二階へ上がると
遺書があった
はじめに
ようこそ世界
罪悪の名は××
不透過ステンドグラス
灰色のパラレル
安らかな朝を夢見た
白骨なら救われるのに
「この部屋から見える海がきれいで、わたしは毎日のように眺めていました」
「たまに手がふるえました」
「考えることは苦痛であり、喜びであり、唯一ゆるされていること」
「あなたは砂浜を歩いていますか。砂の柔らかい感触と、足の裏をジリジリと焦がすあの熱を疎ましいと思いますか、それとも」
「じっさいに、あなたが読んだかどうか、はあまり問題視していません、わたしは、わたしが書き遺したこれに、紙に綴られたわたしのカケラにあなたが触れてくれたものだと思っていますので、確かめることができないし、こればかりはわたしだけの特権です」
「どちらかといったら、わたしは淡水魚でしょうね」
「わたしのことはどうか、どうか忘れてください」
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