佐久早のことがずっと好きな幼なじみ夢主ちゃん、中学生の頃ある放課後に「佐久早ってさ、ミョウジのこと好きなんじゃねーの?」「どう思ってんの?」ていう会話を偶然聞いちゃう。聖臣、なんて答えるのかなってどきどきしてたら「……めんどくさい」って声が響いてショック受けちゃうよね。テスト期間で一緒に帰る約束してたはずなのに急いでその場を立ち去ってお家で大泣き。その日から好きが拗れて(大好きだけど)嫌い、に変わっちゃうんだな。態度が今まで以上につんけんするし、お互い素直じゃないから喧嘩が増える。古森は急にどうしたんだろって思いつつも見守るしかない。そのうち何を思ったのか佐久早の好みとは反対だろうギャル寄りの恰好し始めるし適当な男と付き合ってみたりするから幼なじみズもさすがに口出ししてみるんだけど聞く耳持たない。
中3になって佐久早が「お前も井闥山来い」って言うからうるさいなって思いつつもやっぱり素直じゃない、地頭良い夢主ちゃん、しっかりちゃっかり同じ進路選ぶよね(第一落ちたから仕方なく井闥山行くしかなくなったとか下手くそな言い訳してたら可愛い)。また聖臣と一緒だなって思いつつもますます髪は明るくなるしスカートは短くなるしメイク濃くなるから、いよいよ佐久早が「スカート短すぎ、見える」「軽い女に見えるからそういう態度とか恰好もうやめろ」ってガチトーンで言ってくる。
「中学の時からうるさいよ。聖臣は私のなんなの?ただの幼なじみで、ただの腐れ縁じゃん」
「ただの幼なじみだなんて思ったこと一度もない。ただの腐れ縁ならこんなこと言い続けないし、同じ学校に来いなんて言わない」
「言ってる意味わかんない」
「分かれよ、一応ここ受かってるんだからバカじゃねぇだろ」
「……めんどくさいんじゃなかったの」
「は?」
「中一の時、私のこと好きかどうか聞かれてめんどくさいって、言ってじゃん」
「いつの話してんだよ……」
盛大にため息吐いて呆れ返った佐久早、もういいから帰るぞって夢主ちゃんの腕引っ張っていくよね。たぶんコイツにはド直球で言ってやらないと伝わらない、バカだからって思ってる。
「離してよ!ていうか元也は!」
「置いてく」
「なんで、かわいそうじゃん待ち合わせてたのに」
「俺がお前とふたりで帰りたいから」
ピタッて歩み止めた夢主ちゃんを振り返る佐久早、すでに夢主ちゃんと手繋いでるし「お前いつからあのくだらない質問に答えるよりめんどくさいやつになったわけ?」てマスクの下で笑ってる。当然夢主ちゃん、顔真っ赤(長年の付き合いがあるから笑ってることも分かってるので尚更)。
「……聖臣の言葉足らずなところ、本当になおした方がいいよ」
「盗み聞きしてる方が悪い」
「あとその可愛げのないところもなおした方がいい」
「人のこと言えないだろ」
「……聖臣、私たち、幼なじみ?」
「……もう違う」
帰り道ではその二文字は絶対にくれない佐久早だけど、別れ際にちゃんと伝えてくれるからずるいし、キスまでくれるからもっとずるい。ちなみに古森への報告は明日の朝笑 めちゃくちゃ長い脳直妄想メモ。いつかお話になるかもしれない。
///2023/12/27 妄想ツイ comment 0///