花霞_ココノセ
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陣営:制限無し
推奨人数:2〜3人
推奨スキル : 注視、聞き耳、精神分析、話術、説得/甘言/信用等、(PCの親切心)
準推奨スキル:登攀
非推奨スキル:戦闘系スキル
時間:8〜15時間程
GMボーナス : ステータス成長+5Pt、SP+50
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心から君へと望んだ願いを想ふ
貴女が為に、花が言葉を伝えます
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ダンジョン「桜」専用のシナリオです。
戦闘はありません。
PvPを始めるのでなければ、基本クリア失敗は無いと思われます。
話を進めるにつれてルートが分岐すると思われますので、
GMを希望する方はシナリオを良く読み込んでください。
シナリオのテーマは『どこまで相手を想えるか』です。
シナリオテーマにも関わってきますので、
基本的にシナリオNPCは探索者へかなり友好的にRPしてあげてください。
また、NPCとの対話の機会は少しでも増やしてあげてください。
◎時間制限有り。(シナリオ内時間で昼間〜夜まで)
シナリオ内の場所を8~10回程移動すれば、夜になります。
移動出来る大体の回数を事前にPLへ教えてあげて下さい。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
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年に一度の祭りを花霞の里人達と一緒に楽しみ、祭りを終える。
【エンディング_1】
探索者が花探しに協力していた状態で、
下記条件を全て満たしていた場合は此方のエンディングになります。
「分岐条件:1」
「迷いの森」に足を踏み入れていない
「分岐条件:2」
サクラ、アヤメ、ココノセ三人の悩みを探索者が聞いている
「分岐条件:3」
サクラ、アヤメ、ココノセが互に互の悩みを把握している
「分岐条件:4」
アヤメの花を入手している
【エンディング_2】
探索者が花探しに協力していた状態で、
【エンディング_1】分岐条件を全て満たさなかった場合は此方のエンディングになります。
【エンディング_3】
探索者が花探しを協力せずに、
祭りのみを楽しんでいった場合は此方のエンディングになります。
【エンディング_4】
何らかの要因(迷いの森等)により探索者が全滅したり、
NPCが死亡する事があれば此方のエンディングになります。
要因によりますが、エンディング描写の微調整をGMに一任させて頂きます。
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※展開によってはエンディング開拓もあるかもしれません。
GM裁量にお任せいたします。(困ったら遠慮なくシナリオ作成者をお呼びつけ下さい)
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平原の中心にある小さな人里。
隣りの人里まで行くのに馬車でもかなり時間がかかる程、辺鄙な場所である。
花を利用した染物や食料品などを特産品としている。
機械などといった現代利器は存在しない。
特徴的な見所などもなく、他所から里を訪れる人は少ない。
排他的なわけでもなく、旅人が訪れれば
里人たちは好奇心旺盛なままに旅人を歓迎してくれるだろう。
住人はほぼ皆、自給自足の質素で慎ましやかな生活をしている。
通貨もなく、買い物等は里人の間での物々交換が主。
獣人や魔法の概念が在る世界だが、
一部の限られた者しか魔法を使える者は居ないので
探索者が獣人だったり、魔法を使用するのを
里の人間に見られた場合、とても珍しがられる。
「大狼 ココノセ」という魔獣がこの里を他の魔獣から守護している。(後述)
「花霞の里」で行われる年に一度の小規模なお祭り。
基本的に飲んで食べて騒いで、と里人が日頃の労を労う身内内の祭りだ。
里を守護する「大狼 ココノセ」への感謝を目に見せて表す為に始まった祭りだが、
長い年月が経ち世代が移り変わるにつれて、本来込められた想いが忘れられつつある。
この日は里中が赤い雛芥子(花言葉:感謝、慰め)で飾り付けられる。
また、普段滅多に里へ姿を現さない「大狼 ココノセ」も里を訪れる日だ。
狼の谷とは反対方向に平原を進んだ場所に位置する森。
道といった道はなく鬱蒼と植物が生い茂っている。
地元の人間も近寄らない、危険だと言われている森だ。
花霞の里の言い伝えにも出てくる蝶の姿を模した妖魔の住処であり、
平衡感覚を狂わせたり、幻覚を見せてくる為一度森に入れば出てくるのが難しい。
人の手が入っていない為この森でしか見つからない希少な植物もあるだろう。
この森に足を踏み入れたら最後、その者は
森の木々や茂みに付着した小さな小さな妖魔の卵を外へと運び出してしまう。
外に出られなければ其れでもいい、妖魔の餌になるだけだ。
里より平原を越えた場所にある荒涼とした谷。
犬型の魔獣が遠巻きに様子を伺っていることがあるが、
こちらから手を出さない限り襲いかかって来る事はないだろう。
人の手が入っていない為この森でしか見つからない希少な植物もあるだろう。
様々な姿や形をしている一種の魔力がある生物と認識して良い。
虫や魚、鳥、獣等その姿は様々であり、生態も千差万別である。
基本的には人間に害あるものばかりだ。
本能のみで行動しているような生物だが、その中には知能を持つ種も幾らかいる。
また、何らかのきっかけ
(幾年月を生きる、強い魔力の影響を受ける等)で知能が芽生える事もある。
精霊も、広く見れば「妖魔」の一種とも言えるだろう。
妖怪と神が紙一重の存在であるように、扱う人間によってその呼び名は変わる。
花霞の里で暮らす少女。
淡い桜色の長く真っ直ぐな髪に桃色の瞳、10代半ば程の歳の少女。
声がはきはきとしていて快活そうな印象をうける。
和服を改良したような動きやすそうな薄黄色の衣服を纏っている。
いつも身に着けている少し高価そうな可愛らしい髪飾りは、両親からのお土産なのだとか。
親が旅商人であり、幼い頃から家に一人きりのことが多く、
寂しい思いをする事も多かったようだ。その鬱憤を長い事誰にも打ち明ける事はなかった。
聖樹アヤメの姉代わり兼家族のような存在であり、
祭りをきっかけに、アヤメとココノセが仲良くなる事を強く望んでいる。
…その心は、罪悪を秘めたもの。
※サクラの境遇や思惑に関しては後述「8.サクラの隠し事」を参照にする事。
花霞の里で暮らす少女。
葡萄色の髪に藍色の瞳、4〜5歳程の歳の幼女。
引っ込み思案なのかおどおどとした印象をうける。
和服を改良したような動きやすそうな薄紫色の衣服を纏っている。
人間ではなく、里の丘の上に植えられた樹の精霊である。
生まれたばかりでありまだ幼く、未熟な面も多い。
根付いた里からは余り離れられない。
祭りをきっかけに、自身とココノセが仲良くなる事をサクラが強く望んでいる為、
自らもその期待に応えようと、丘の上で一生懸命花輪を編んでいる。
…その心は、不安を秘めたもの。
※アヤメの境遇や思惑に関しては後述「10.アヤメの隠し事」を参照にする事。
狼の谷に住む理知的な魔獣。
輝かんばかりの銀色の体毛をもつ大きな狼。
体長20M程。思慮深そうな表情と、優しい瞳が印象的である。
少し古風な喋り方をする。
また、尻尾で感情が丸見えになる事が多い。
人間がかなり好きで、昔から里を他の害ある魔獣から守護している。
代わりにささやかなお供え物や花を貰ったりと共生関係にあるようだ。
里の「守り神」と呼ばれているが、滅多に里へは姿を現さないらしい。
今夜の花舞祭のことも心から楽しみにしている。
ただ、里から感じる「不思議な気配」の事も気になってはいるようだ。
…その心は、諦めを秘めたもの。
※ココノセの境遇や思惑に関しては後述「12.ココノセの隠し事」を参照にする事。
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お昼下がりの心地いい時間。
探索者は拠点から離れた森の中をのんびりと散策しています。
心地よい風が頬や髪を掠めていく。
…と、一番前を歩いていた探索者は足元に何やら桃色の何かを発見します。
他にも探索者がいればそれに直ぐに気づくでしょう。
それは花びら、桜を知っているものであればそれにとても似ているものだとわかります。
しかし、周囲に桜の樹は見当たりません、一体どこから来たのだろうか。
「注視/幻視」→周囲
少し横に入った藪の先に何やらもやもやとした、境界のようなものを発見します。
其方を見ていれば、ふわり、と風に乗って
花びらが突然姿を現したのを、貴方は目にする事だろう。
その境界の先に探索者の誰かが行ってみたり、自身の手等を入れてみれば、
……向かった探索者や自身の手が見えなくなってしまう。
身体に異常はありません。
何か姿を隠す結界のようなものが貼られているのだと気づくでしょう。
---
結界から先へ進めば、そこには開けた広場と、一本の美しく大きな桜の樹を見つけます。
時折吹く風に乗せられて、花びらがふわりふわりと舞う。
「注視/幻視」→周囲/桜の樹
大きな大きな桜の樹がある。
桜の花弁が風に揺られて時折その身をちらしていく。
「桜」を知っていれば自分の記憶の中のそれと違わない事がわかるでしょう。
また、樹の根元に何やら人がくぐれるような木製の扉が一つついていますね。
扉に鍵はかかっていないようで押せば難なく開きそうだ。
誰かが作った秘密基地のようにも、見えるかもしれない。
扉を開けてみれば、中は少し薄暗いが
不思議と奥へ道が続いている、この先へも行けそうだ。
※尚、警戒し過ぎて扉を潜らない探索者がいた場合
今後の進行には関われなくなり
クリア報酬もないがそれでもいいか?とPLに伝えてください。
何とかPCを着いていかせてあげましょう。
扉内と扉外の時間の流れは違う為、
(扉内が1時間経っていても扉外では5分しか経っていなかったり)
扉を入るのに躊躇した探索者が居た場合
時間をずらして先に入った探索者達と後から合流させるのもいいかもしれません。
---
扉の奥へ進む……暗く少し湿った空気、薄暗い視界。
と、そんな時。
突如風が吹き抜けていった、同時に桜色の花びらが目の端を掠め舞っていく。
暗闇が消し飛ぶような流背と共に、
景色が一瞬の内に変化するのを貴方達はしっかりとその眼で見届けるでしょう。
それは刹那。
目の前に、広がるのは青く透明に澄んだ広く大きな空。
目と鼻の先には、のどかな田舎と思しき花畑が広がる里。
風にその花びらが柔らかく舞っていく。
ようこそ、花霞の里へ。
尚、里に飛ばされた後に背後を見ても、入ってきた扉は既に消えている。
◆スキル情報---
「注視/幻視」→周囲
なだらかな平原が続いている。
「注視/幻視」→里
田舎にありそうな素朴な里を想像するといいだろう。
外と内を隔てる柵もなく、平和そうな空気を纏っている。
木造の質素な住居が点々と立っているのを見つけます。
遠目にも人がポツポツといる様子がわかる、どうやら人里のようですね。
里の外側を囲む大きな花畑では、色とりどりの花達が風に揺られています。
里の方へは少し歩けば向かえそうだ。
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探索者は異世界の深い森の中をいつものように探索をしていました。
森の木々の根元、うっそうとしげった茂みをかき分けると、少し開けたような広場にでます。
そこには、一本の桜の樹。森の緑に美しく映える桃色の花。
陣営が異なる者はここで鉢合わせることになります。
※Chapter「花霞_アヤメ」をクリアした事があるPCはこの樹に見覚えがあるでしょう。
「注視/幻視」→周囲/桜の樹
大きな大きな桜の樹がある。
桜の花弁が風に揺られて時折その身をちらしていく。
「桜」を知っていれば自分の記憶の中のそれと違わない事がわかるでしょう。
また、樹の根元に何やら人がくぐれるような木製の扉が一つついていますね。
扉に鍵はかかっていないようで押せば難なく開きそうだ。
誰かが作った秘密基地のようにも、見えるかもしれない。
扉を開けてみれば、中は少し薄暗いが
不思議と奥へ道が続いている、この先へも行けそうだ。
※尚、警戒し過ぎて扉を潜らない探索者がいた場合
今後の進行には関われなくなり
クリア報酬もないがそれでもいいか?とPLに伝えてください。
何とかPCを着いていかせてあげましょう。
扉内と扉外の時間の流れは違う為、
(扉内が1時間経っていても扉外では5分しか経っていなかったり)
扉を入るのに躊躇した探索者が居た場合
時間をずらして先に入った探索者達と後から合流させるのもいいかもしれません。
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扉の奥へ進む……暗く少し湿った空気、薄暗い視界。
と、そんな時。
突如風が吹き抜けていった、同時に桜色の花びらが目の端を掠め舞っていく。
暗闇が消し飛ぶような流背と共に、
景色が一瞬の内に変化するのを貴方達はしっかりとその眼で見届けるでしょう。
それは刹那。
目の前に、広がるのは青く透明に澄んだ広く大きな空。
目と鼻の先には、のどかな田舎と思しき花畑が広がる里。
風にその花びらが柔らかく舞っていく。
ようこそ、花霞の里へ。
尚、里に飛ばされた後に背後を見ても、入ってきた扉は既に消えている。
◆スキル情報---
「注視/幻視」→周囲
なだらかな平原が続いている。
「注視/幻視」→里
田舎にありそうな素朴な里を想像するといいだろう。
外と内を隔てる柵もなく、平和そうな空気を纏っている。
木造の質素な住居が点々と立っているのを見つけます。
遠目にも人がポツポツといる様子がわかる、どうやら人里のようですね。
里の外側を囲む大きな花畑では、色とりどりの花達が風に揺られています。
里の方へは少し歩けば向かえそうだ。
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探索者達が周囲を見回していたり、里に向かおうとしたりしていると、
後方、里とは反対の方から「おーい、そこの人達ー!」という少女の声が聞こえます。
「いやぁ、…ちょうどよかったぁ!」
声の方を向けば、其方から小走りで手をふりながら駆けてくる少女。
10代半ば程だろうか、その少女は少しだけ息を乱し、探索者へと笑顔で話しかけてくる。
「えっとえっと、悪いんですけど、
あっちの方のぬかるみで荷馬車がハマっちゃって…
誰か手伝ってくれる人を呼びにいこうと思ってたんです、
あの、よろしければ手伝ってくれませんか?」
「あ、私はサクラっていいます、あっちにある花霞の里の。
荷馬車を動かしてくれたらもちろん、お礼はしますので!」
「これも縁だと思って、どうか!お願い!出来ませんか!」
パンッと手を合わせてサクラと名乗る少女は頭を下げて、そう言います。
→◎探索者が了承した場合
「本当ですか!助かります!いや、ほんと助かります!!」
サクラは大げさに喜ぶと、
こっちこっちと、荷馬車の場所へと案内しようと先を歩き出します。
⇒後述、サクラの馬車の元へ
→◎探索者が了承しなかった場合
「あ、すみません…ですよね…急にこんな事言われても困りますよね…。
いや、えっと、大丈夫です!引き止めちゃってすみませんでした!」
少女は何処か申し訳なさそうにそう言って、里の方へと走り去るだろう。
⇒探索者の次の行動によって行き先が変わります。
サクラの馬車がある場所にはサクラの案内がなければ辿りつけません。
【探索者が向かおうとする可能性のある場所】
・花霞の里
・迷いの森
・狼の谷(孤狼の住処)
◆スキル情報---
「注視/幻視」→サクラ
淡い桜色の長く真っ直ぐな髪に桃色の瞳、10代半ば程の歳の少女。
声がはきはきとしていて快活そうな印象をうける。
和服を改良したような動きやすそうな薄黄色の衣服を纏っている。
少し高価そうな可愛らしい髪飾りをつけていたりとお洒落はしているようだ。
「聞き耳」→サクラ
「いやぁ…助かったァ…、里の皆に頼んでたら、
この忙しい時に何やってんだって怒られちゃいそうだったもんなぁ…」
小さく、そんなボヤキが聞こえたかもしれない。
「精神分析」→サクラ
彼女は何も嘘を言っていない。
また、企みごと等の気配もないだろう。
純粋に困っているだけのようだ。
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◎探索者がサクラと共に来た場合
15分ほど歩いた先、そこには水でふやけた大きなぬかるみに
車輪がハマって動けなくなっている荷馬車が。
引いていたのであろう馬は
今が休憩時間だとばかりに道端の草をもしゃもしゃと食べています。
「いやぁ……ご覧の有様なんですよ…」 ははは、とサクラは頬をかく。
「ちょっと寝ぼけてよそ見してたらこんな事に」
「皆で押せば前に進むと思うんですけど…」
車輪はそこまで深くハマっているわけではないようで、
皆で押せば荷馬車はぬかるみから抜け出せそうです。
サクラも奮闘したのか、重そうな荷物は馬車から下ろされて道端に置いてあります。
◆スキル情報---
「注視/幻視」→荷物
野菜、肉、魚、酒、調味料等そういった食材ばかりが積まれていましたね。
特に変わった点は見られません。
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協力する探索者全員と馬車との攻撃値対抗ですね。
馬車の攻撃値:1d5+5 と協力する探索者全員が出した攻撃値の合計で競います。
皆さんが力を合わせ押すと、馬車は勢いよく動き出します。
…と、一番攻撃値の低かった探索者は
馬車が動いた衝撃で泥の中に足を突っ込んでしまいます。
「あわわ、大丈夫ですか!?ごめんなさいいいありがとございますうううう」
サクラは慌てながらも探索者に馬車にかけてあったタオルを渡してきます。
ちょっとだけ汗臭いかもしれません。
「私んちに寄ってってください、着替え渡しますので!ほんっとごめんなさい!!」
荷物を積み込み終わると、馬を繋ぎ直して、馬車へと乗り込みました。
「さぁさ、皆さんも乗って乗って!
ちょーっと狭いけど、二人くらいなら全然乗れますから!
着替えも渡しますし、折角だからお祭りでタダ飯食べていきません?」
そう言って、てしてしと馬車の荷台の隙間をたたきます。
先ほど荷を積み直した時に座る場所を作っていたのでしょう。
道中談笑等を交わしながら、馬車はゆっくりと草原を進んでいきます。
この間に探索者からサクラに質問があったりすれば、
サクラの知っている情報内であれば開示して構いません。
ただし、サクラは花霞の里や隣の里程度までしか世界的な情報はあまり知りません。
必然的に今晩にある祭りの話や、アヤメの話、探索者の話が中心になると思われます。
そうしていると、先ほど見た花霞の里が前方へ見えてきました。
「あー、やっと着いた〜!」 はーっと、サクラが息をこぼします。
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花霞の里は里の中央にこんもりとした小さな丘がある以外、
家の数も少なく、こじんまりとした田舎の小さな農村といった雰囲気を感じます。
里の外側を囲む大きな花畑では、色とりどりの花達が風に揺られています。
人はまばらにいますね。老若男女様々ですが、老人の方が割合が多そうです。
黒や茶の髪と眼の者が多く、サクラやカラフルな探索者は少し浮いているように見えるかもしれません。
※里に来た経緯によって演出が異なるので注意、後述参照。
◆スキル情報---
「注視/幻視」→周囲
周囲は多少ざわざわしているかもしれない。
皆あくせく行き来していますが、どこか楽しそうな雰囲気が伝わってくるかもしれません。
雨が降ったのか、足元の地面は少し泥濘や水溜りが多い。
特筆して怪しい点や気になる点は見受けられないでしょう。
「注視/幻視」→丘
こんもりとした小高い丘だ。
丘の上に何があるかは登ってみなければ分からないだろう。
⇒丘を登る探索者がいれば『8.小さな花精』へ
「行動」→花畑へ向かう
花畑ではあくせく働く里人を見ることが出来る。
探索者が里人に話しかければ、『花舞祭』の話が聞けるかもしれない。
また、探索者が欲しがれば
此処で祭りの飾りに使う花、「赤い雛芥子」を分けて貰う事も出来るだろう。
★アイテム入手「赤い雛芥子」
赤色の花弁を持つ離弁花。
華奢な花弁は、薄い紙で作った造花のようにも見える。
「花言葉:慰め、感謝」
「聞き耳」→周囲
皆楽しそうに立ち話をしていたり、何か指示を出し合っていたりしていますね。
料理は何時までに作れだとか、飾りをどうするだとか。
お祭りの準備でしょうか?楽しそうな様子が伝わってきますね。
「嗅ぎ分け」→周囲
美味しそうな料理の匂いが微かに漂ってくるかもしれません。
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→◎探索者がサクラと共に里を訪れた場合
「さぁ、ようこそ、花霞の里へ!といってもちっちゃな何も見るとこない里だけどね」
サクラは振り返り、笑みながら探索者を歓迎します。
荷馬車に揺られながら、探索者とサクラはそのまま花霞の里へと入っていく。
「この荷物は一旦私の家に運ぶんですよ。
そしたら後は里のみんなの家に私が運んでくんです」
※荷馬車でサクラの家まで行くまでに
探索者が何か聞きたそうにしていれば答えてあげるといいでしょう。
荷馬車は里の中、一つの家の前で停止します。
大きいわけでもなく小さすぎるわけでもないごく普通の民家、此処がサクラの家です。
⇒『7.サクラの家』へ
→◎探索者がサクラと共に来なかった場合
◆里の中を歩く
里人に探索者が何かを聞くこと(祭りの事等)があれば
答えられる範囲で答えてあげるといいでしょう。
探索者の探索が一段落したらいい感じのタイミングで
サクラの馬車を通りかからせてあげて下さい。
サクラは友好的に探索者へ話しかけ、祭りに誘うでしょう。
もしくは、探索者の脇を通ろうとした際に馬車が水溜りを跳ねてしまい、
探索者の内一人の服を汚してしまうかもしれません。
その際は、着替えを用意させてほしいとサクラの家へ誘導しましょう。
とにかく方法は何でもいいので、サクラや祭りと関わりを持つ機会を作ってあげましょう。
これも無視するのであれば、後はもう探索者の好きにさせてやりましょう。
※ただし、相手(探索者)は見て方法を選んでください。
◆里内の丘に上がる
⇒『9.小さな花精』へ
◆里の外側を囲う花畑へ向かう
花畑ではあくせく働く里人を見ることが出来る。
探索者が里人に話しかければ、『花舞祭』の話が聞けるかもしれない。
また、探索者が欲しがれば
此処で祭りの飾りに使う花、「赤い雛芥子」を分けて貰う事も出来るだろう。
★アイテム入手「赤い雛芥子」
赤色の花弁を持つ離弁花。
華奢な花弁は、薄い紙で作った造花のようにも見える。
「花言葉:慰め、感謝」
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「さぁさ、ずずいと!ずずいと入っちゃって下さいね!」
家に着けばサクラが家の中へと招き入れてくれるだろう。
服を汚してしまった探索者がいれば「寝室」へと入れて着替えを見繕ってくれる。
着替えの着物(和服に近い装束)はGMにお任せします。
サクラの家の中はそこまで大きくない外観通り、部屋数は3つ程しかないようだ。
「小さな台所が付属した居間」「寝室」「浴室/便所」位しか見るものはないでしょう。
サクラが荷馬車から食材や酒といった荷を下ろしている際に
探索者が手持ち無沙汰にしていればその辺で暇を潰していていい、と言うだろう。
荷物を運び終われば、サクラは昼御飯を用意してくれる。
探索者が何処かに行きたがったりすれば連れていく事もあるかもしれない。
その場合、サクラは積極的に「アヤメの樹」を見に行くことを勧める。
探索者にアヤメの事を話していなければ、此処で情報開示して下さい。
【小さな台所が付属した居間】
玄関から一段上に上がった所に、畳の上ちゃぶ台が置かれている。
奥には少し手狭な台所もある居間空間のようだ。
部屋には本が幾つか並んだ棚も備わっているだろう。
◆スキル情報---
「注視/幻視」→棚
本が幾つか並んでいるのが分かる。
今、気を惹くような本は余り無いが
「花霞の里と花舞祭」の歴史について記された本を見つけるだろう。
→(アヤメから「金縁」の話を聞いた後に調べると、童話が見つかる)
棚を調べれば二冊気になる本を見つける。
一冊は「金縁」と題された童話。
もう一冊は「花霞の里と花舞祭」の歴史について記された本だ。
『花霞の里』
平原の中心にある小さな人里。
隣りの人里まで行くのに馬車でもかなり時間がかかる程、辺鄙な場所である。
花を利用した染物や食料品などを特産品としている。
機械などといった現代利器は存在しない。
特徴的な見所などもなく、他所から里を訪れる人は少ない。
『花舞祭』
「花霞の里」で行われる年に一度の小規模なお祭り。
基本的に飲んで食べて騒いで、と里人が日頃の労を労う身内内の祭りだ。
里を守護する「大狼 ココノセ」への感謝を目に見せて表す為に始まった祭りである。
この日は里中が赤い雛芥子(花言葉:感謝、慰め)で飾り付けられる。
また、普段何故か滅多に里へ姿を現さない「大狼 ココノセ」も里を訪れる日だ。
むかしむかし、のお話。
百姓は長い間たった一人でここに住んでいて、
遠い昔に死んだ家族以外の人間を見たことがなかった。
そんなとき、幼い頃親に危険だと言い聞かされていた森で
蝶のように美しい女性と出会い、一目で恋をしてしまった。
百姓は毎日森に通ってその女性と話をしていた。
「私の家に嫁いでこないか?」
百姓は女性に何度も会いにいき、何度もそう誘いをかけたが、
女性は悲しい顔をして首を横にふる。
「私はこの森から外に出られない」のだと。
百姓は数日してとうとう我慢できなくなり、
女性と別れる振りをして森へ入り女性の後をつけていく。
すると女性はまるで銀の煙のように花粉が舞う花畑で突然姿を消してしまう。
百姓が慌てて花畑に入ると、
とたんに抗えないほどの眠気が百姓を襲い、その花畑に倒れこんでしまう。
百姓は夢を見た。
蝶のような女性の顔をした化物が自身の手や足を引っ張り、
暗闇へと自身を誘い込もうとする夢を。
抗っていたが次第に百姓は力がでなくなり、暗闇に飲み込まれてしまいそうになる。
抜け出そうと藻掻く百姓、そんなとき、あの女性の声がした。
女性の手が百姓を背後から抱きしめ、行ってはだめと囁くと体の力が抜けていく。
百姓は力無い手で女性を抱きしめると、瞳を閉じた。
百姓は花畑で眠りについたまま二度と目覚めることはなかった。
その傍らでは、金色の小さな、蝶のような花弁の花が咲き続けていた。
骨となり土に消えるまで、彼らは共に居続けたのだという。
この童話が示す教訓としては「偽りの見目に惑わされるな」ということのようだ。
【寝室】
生活感があふれる寝室。
布団が四組並べてあるままだが、
その中で使われているのは二組だけだろうと使用感から察せられる。
また、誰かから贈られたものなのか
統一感があまり無い小物等が所狭しと並べられているだろう。
大事に使われているのか、立派な古箪笥も置かれている。
◆スキル情報---
「注視/幻視」→古箪笥
中にあるのは大人ものの着物と
少女…サクラの着物であろうものが
古いものから新しいものまで大事そうにしまわれている。
が、その中には真新しさを感じる幼い子供用の着物も混じっています。
他を見てみても、子供用の着物は余り無いようだ。
「注視/幻視」→小物
統一感がないことから、色々な各地のお土産品であることが察せられる。
子供の遊具のようなものも中にはあるだろう。
が、赤ん坊が使うようなものは置かれていない。
【浴室/便所】
少し狭めの浴室だ。
浴槽前には木でで来たすのこが置いてあるだろう。
物干し竿に服が干してあったりする。
◆スキル情報---
「注視/幻視」→周囲
棚には掃除用具がまとめて置かれれている。
その中には防塵用に使うのか頭の後ろへ紐で結んで固定出来る、
綺麗に折りたたまれた手ぬぐい等も置いてあるだろう。
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丘を上り、幼樹の元まで探索者がやってくると、
下から見上げたときには分かりませんでしたが
樹の傍で何やらせっせと花飾りを作っている、
紫色の髪をした幼い少女がいるのが分かります。
4〜5歳程の幼女ですね。
「…?」
幼女は探索者の姿を見ると、不思議そうに目をぱちくりとさせる。
「……?だぁれ?」
暫しの沈黙のあと、こてん、と小さく頭を傾けました。
◆スキル情報---
「注視」→幼女
4〜5歳程、葡萄色の髪に藍色の瞳の女の子だ。
和服に似た着物を身に纏っている。
可愛らしい、という一点に尽きるだろう。
「注視」→幼樹
探索者の腰程までの大きさであろうか、まだまだ樹齢を重ねていない幼い樹だ。
一番良く伸びた枝の先に、少し膨らんだ花のつぼみがついている。
だが、どうやらまだまだ花は咲かせそうにない。
「幻視」→幼女/幼樹
その幼女はただの人間ではないような、
神聖な雰囲気を感じることができるでしょう。
樹も同様です、危険だというような気配はしません。
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「わたし、アヤメっていうの。
いまね、おまつりにつかうはなかざりをつくってるの!」
幼女はアヤメと名乗り、そう笑顔を見せます。
探索者がサクラと共に来て居ないのであれば、良い頃合にでも合流させて良いでしょう。
探索者から何か質問等をされたら、【2.用語やアイテム、人物、舞台】のNPC情報、
または【○○の隠し事】の欄を参照の上、情報を逐一開示して下さい。
探索者の質問やその場にいる他NPCの発言が【隠し事】に強く関わるようなものであれば
そのNPCは少し大げさに見える位の反応を返してください。
(例:少し沈んだ顔を見せる、等)
「精神分析」を探索者が使用すれば、何か隠し事をしているのが丸分かりになるだろう。
※ただし、【○○の隠し事】の欄上、悩みの確信に迫る部分を引き出す為には
相応のRPまたは「説得」or「甘言」or「信用」を必要とします。(GM判断)
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タイミングを見て、サクラがアヤメに花飾りについて問いかけます。
「アヤメ、教えた花飾りの方はどう?上手にできた?」
「ううん…できたんだけど」
「おはなひとつだけだと、ちょっとさびしいかな…」
アヤメは赤い雛芥子で編まれた花飾りをサクラに見せる。
一つの花だけの花飾りは寂しい、と思っているようだ。
サクラが定番のお花だから…、と頭を悩ませている内に、
アヤメはサクラがお話してくれた"あのお花"を花輪に加えたい、と言い出す。
が、サクラは即座にその提案を否定してしまうだろう。
「えっ!?だめだめ!
"アレ"は私でもどこにあるかわからないし、あるとしても多分里の外だもん!危ないよ!」
「そう……?そっかぁ…」アヤメはしょんぼりとした顔を見せる
「えっと、多分アヤメが言っているのは
"金縁"と"銀狼花"っていう花の事だと思うんだけど……」
「うん、それ!そのお花なの!」
此処でその花の話を探索者が聞きたがれば、サクラは以下の話を口頭で伝えてくれる。
サクラは読み聞かせるように、声を響かせる。
「金縁、きんえにしっていう花のお話はね。
昔昔、ここが里になるより前に一軒だけあったおうちに住んでた百姓の話なの」
話が長いので以下このような内容です。
百姓は長いあいだたった一人でここに住んでいて、
他の人間を随分長い間見たことがなかった。
そんなとき、森で蝶のように美しい女性に出会い、一目で恋をしてしまった。
百姓は毎日森にあしげく通ってその女性と話をしていた。
「私の家に来てはくれまいか?共に暮らそう」
百姓は女性に何度も会いにいき、
何度もそう誘いをかけたが、女性は悲しい顔をして首を横にふる。
「私はこの森から外に出られない」のだと。
百姓は数日してとうとう我慢できなくなり、
女性と別れる振りをして森へ入り女性の後をつけていく。
すると女性はまるで銀の煙のように花粉が舞う花畑で突然姿を消してしまう。
百姓が慌てて花畑に入ると、
とたんに抗えないほどの眠気が百姓を襲い、その花畑に倒れこんでしまう。
百姓は夢を見た。
蝶のような女性の顔をした化物が自身の手や足を引っ張り、
暗闇へと自身を誘い込もうとする夢を。
耳から入り足や手をゆるりと喰らいつくそうとするのを。
抗っていたが次第に百姓は力がでなくなり、暗闇に飲み込まれてしまいそうになる。
そんなとき、あの女性の声がした。
女性の手が百姓を背後から抱きしめ、
行ってはだめと囁くと化物共は散り散りになって逃げていく。
…ふと、百姓が目覚めると既に日は沈んでおり、そこは銀煙が舞う花畑の中であった。
何が起こったのかとあたりを見渡す百姓のその手には
金色の小さな、蝶のような花弁の花が大事に握られていた。
そしてその日から、女性は姿を見せなくなってしまい
百姓の家には可憐に咲き誇る「金縁」が
百姓と共に有り続けるのであった。というお話です。
「『花は南の金縁(きんえにし)。安息の果てに出会い有り』
って言葉でお話の最後は締めくくられているんです。
そして、金縁の花言葉は「私達の出会いに祝福を」。
まぁ、その花畑もその花も本当にあるのか誰も知らないんですけどね…」
「…もしかしたら、ココノセ様なら。昔からいるし、何か知っているかもしれないけれど」
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※この話を探索者が聞けば、
【サクラの家】で【金縁】の童話を発見する事が出来るようになります。
しかし、【金縁】と読み比べてみれば多少内容が異なり、
エンディングがサクラによって改変されている事が判明するでしょう。
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「銀狼花の方はそこまで特に凝ったお話とかはないんですけれど、
狼の谷に咲いているらしいってことと
一輪だけ咲いている様が気高い狼に例えられているとか。
花言葉は「貴方だけを想っています」なんだよ」
「ココノセ様の好きなお花らしいんですよ」
サクラは探索者へ、そう伝える。
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此処で探索者が、その花を採ってきてあげようかと提案すれば、
サクラは危ないからと(心なしか全力で)引き止め、
アヤメは大層喜んで探索者にお願いしたがるだろう。
特に、金縁が咲いているかもしれないという心当たりのある【迷いの森】については
サクラはかなり渋い顔を見せてください。(※希少条件にも関連してきます。)
危険な場所だと、教えられてきた場所なのです。
其れでも花探しを探索者が手伝ってくれるというのであれば、サクラから
花が咲いている場所の心当たり【狼の谷】【迷いの森】への行き方を教えてあげましょう。
【狼の谷】は訪れた事があるので、エリアについて多少の事前情報を開示可能です。
【迷いの森】は訪れた事がないので、エリア情報も大雑把にしか把握していません。
また、探索に必要そうなものを探索者が頼めばある程度は用意してくれます。
(例:松明、森での道しるべ代わりの赤い毛糸玉、等)
探索者を見送る時、アヤメはこう言い出します。
「…あっ、でも、ココノセさまには、おはなのことはないしょ…」
「おはなとりにいくの、こっそり…こっそり…って、」
どうやら花飾りのことをココノセ様には秘密にして、あげるときに驚かせたいようですね。
言われたら、秘密じゃなくなっちゃう、と少し焦っているのかもしれません。
探索者がその反応にどう返そうと、
アヤメは高揚を隠さずに、サクラは何処と無く心配そうな顔のまま探索者を見送る。
※この後、何事も無ければサクラは【サクラの家】に、アヤメはこの場に留まるでしょう。
サクラは祭りの準備がある為基本的には里の外まで探索者に同行しようとはしませんが、
適切な「説得」などを用いてRPを行えば、同行する事があるかもしれません。
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道を歩いていけば、何事もなく辿り着く。
谷の入口には目立つ、大きな美しい銀の毛並みを持つ狼が
伏せをした状態で尻尾を左右に揺らしています。
体長は20Mほど。
◆スキル情報---
「注視/幻視」→周囲
荒涼とした谷だ。
左右の崖は高いが、凸凹が多いため頑張れば上に登れそうだ。
植物もちらほら生えているのが見受けられる。
「注視/幻視」→狼
とても大きな狼だ。
ふわふわとした毛皮を陽の光に透かしている。
その表情には柔らかく優しい瞳をたたえているだろう。
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探索者が大狼「ココノセ」と接触を持つかどうかは探索者の選択次第となります。
もし接触をした場合は、理知的な様子で「ココノセ」は話しかけてきます。
探索者達から花霞の里の香りがする為、住人だと勘違いします。
探索者から何か質問等をされたら、【2.用語やアイテム、人物、舞台】のNPC情報、
または【○○の隠し事】の欄を参照の上、情報を逐一開示して下さい。
探索者の質問やその場にいる他NPCの発言が【隠し事】に強く関わるようなものであれば
そのNPCは少し大げさに見える位の反応を返してください。
(例:少し沈黙を長くする、等)
「精神分析」を探索者が使用すれば、何か隠し事をしているのが丸分かりになるだろう。
※しかし、ココノセは自分の「隠し事」について自然と誤魔化しをして隠してきます。
※ただし、【○○の隠し事】の欄上、悩みの確信に迫る部分を引き出す為には
相応のRPまたは「説得」or「甘言」or「信用」を必要とします。(GM判断)
探索者がココノセと接触し銀狼花について聞いた場合、
生えている場所まで背中に乗せて連れていってくれるでしょう。
銀狼花は高い崖の上に一輪だけ生えているのが見つかる。
探索者が独力のみで取ろうとするのであれば、
「登攀」や「ハルピュイア」等といったスキルが必要になるだろう。
★アイテム入手「銀狼花」
銀色の花弁を持つ離弁花。名を銀狼花と呼ぶ。
顔を近づければ、儚く漂う優しい香りを感じるだろう。
「花言葉:貴方だけを想っています」
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ココノセと接触していなかった場合も、花を採取して戻った時に気づかれてしまうだろう。
その際にも対話の機会を設けてあげて下さい。
【迷いの森】の事を探索者が質問してきた場合、
花霞の里の住人が知らない情報(妖魔について)等についても開示して良い。
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道を歩いていけば、何事もなく辿り着く。
狼の谷へ続く道とは反対方向に平原を進んだ場所に位置する森。
森の中へと行けるような道といった道はなく鬱蒼と植物が生い茂っている。
森の中は暗いが、時たま小さな光のようなものが浮遊しているのが見えるかもしれない。
◆スキル情報---
「注視」→周囲
森の中は鬱蒼と茂っていて暗い。
道もなく、森の中に入るのであれば
茂みの中をかき分けて進んでいくような形になるだろう。
足元と頭上に特に注意せねばと、思うだろう。
「幻視」→周囲
注視情報に加えて、森の中に浮遊する小さな光をよくみれば、
蝶々のような形に見えるかもしれない。
怪しく、神秘的な雰囲気だ。
「聞き耳」→周囲
何処からか微かに、小さな笑い声が聞こえたかもしれない。
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森の中へと入り、道無き道を進んで行く。
…すると、聞き耳をしなくてもくすくす…くす…くすくすくす、と人を惑わすような、
空間そのものに反響する、そんな密かな笑い声が耳に届き始めます。
その声は、先へ先へと進むごとに増えていく。
此処で森の外へと戻るのであれば、何事も起きないでしょう。
声に構わず先へと進むならば、探索者につられるように声は前を後ろをついてくる。
視界の端を何度も掠めたような銀の色。くすくすと笑う小さな声…
・・・
・・
・
…さて、どれだけ歩いただろう。
いつの間にか探索者は暗闇へと迷い込んでいた。
前も後ろもわからないような、そんな暗闇。
GMはここで下記シークレットチョイスを振ってください。
schoice[貴方の敵対者,貴方が最も恐れる人,貴方の愛する人]
ふと、周囲を見渡した探索者は、視界に入れてしまう。
それは、『(シークレットダイスで選ばれた項目)』。
どこかぼんやりとした頭でそれらを見た探索者は、唐突に現れたというにも関わらず、
まるでそれに『違和感』を覚えることが出来なくなるでしょう。
尚、該当する人物が居なかった場合は全て『蝶のような女性の顔をした化物』となります。
探索者が一人であれば、相対する"者"は一人。
探索者が複数で訪れていたのであれば、その数だけ相対する"者"が増えるでしょう。
シークレットチョイスで探索者毎に見える"者"を変えてください。
(例)探索者AとBとCがいるとすれば、
探索者Aには、Bが愛する人に。Cが敵対者に見えてしまう。
探索者Bには、Aが恐る人に。Cが愛する人に見えてしまう、…等。
探索者の人数が多い程、見えているものの管理が難しくなると思いますのでご注意下さい。
探索者が複数人の時にその"者"に対して行動を行おうとすれば、
そのままそう見えている探索者への行動となります。PvPに注意しましょう。
何らかの方法でその者から逃れようとすれば(状況を見てGM判断)、
探索者は、気づいてしまう。違和感に。
ソレは、"貴方の見ているその者"は現実ではないと。気づいてしまう。
瞬間、あなたの視界の端を銀色の蝶が嘲笑いながら掠め飛んでいった。
愚かだ、と蔑むように。
目の前の"貴方の見ているその者"は蝶の群れとなって消えていくだろう。
………。
……。
…。
ふと気づけば、探索者は森の中、銀色の煙のような花粉が舞う花畑の中で座り込んでいた。
そして、その花畑の中央には金色の花弁を持つ美しい花が一輪咲いているのを見つけます。
花を採取しようとすれば、特に問題なく採取する事が可能です。
★アイテム入手「金縁」
蝶のような形をした金色の花弁を持つ合弁花。名を金縁と呼ぶ。
顔を近づければ、甘く柔らかな香りを感じるだろう。
「花言葉:私達の出会いに祝福を」
◆スキル情報---
「注視/幻視」→周囲/花畑
銀色の煙のような花粉が舞う花畑。
金色の花弁を持つ花以外は、芥子のような花ばかりが咲いている。
…不思議と、この場に立ち止まっていれば、恐ろしい眠気が襲ってくる。
長居すると危なそうだ。
「聞き耳」→周囲/花畑
探索者を迷わそうとしているのか、
少し離れたところからくすくすと銀色の羽を持つ蝶達が笑い覗いている。
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目印等をつけずに森に入った場合、迷ってしまう為に時間を食ってしまう。
一回分の場所移動時間を消費して下さい。
目印等をつけていた場合、そのまま無事に森の外まで出る事が出来るだろう。
森の中へと入り、道無き道を進んで行く。
…すると、聞き耳をしなくてもくすくす…くす…くすくすくす、と人を惑わすような、
空間そのものに反響する、そんな密かな笑い声が耳に届き始めます。
その声は、先へ先へと進むごとに増えていく。
しかし、探索者が目に見える形で「火」や「防塵マスク」を装着していたならば、
嫌そうな声を出して、ひらひらと惑うばかりだ。探索者へ接触してくる様子はない。
苦手なものなのか、近づいても意味がないことを理解しているのか。
声には構わず、森の奥へと進めるだろう。
・・・
・・
・
…さて、どれだけ歩いただろう。
ふと気づけば、探索者の目の前には
森の中、銀色の煙のような花粉が舞う花畑が広がっていた。
そして、その花畑の中央には金色の花弁を持つ美しい花が一輪咲いているのを見つけます。
花を採取しようとすれば、特に問題なく採取する事が可能です。
★アイテム入手「金縁」
金色の花弁を持つ合弁花。名を金縁と呼ぶ。
顔を近づければ、甘く柔らかな香りを感じるだろう。
「花言葉:私達の出会いに祝福を」
◆スキル情報---
「注視/幻視」→周囲/花畑
銀色の煙のような花粉が舞う花畑。
金色の花弁を持つ花以外は、芥子のような花ばかりが咲いている。
…不思議と、この場に立ち止まっていれば、恐ろしい眠気が襲ってくる。
長居すると危なそうだ。
「聞き耳」→周囲/花畑
探索者を迷わそうとしているのか、
少し離れたところからくすくすと銀色の羽を持つ蝶達が笑い覗いている。
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目印等をつけずに森に入った場合、迷ってしまう為に時間を食ってしまう。
一回分の場所移動時間を消費して下さい。
目印等をつけていた場合、そのまま無事に森の外まで出る事が出来るだろう。
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▽クリア報酬
・ステータス+5 or SP+50
【エンディング_1】
・自身の「一番大切な者(愛情)」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
・「望みの種」
消耗品。
植えてからリアル時間一週間後に、貴方が好む色の花が咲きます。
効果は選択式です。
@自身の「心から望んだ願い」の記憶の一部を入手。
A自身の「心の支え」の記憶の一部を入手。
Bセッション中に使用宣言することで、簡単な願い事を一つだけ叶える事が出来る。
(※フレーバー効果程度のお願いに限る。GM判断)
【エンディング_2】
・「望みの種」
消耗品。
植えてからリアル時間一週間後に、貴方が好む色の花が咲きます。
効果は選択式です。
@自身の「心から望んだ願い」の記憶の一部を入手。
A自身の「心の支え」の記憶の一部を入手。
Bセッション中に使用宣言することで、簡単な願い事を一つだけ叶える事が出来る。
(※フレーバー効果程度のお願いに限る。GM判断)
【エンディング_3】
・自身の「祭事」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
【エンディング_4】
・自身の「死」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
「迷いの森」に足を踏み入れ、幻覚を見た探索者のみ入手。
見た幻覚に相応する記憶の一部分が返還される。
・自身の「敵対者」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
・自身の「最も恐れる者」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
・自身の「愛する者」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
セッション終了時に、探索者が所持し続けていた場合のみ入手出来る。
【赤い雛芥子】
・自身の「感謝」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
【銀狼花】
・自身の「孤独」or「保護」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
【金縁】
・自身の「出会い」or「祝福」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
【アヤメの花】
・自身の「家族」or「信頼」に関する記憶の一部分
(エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
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