んだあげく、ジャンは"昨晩の仕事の成果"を胸元に押し込めサイドテーブルに置かれた拳銃を手に取った。構えて足音を消しながらドアの方へ寄る。ピタリとドアの横の壁に背を付けて外の様子をうかがう。"そいつ"は確実に気配を消していた。ひそめられた息遣いは、それでもこの仕事をやって長くなるジャンには感じることができた。誰かいる、と、ジャンは確信した。しかし誰が?
ここで誰かが訪ねてくる予定はなかった。ならば十中八九イレギュラーだろう。


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このあとからくりピエロがジャンを殺すんだけど、そこまで書ききれなかった。
いつかかけたらいいな
あと少女もグルだってメモしとこ


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[10]ブラブレと騎士王(ヴァンガ
by (´ω`)
2014/02/06 05:01
たまに、二人きりになったときに、騎士王は私に“済まない”と言った。
彼の書斎に、軍備の予算と隊列についての案をまとめた書類を持っていった時だった。普段ここで目にする孤高の騎士は、今日は不在のようだった。騎士王はありがとうと書類を受け取って、いくつか世間話をしたあと、少しの間を開けて例の決まり文句を呟いた。

「毎度毎度、言っているでしょうに。あなたのせいではないって」

彼は謝るようなことなぞ何もしていない。それどころか私の方がよっぽど世話になっている。
毎回そう返すが、騎士王は懲りずに謝罪の言葉を繰り返すのだ。その度に私はいたたまれなくなってしまう。

「済まない……」

ああまた、彼が呟いた。
夏が終わって、窓の外では色の変わった葉が舞っていた。それが部屋のなかにはらはらと影を落とす。気が付けばもう夕方だった。赤い逆光の中の騎士王の表情は、よりいっそう苦しげに見えて。
そんな沈痛な顔をして、彼はいったい、何を謝ろうというのだろう。

実の弟と戦わせたこと?
戦場しか外の世界を知らないこと?
聖剣に選ばれたこと?

それとも、私を生み出したこと?

一般の常識から考えれば確かに奇怪で不遇な人生だろう。だけど、それでも、私は自分の人生を、幸福だったと言えるだろう。

「王、あのね」
「私は、あなたのおかけで、幸せでした」
「弟と会えたし、外の世界を知ることができたし、それに自分の存在する意味を見つけることができた」
「全部、あなたのおかげです」

だから、何の責任も感じなくていいんだよと、この人生をくれた感謝をこめて、

「ありがとう」

と、言った。

end



辛い思いさせててごめんねって思ってる騎士王と、心から人生楽しんでるブラブレちゃん
この「弟」とは双子の弟設定なブラスター・ダークちゃんです。お兄ちゃんは溺愛ぎみです。


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[9]ボツ・若年とローエン♀(ヴァンガ
by (´ω`)
2014/02/06 04:39
*ローエンさんが女体化しています。


ローエングリンという人は、とても頼りがいのあるいわゆる姉御肌で、僕自身も一人の騎手として慕っていた。彼女は誰にでも分け隔てなく接しており、そのおおらかな(言い換えれば豪快な)性分で騎士の間でも広く好かれていた。

ある修練を切り上げて夕食に向かう道すがらのことである。
この日も僕は、剣の稽古に付き合ってくれるという彼女の好意に甘んじ、こっぴどくうちすえられた後だった。
「姐さん、今日も手加減なしだったですね」
「お前も騎士の一人だからな。手加減なぞせんさ。それともしてほしかったのか」
「そんなことありません。いつも手合わせしてくださりありがとうございます」
そんなとりとめもないことを話しつつ、宿舎の灯りを眺めていた。夏も終わりかけだった。セミが自身の生命をなげうつが如く叫んでいた。もう日が沈み、辺りは薄暗かった。普段と変わらない時間のはずなのに、いつの間にか夜が早くなっている。これからどんどん昼が短くなるのだろう。そんな中で彼女と並んで歩いていた。
もうすぐ宿舎に着いてしまう。
男子寮と女子寮はもちろん別棟だった。もうすぐ彼女と別れて、次の修練まで彼女と会えない。特に明日から遠征と聞いていたから、多分次にこんなに話せるのは一月先になるかも知れない。彼女はそんなに暇な訳ではない。知っているけれどなんだか残念で、このまま宿舎に着かなければいいなぁなんて、そんなことを考えた。

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ごくごくニッチな層に人気がある(らしい)若ローを書いてみようとした結果、ローエンさんが女体化しました。


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[8]ボツ(ダークとジャベリン
by (´ω`)
2013/04/23 19:44

ブラスター・ダークは部屋にひとつ置かれたベッドの上で、文庫本のページをパラパラとめくっては印刷された文字を追う。もう何度読んだか知れない小説であり内容も頭に入っているが、ダークはその本をよく読んだ。

部屋の主はベッドのそばに寄せたイスに腰掛けてその様子を眺めている。

「何を読んでいるんですか」

部屋の主が問うと、ダークはまたパラリとページをめくった。

「犬が、死ぬ話」

ダークが呟く。

「犬?」
「あと人も、死ぬ」



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どんな話だ


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[7]ガンスロッドとアルフレッド(ヴァンガ
by (´ω`)
2013/03/19 02:50

「また仕事サボったらしいな、アルフレッド」

そう声をかけると、騎士王に就任したかつて教え子は外に向かって煙草の煙を吐いた。

「めんどくさくて」
「ブラスター・ブレードが血相変えて探していたぞ」
「だが、あれは判子を押すだけの作業だ。誰でもできる」

アルフレッドはまた煙草をくわえる。灰の部分が、少し長い。

「判子を押せば終わるなら、楽なものだろう」
「それじゃ駄目だ」
「何が」
「俺が知りたいのは、書類の報告じゃなく、民の声だ」

アルフレッドは携帯灰皿に煙草を落とし入れた。

「あんな紙切れに書かれたことは信用ならないと、父の代から知っている」
「しかしそれでも、真実は紛れているだろう。鵜呑みにせずとも目は通しておけ」

アルフレッドは二つ目の煙草に火を付ける。吸った煙をふう、と吐き出す。

「それもそうだな」
「ああ。その代わりだ」
「ん?」
「俺が、民の声とやらを集めてこよう」

いっとき、アルフレッドは煙草を吸う手を止めた。

「お前が?」
「ああ。俺はお前相手に嘘はつかんと、知っているだろ」
「そう、だが」

アルフレッドは逡巡するように頬を掻いた。

「かわいい元教え子が困っているんだ。一肌脱ぐさ」
「しかし」
「それに今はお前の方が主人だ。遠慮なく命令してくれていいんだぞ」

アルフレッドは何か言いたそうに口を開いたが、すぐに閉じてまだろくに吸っていない煙草を灰皿に押し込める

「じゃあ、頼んだ、ガンスロッド」
「ああ、頼まれた、アルフレッド」


end

どう終わらしゃええんじゃこれ


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