シャーペンの太芯が細芯を兼ねないように、消しゴムも大が小を兼ねるわけではありません。
今回取り上げるのはアートラインBLOXの繰出し式三角柱消しゴム。
三角柱は辺と頂点で消せるのが長所。ふだんは辺で消して、ときどき頂点で細部を消します。
2017年2月発売、日本製。
一辺8mm、外接円径約9.24mmの三角柱消しゴム。
同型シャーペンやボールペンと連結できます。キャップを後装できます。
この種の消しゴムはペン立てに収めやすい。
†紙はコクヨキャンパス
画像の1行めは、書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返したもの。
1)
ぺんてるAinシュタイン0.3HB2)
パイロット ネオックスG 0.9HB3)
三菱ナノダイヤえんぴつB4)
三菱ナノダイヤ0.9HB5)
同型シャーペン0.5付属芯◆消字力:並
消しかす:少なめ、まとまらない
消耗:とても少ない
消し心地:かたい
折れにくさ:折れにくい
脂っこいネオックスGやナノダイヤえんぴつには合いませんが、ほかは良好に消せました。
かたい消し心地は、やわらかい消しゴムでは消しにくい細芯シャーペン、
.2mmシャーペンや.3mmシャーペンの筆跡にも適します。
消し心地はロットリング スピーディ消しゴムに最も似ており、ステッドラーマルスプラスティック526 50消しゴムを硬くしたかんじ、と言ってもいいんじゃないかと思います。
折る刃式カッターやステッドラー ラデット528 20と同じような押出し摺動式。
スライダ(押出しつまみ)がポケットクリップのように見えますが、クリップ機能はありません。
消しゴムを圧しつけても引っこむことはありませんが、消しているとき、このスライダに誤って触れると引っこみます。
消しゴムは後ろから押され、鋸刃のようなギザギザに沿って3mmずつ押し出されます。
後ろから押し出される形式は、消しゴムがしなって先端がブレやすくなります。とはいっても
ぺんてるクリックイレーザー for PROより揺れません。
同社は消しゴム繰出し量を5mm以内にすることを勧めていますが、8mmくらい出してもなんとか消せます。
◆替えゴムKTX-ERRF/2P、2本入り、たぶん非塩ビ系、日本製
交換は抜き差しするだけ。
消しゴムを嵌める部分にはU字型切り欠きがあり、消しゴムをギリギリまで使って取り出せなくなったとき、そこへ針を刺して抜き取ります。
競合品は
ぺんてるAinクリックZE15。本品用替えゴムをあれになんとか突っこめば流用できます。逆はできないので互換とは言えません。
あれにはチャック機構があるから消しゴムを前方で支えます。
前方で支えるということは本品よりもさらに消しゴムがブレない。
さらに替えゴムはあちらが長い。価格もあまり変わりません。
いっぽう替えゴムはあちらのほうがしなりにくく硬く、こちらが少しやわらかい。
あちらは消しゴムを8mm前後出してもしならないけれど、こちらはしなります。
フシギなことに、消し心地はあちらがやわらかく、こちらがかたく感じられます。
BLOXシリーズはヘンな代物なので低く見られていますが、もっとヘンなものがあるので安心していいです。
思ったんですけど、BLOXシャーペンを0.9mmや2.0mmにして子供向けにしたらよかったのかもしれないですね。
ドイツには
ラミーabcのような就学前児童向け太芯シャーペンがありますが、それらのペン軸にはすぐ汚れるゴムグリップがついています。
BLOXはそうではないから、手を洗えば、触ったものが汚れないことを感得するんじゃないでしょうか。
汚れやすいのと、拭き取れば汚れを落とせるものとでは、どちらが情操教育上いいのかわかりませんが、たぶん個人によって異なると考えられるので、選択肢を狭めないでおくといいんじゃないかと思います。
どちらにせよ文具業界が儲けることになるんですけど。
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