同性愛者なまこちゃんに嫌悪感を抱く怜ちゃん
2013/09/25 12:16



「俺、男が好きなんだ」
なんでもないことのように告げられた、その声が微かに震えていたのは僕の気のせいだったのだろうか。
白い皮膚が薄青さを透かした真琴先輩の肌。言葉を失ってしまった僕に、真琴先輩はぎこちなく笑う。慄き、僕の反応に怯えるように。
どうすることが正しいのか、ある程度理解はしている。彼がそうしたように、なんでもないことを装って受け入れるのが多分、最善だろう。うまく顔を歪められるのなら。男が好きだと言う真琴先輩に、生物的な本能を、異物に対する拒否感を覚えずにいられるのであれば、それは有効だっただろう。けれど、僕は。
「……貴方は同性と、セックスしたことがあるのですか」
「……あ、る」
「貴方は男なのに、男に欲情するのですか」
「っそう、だけど、でも」
「もう、いい。もういいです。聞きたくない」
僕は耳を塞いでしまう。口端をいびつに引き攣らせてしまう。真っ黒な感情に埋め尽くされた、汚い笑みを浮かべてしまう。だって仕方ないじゃないか。
「気持ち、悪い」
真琴先輩の瞳から、光が失われていく様が、どうしようもなく心地よいと思った。





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