▽怜←真前提、身体の関係がある凛真


それっぽいことを匂わす表現があります。一応、追記から。
凛ちゃんもまこちゃんもダメな人です。



追記
2013/09/25 18:05


▽同性愛者なまこちゃんに嫌悪感を抱く怜ちゃん


少し即物的な表現がありますので、問題ない方のみ追記からどうぞ。



追記
2013/09/25 12:16


▽パピコを分け合う怜真


ぱきんと音を立ててアイスを割った真琴先輩が、その片方を僕に差し出す。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
「りんごヨーグルト味だって」
新商品らしいよ、という弾んだ声音にそうですか、と笑みを返してアイスの蓋を千切り取る。一口分を舌に載せると、乳白色のシャーベットが冷たくて、混ざった小さい林檎のかけらを噛みしめると果実の爽やかな味。
「美味しいですね、これ」
「そうだね。明日もこれにしようか」
密やかに明日の約束を交わす。僕たちはアイスで冷えた指先をどちらともなく絡め、繋ぐ。りんごヨーグルトの優しい味がいつまでも口内に残っている。



2013/09/24 17:36


▽見えなくなるものがふたつある、遙真


プールサイドの、わざわざ日向になる場所を選んで腰をおろした真琴が足先を水面に差し入れた。とぷん、と滑らかな音がする。水が真琴を受け入れた音だ。
小さく水滴を跳ねさせながら、真琴は足を弾いて遊ぶ。楽しそうに笑っている。始めて水に触れた子供のような顔をしている。真琴もまた、水に愛されたひとりなのだ。水に愛されると見えなくなるものがふたつあるけれど、優しい真琴はそんなもののことなど知らないで生きていけばいい。水の優しさだけを、知っていればいい。
ハルもこっちにおいでよ、と言う真琴の声に頷いて応え、俺はまだかろうじて見えている最後のひとつに目を瞑った。



2013/09/24 12:02


▽君の望みを叶えてあげる、凛真


海にいきたい、と真琴が呟いたので俺はすぐにその手を取って、されるがままの真琴を引っ張り歩いて、歩いて、歩き続けて一番近い海岸に連れ出した。波打ち際で手を離すと、真琴はふらふらと波に二、三歩足を踏み入れて靴や服の裾を躊躇いなく濡らす。しゃがみこむ。打ち寄せる白く泡立った波を指で掬い、唐突に泣き始めた。
俺の名前を呼んでいるようなので、近寄って、同じようにしゃがみこんでやる。真琴の濡れた手のひらが俺の背に回りしがみついてくる。
「凛」
はっきりとした口調で真琴は、泣き続けながら俺を呼んでいる。少し不安定なだけなのだ。壊れかけた真琴の心はきっと、もうすぐ戻ってくるのだろう。



2013/09/23 17:56


▽意外とケンカップルな怜真


「マコちゃんと怜ちゃんって、恋人だけあってすっごく仲良しだよね」
「そう思いますか」
「え?」
「いいえ、何でも」
怜ちゃんらしからぬ気怠げな仕草で、白い紙パックの牛乳を啜った。なにかに嫌気が差しているような、苦い表情を浮かべている。
「……なにかあったの?」
聞いていいものか悩みながら、僕が恐る恐る問いかけると怜ちゃんは一際大きな音を立ててパックから最後の一口を啜った。わあ、なにかあったんだなあ。相変わらず怜ちゃんってばわかりやすいんだから。
僕はさて、と気合を入れて、今度は何で喧嘩したのか聞き出すべく、がじがじとストローを噛み続ける怜ちゃんの方に向き直った。



2013/09/23 12:31


▽まこちゃんに平手打ちされたハルちゃん、遙真


瞬間的に頬が熱くなる。遅れてやってくるひりひりとした痛み。鼓膜に残った高い音で、ああ、俺は真琴に叩かれたのだと気づく。
目の前でとめどなく涙を流す、崩れて酷い顔をした真琴。泣きたいのは叩かれた俺の方ではないのかと、一瞬だけ思ったけれどその通り泣く気にはなれなかった。真琴が泣いているからだった。多分それは、俺の代わりなのだ。
痛みの甘さに微笑んで、真琴の腕を引き寄せる。抵抗なく倒れこんできたその体を強く抱きしめ、好きだ、と囁いた。



2013/09/22 17:06


▽恋と友情の違いについて、渚真


その人に幸せになってほしいと思うのが友情。その人を幸せにしたいと思うのが恋。なんだって。じゃあ僕は多分、マコちゃんに恋をしてるんだろうね。僕はマコちゃんのことを世界で一番幸せにしたいし、他の誰にもその役目を渡したくないもの。僕のために笑っていてよ。僕のせいで笑ってほしいよ。これから先ずっと一緒にいる中で、マコちゃんがいつも笑顔でいられるように全力を尽くすつもりだから。おじさんになってもおじいちゃんになっても。あれ?顔赤いよどうしたの。ねえ、マコちゃん。僕の方見てよ。



2013/09/22 17:06


▽泣きながらグミを食べるまこちゃん、凛真


真琴が泣きながらグミを食べている。泣くぐらい酸っぱいのなら、食べなければいいのに。
「だって、凛が買ってくれたから」
ああそうかよ。くそ、ひとつ寄越せ。



2013/09/21 15:53


▽置いてけぼりにされてしまった怜ちゃん、怜真


何一つ掴めなかった僕は、結局苦しむあの人のことも救うことができなかった。消えてしまった真琴先輩。どこにも、何者にもなれなかったあのひと。
例えば、僕がどんな言葉を捧げていたなら、真琴先輩を繋ぎとめることが出来ていたのだろうと考える。もう何の意味も無いことを、それでも考えずにいられない。あなたは、僕や、遙先輩や、渚くんや沢山の人々を置いてけぼりにして、どこへ行ってしまったのか。誰も追いかけることのできない場所であることは、多分、確かなのに。僕の手はあなたの冷たさを、氷砂糖のような鼓動をこんなにもはっきりと覚えたままでいるのに。ひとり残されて途方に暮れる、僕のことを何処からか見つめて、あなたは笑っているのだろうか。



2013/09/21 15:53


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