SS

23 / 10 / 23
HoYoverse - 何回目の君であれ(ディルック)

「ディルックさん、『一生のお願い』って言ったことあります?」
「まあ……子供の頃に、ガイアを巻き込んで。父上相手にももちろんだけど、いつだったかアデリンにも言った覚えがあるよ」
「そうなんですか? ふふ、なんだか可愛らしいですね」
「む……それで、君は?」
「似たような感じですよ。でもわたしのはディルックさんよりひどくて、少なくとも家族みんなに一回ずつは言った気がするので……そうだな、これじゃあ六回生まれ変わらないとこのツケは払えませんね」
「ふぅん……なら、七回目のお願いは僕にしてもらおうかな」
「えっ」
「生まれ変わった君に出会うたび確認するよ。『あと何回だっけ?』ってね」
「はひ……」

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貴方は×××で『一生のお願い』をお題にして140文字SSを書いてください。

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23 / 10 / 22
HoYoverse - 目の前にある万華鏡(タルタリヤ)

 タルタリヤの横顔は、まるで万華鏡のように見るたび姿を変えてゆく。
 執行官としての冷たい視線、好敵手を前にしたときのギラついた横顔――家族からの手紙を読むときの、あったかくて優しいお兄ちゃんの顔。
 わたしはそれなりに近いところで色んなタルタリヤを見ながら、彼の持つ様々な側面を浴びているのだけど――
「ただいま、ミラ。今日もいい子にしてたかな?」
 わたしを見るときに細められる目元の柔らかさが、どのタルタリヤよりもすきで。どんなに冷たくて、どんなにピリついた顔をしていても、わたしを振り返るときには笑ってくれる、その事実がたまらなくて。
 タルタリヤがわたしに向けて笑顔を見せてくれることを期待しながら背中を見る、その浅ましい行為がいつまで経ってもやめられないのである。

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貴方は×××で『笑ってくれる?』をお題にして140文字SSを書いてください。

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23 / 10 / 20
HoYoverse - まどろみの午後(ディルック)

「わ……わたしだって、たまにはディルックさんのためになりたい、です!」
 言いながら、ハーネイアはディルックの体をぐっと抱き寄せる。非力な少女に良いようにされてしまったのは、私室のソファのうえというひときわ警戒心の弱まるところにいたせいだ。
 柔らかな体の奥から響く鼓動は相変わらず早くて、彼女がいつまで経っても恋人としての触れ合いに不慣れなことを伝えてきた。
 君は、そこにいるだけで僕のためになってるんだよ――いつもならそう言ってやるのだけれど、今日はなんとなくやめておいた。珍しく疲れが溜まっているのか……もしくは、この小さな恋人による精いっぱいの優しさを享受したかっただけかもしれない。
 ハーネイアに上半身を預けながら、ディルックは静かに目を閉じる。今日はよく眠れそうだ、なんて考える間もなく、やわらかなまどろみに落ちていった。
 
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貴方は×××で『甘えてよ』をお題にして140文字SSを書いてください。

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23 / 10 / 08
HoYoverse - 最低の朝だ(重雲)

ちょっとだけいかがわしいです

#夢主とエッチなことをする夢を見ちゃったときのお相手の反応

23 / 09 / 26
HoYoverse - 欲望(夜蘭)

GLDのうえちょっと下ネタ気味

23 / 03 / 18
HoYoverse - 面影(ウェンティ)

「ねえ、ハーネイア? 君は、ライアーに覚えはある?」
「えっ? えーっと……そうだなあ。お姉ちゃんがたまに弾いてたけど、よっぽど大事だったのかわたしは全然触らせてもらえなかったんだ。だから全然だよ」
「そっか――ふふ、そうだよね。……当たり前だ」
「……? ウェンティ、どうかしたの?」
「ううん、何でも! ごめんね、変なこと訊いちゃってさ」

22 / 12 / 12
ポケモン - おしえておしえて(チリ)

GLD

22 / 11 / 29
ポケモン - こんなときが続けばいいのに(ナタネ)

 彼女の横顔は、いつもきらきらと輝いている。
 ジムリーダーとしてバトルに励むときも、草花を愛で、育てるときも。……もちろん、ポケモンの様子をうかがうときだって。
 いつもナタネさんはとてもきれいで、可愛くて、僕の視界をちかちかと弾けさせるのだ。
 ゆえに僕は、時おり彼女に話しかけることすらおこがましいと、まるで自分が夢のなかにでもいるような、幸せと背中合わせの恐ろしさを覚えてしまって、急に目の前がまっくらになるときがある。
 しかし、そうして暗く落ち込みそうになる僕を救ってくれるのもまた、他でもない彼女のかがやきであって。ナタネさんは僕が落ちくれそうになるたびに手をとって、微笑み、すくいあげてくれるのだ。
 ――大丈夫だよ、シラシメくん。あなたにはあたしがついてるんだから。
 そうやって僕のすべてを許し、認め、受け入れてくれる彼女の優しさに、僕はいつまでも包まれながら、赤子のようにねむるのだった。

22 / 10 / 26
プロセカ - 無題

「はいはいっ、はーい! できたよたまちゃん、おそろいツインテール!」
 言いながら、咲希は私の目の前に手鏡を持ってくる。楕円の板を薄目で覗くと、そこには普段と似ても似つかない女がいた。
 咲希と同じように高い位置で結ばれたツインテールは、いつもなら絶対にやらないような髪型だ。物珍しさと気恥ずかしさに私が何も言えないでいると、咲希は眩しい笑みを浮かべながらうきうきとした調子で口を開く。
「なんか、こうしてるとミクちゃんみたいだよね。そっくりそのままってわけじゃないけど……なんか、急にそう思っちゃった」
「え……そう、かな」
「うん! アタシ、自分の髪の毛見てもそんなふうには思わないんだけど……なんでだろ? 髪の色のせいかなあ」
 うーん、と首を傾げながら咲希は言う。その後も何やらむにゃむにゃと言っているようだったが、私は咲希の言葉が頭の奥で反響し続けていて、もう何も入ってこなかった。
 初音ミクに似ている――それは、私にとってひどく喜ばしくも、口惜しくもあるひと言だった。
 ……憧れていたのだ、かつては。カイトさんと同じ世界で生きている歌姫に。カイトさんと共に歌って、カイトさんの隣に立って、カイトさんと並び立つことをたくさんのファンに認めてもらえている、彼女に。
 初音ミクは唯一無二で、私のほしかったすべてを持っている存在だった。


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22 / 10 / 26
FE - 無題(クロード)

 アスク王国で出会ったウィノナは記憶より何倍も花車なように見えて、思わずその腕を掴んでしまった。
 俺の突飛な行動に、目の前の少女は前髪の下にある藍玉を大きく見開く。か細く吐き出された「どちら様ですか」というひと言の、あまりの他人行儀な響きに胸の奥がずんと重くなった。
「わからないか? 俺だよ、クロード=フォン=リーガン――」
 言うやいなや、ウィノナはあからさまな警戒心をやんわりと解いたものの、すぐ我にかえったふうに再び瞳を鋭くする。
 しかし、簡単に振りほどけてしまえるであろう腕をそのままにしているあたり、俺のいっさいを撥ねつけるつもりではないようだ。
「いきなり言っても信じてもらえないだろうが……俺は、お前の時代よりも五年ほど先のフォドラから喚ばれたんだ」
「五年――ああ、もしかして、千年祭の」
「おう。……まあ、それについて詳しく話すつもりはないから安心してくれ」
「助かります。そんなに事細かく説明されても困りますから」
 ウィノナは瞳をゆっくりと眇め、俺の背中越しにアスクの景色を見ているようだった。
 何を思っているのかはわからない。ただひとつ言えることは、このウィノナにとっての「クロード=フォン=リーガン」が、今ここに佇む「俺」ではないということだ。


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