SelfishMan

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DowdyMan
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ヨースケは昔から可愛いかった。
カウンター越しに高いお酒を出して、にっこりと笑って。
それからお金をくれるおじさんにキスをする。
俺の稼ぎでも行ける、他よりは少しだけ安いゲイバーで、指名を根こそぎ取っていた。
安いとは言ってもやっぱり高いお酒。
俺はプラスアルファでお金を出す余裕もなくて、ヨースケとキスをするおじさんを指を咥えて見ていた。
ヨースケの高飛車な態度も口汚く罵る言葉さえも、俺は受け入れてあげられると思いながら。
ただただ遠くの人を眺めていたのだ。
それは一緒に暮らし始めた今でも、それは変わらない。
隣りで寝ているヨースケは相変わらず高飛車で口汚く俺を罵る。
昔から要領は良かったのだと言い、IT関係の会社に就職した。
何の仕事なのかはよくわからない。
でも私服で仕事をしていて、割と早く帰ってくる。
たまに上司を口汚く罵る。
その度に未だ養うことができないことを不甲斐なく感じる。
しばらく起きそうにはないヨースケをベッドに残し、キッキンへ。
今日はエッグマフィンが食べたいって言っていたから、イングリッシュマフィンとたまごを買っておいた。
ヨースケは両面焼きの半熟が好きだから、下準備だけして起きるのを待とう。
そういえばチーズもあった。
ヨースケはチーズを入れてると喜ぶ。
イングリッシュマフィンを半分に切って、マーガリンを塗りチーズとハムを重ねる。
たまごは後から焼くからとりあえずはこのまま。
キュウリとミニトマトを串に刺してサラダの代わりに。
エッグマフィンを手で食べるから、食べやすいように串刺しの簡易サラダだ。
ホットサンドとかサンドイッチとか、フォークとかスプーンを使わない食事の時に普通のサラダを出すと不機嫌になるのだ。
食べるのが面倒だって。
後はオレンジジュースがあれば完璧。
この間買ったばかりだから、まだあったはずだ。

「あれ・・・オレンジジュースが・・・」

冷蔵庫にオレンジジュースがない。
買っておいたはずなのにおかしい。
ふと冷蔵庫の横をみれば空っぽのオレンジジュースのボトル。
多分、昨日ぐらいにヨースケが飲み終わったのだと思う。
だって俺はあまり飲まないし。
それにこの少し高めの100%オレンジジュースはヨースケのために買ってあるのだ。

「仕方ない。買いに行くかな」

朝から出かけるのは疲れるが、いた仕方ない。
これもヨースケのためなのだ。



24時間のスーパーで朝早くにオレンジジュースだけ買った。
店員は眠そうで、新鮮な食材がほとんどないスーパーをあとにする。
朝早くから子供達は元気に走り回り、それに付き合わされるお父さん。
お父さんの休みなんて、子供には関係ないのだろう。
俺も人のことは言えないか。
朝早くからヨースケのためにご飯を作り、オレンジジュースを買いに行く。
休みどころか毎日ヨースケのために何かしらしている。
別にそれが不満なのではない。
ヨースケが離れていかないように俺がやっているだけなのだ。
養えって言われたのに家賃どころか光熱費も食費も折半。
だったらせめてヨースケが喜ぶことはやってあげたい。
高いオレンジジュースだけは食費に含まないってのが俺の意地だ。
家に帰り着く頃には外は蒸し暑くなっていた。
オレンジジュースは早めに冷蔵庫にいれないといけないかな。
急いで鍵を取り出し、ドアを開ける。

「わっ」

ドアを開けた先にタオルケットにくるまったヨースケがいた。

「どうしたの?」
「別に」
「床に座ってたらお尻が痛くなるよ。おいで」
「・・・子供じゃないし」

ヨースケは立ち上がるとまた寝室へ消えて行った。
俺もオレンジジュースを冷蔵庫にしまい、寝室へ行く。
ヨースケが怒ってた気がする。
早起きしたのにご飯がなかったから怒ったのかもしれない。

「ヨースケ、寝るの?」

ベッドで丸まっているヨースケの横で俺も横になる。
寝息は立てていないからまだ起きているのだと思う。

「ヨースケってば」

そういいながら背中を続くとぐるりとこちらを向き、思いっきり頭を俺の鎖骨あたりへぶつけてきた。
ぐいぐい寄って来るのでベッドから落ちてしまいそう。
1人で寝たかったんだろうか、なんて思っていたらその攻撃は止んだ。
落下まであと10cmってところ。
ギリギリだ。

「ご飯できてなくてごめんね。すぐ作るから怒らないで」
「違う」
「じゃあ俺がベッドに入ったから?1人で寝たかった?」
「違う」
「じゃあ・・・何かなぁ・・・」

頭を必死に回転させるが全然わからない。
俺が冴えていないのはいつものことだ。
この間なんてセックスの最中に寝てしまった。
自分がイくどころかヨースケをイかせることもできなかった。
昨日は眠気覚ましにコーヒーが飲みたかったヨースケにカフェオレを作って怒らせた。
他にもたくさんヨースケを怒らせていて、心当たりは山ほどある。

「俺に何も言わずに出て行った」
「だってヨースケ寝てたし、オレンジジュースなかったし」
「言い訳すんな」

ピシャリと言われてしまった。
確かにいつも出かける時には声をかけるけど、今日はヨースケ寝てたし仕方がないと思うのだけれど。

「出て行くドアの音で目を覚ました俺の気持ちになれ」
「え、うるさかった?」
「・・・ケンジ、もう喋らないで」

なるだけ静かに出て行ったつもりだったんだけどな。
今度から静かにしよう。
ヨースケはのそりと起き上がり、部屋に不釣合いに積み上げられたダンボールへ近づく。
忌々しいダンボールはまだ部屋から消えていかない。
ヨースケはそのダンボールから水色のバイブを取り出すと乱暴にパッケージを剥く。
電池をセットして、軽く動きを確かめて。
ローションとゴムも手にこちらへ戻ってきた。

「ケンジは黙ってそこで寝てて」

ヨースケは寝巻きを脱ぎ、全裸になる。
そのままベッドに座るから目のやり場に困って、すっと目を逸らした。
俺はヨースケの裸を見たらすぐ勃起させてしまう。
また機嫌を損ねるかもしれない。

「ちゃんと見ててよ」

俺もズルズルと下着ごと寝巻きを脱がされ、あっと言う間に全裸にされた。
ヨースケは俺の胸の上に乗り、足を大きく開く。
しっかり見ていろとばかりに頭の位置を調整され、目の前にはヨースケの股間がある。
ヨースケはニヤリと笑い、ローションを手に零した。

「ん、あっ」

迷うことなく指をアナルへ埋め、ぐちゃりぐちゃりと音を立てながらアナルを拡げていく。
その姿にすぐに反応したペニスを妬ましく思い、それでも目線はヨースケに釘付けになる。
画面越しに見ていた世界が現実のものとなる違和感。
ヨースケなのかみちるくんなのかわからなくなりそう。
でもその挑戦的な目は、ヨースケだ。
卑猥な音を立てて拡がったアナルに迷わずバイブを挿入。
スイッチをオンにすると俺の胸板まで振動が伝わってきた。

「あっ、あん!ンぅ!」

気持ち良さそうに声をあげるヨースケは艶めかしく、綺麗だった。
しばらくバイブの動きだけ楽しんだヨースケは、バイブを掴みゆっくりと動かし始める。
その動きはすぐに激しくなり、バイブに絡んだ肉壁が俺を誘う。
でも見ていろと言われたから触るわけにはいかない。
涎を垂らしそうなほどオナニープレイに没頭するヨースケを、俺は黙ってて見ていた。
勃起したペニスからは触ってもいないのに先走りが零れ、どくりどくりと脈を打つ。
触りたい衝動をヨースケを見ることで堪え、それが逆効果であると気付いた時にはヨースケから目が離せなくなっていた。

「んは、ほんとっ・・・冴えないの」
「う゛」
「襲うこともできないの?」
「・・・襲っていいの?」
「ソレ聞いちゃったらさぁ、楽しみも8割減だよねぇ」

ぞくりとする目で見られて、それをOKの合図と取って、俺はようやくヨースケに触った。
位置が反転、俺の下で笑うヨースケを見ていると襲われているのはどちらかわからなくなる。
ヨースケは自分の乳首を弄りまわし、柔らかい乳首を真っ赤にさせている。
卑猥に拡がったアナルから忌々しい水色のバイブを引き抜く。

「んんっ!」

どろりと溢れてきたローションは空気と混ざって薄く白い。
それが精液に見えてしまって、それが自分の精液ではないと思えてしまって、どろりと黒いものが腹に広がる感覚がして。
思いっきり乱暴にペニスを突っ込んだ。

「あ゛う゛、ぐっ」
「明確な、言葉にしたことはないけれど」
「ん゛、あ゛ぁ!」
「やっぱり俺以外は嫌だよ」
「んひぃ!」

昔から可愛くて可愛くて。
笑って挑発して誘っていく目元が綺麗。
でもその目は俺に向かない。
どれだけ他の奴が羨ましかっただろう。
たくさんの中の特別であると感じていたいけれど、それは望み過ぎなのではと思う。
でも一丁前に独占欲も嫉妬心もあるのだから、笑える話だと思う。
ぼんやり考え事をしながら腰を振っていたからいけなかったのか、それともイきそうなのか、ヨースケは自分のペニスを必死に扱いていた。
目元に浮かんだ涙はたぶん気持ち良いから、だと思う。
でも俺はその手を掴んで、ヨースケの顔の横に押さえ付けた。

「やっ、なんでっ」
「襲われてるんでしょ?」
「あっんんっ!でもっイきそ、だからっ」
「ほら、アナルだけでイくの、よくしてるじゃん。ね?」

ギロリと睨まれて腕を掴む力が多少緩んだけども、そこはやっぱりね。
冴えないとか下手くそだと罵られても、ちょっとだけわがままに付き合ってほしい。
俺が引かないとわかるとヨースケは俺の腰に足を絡めて、アナルをぎゅっと締める。
不満そうな目元と口元さえも可愛いくて仕方が無いのだ。

「はやく、イかせて!」
「うん。頑張るよ」

俺の下で組み敷かれたまま声を出すヨースケを見て、俺の限界も知れる。
必死になって俺を感じてるのだと想うだけで、嬉しくなる。
奥を抉って、前立腺を擦って、入口を撫で回して。
ヨースケが好きなところだけを攻める。

「ンっあ!ひっ、ンンっ!あっケンジっ、あん!」
「ヨースケ、中出ししてもいい?」
「んやっあっ!らめ!も、あっあ゛ぁン!れるっ、出ちゃっあっああぁ!」
「まっ、て!そんなっ締めたらっあっ」
「ひぅっあっイくっ、あっイくうぅ!ンアァァ!」
「っ、あっ」

最後の方はヨースケが自分で腰を振っていた気がする。
そして、ギリギリと締め付けられた俺のペニスは呆気なく中出ししてしまった。
それなのにヨースケは絡めた足は離してくれないし、ギリギリとアナルを締めたまま。
不可抗力だと、いつもより長い射精をヨースケの中でする。
ヨースケは背をしならせて射精していて、どろりどろりとペニスから精液を溢れさせていた。

「ごめんね。中出ししちゃって」
「別に」
「お風呂はいろ。どろどろだ」

そう、声をかけたのにヨースケは一行に動こうとしない。
アナルに俺のペニスを咥えたまま、絡めた足も離してはくれない。

「どうしたの?」
「別にー?」

ジト目でこちらを見るヨースケは何か言いたそうなのに絶対言わないと訴える。
ビッと伸びた腕で首を掴まれて、男だと思わされる力で引き寄せられる。
そして間違いでなければ、ヨースケに抱きしめられている気がするのだ。
ものすごく自信はないけれど。

「ヨースケ、あ、あの」
「少し黙ってて」
「う、うん」

そのまま数分、そのままでいた。
できるなら一生続けと思ったけれど、終わりは突然訪れる。
ヨースケの盛大なため息、そして落胆した顔。
また何かやらかしたらしい。

「ほんと、冴えない男だね」
「ごめん」
「別に。ほら早く抜いて、シャワーとご飯」
「う、うん」

ヨースケはアナルから俺の精液を垂らしながらお風呂場へ向かった。
俺は汚れてしまったシーツを手に後をついて行く。

「あれ?ヨースケ耳擦った?」
「え?なんで?」
「耳赤くなってるから」
「なっ、嘘?!」
「本当だよ。ごめん、気付かなくてっ」
「もっ・・・もうっ、ほんと冴えない男!!!」
「えっ!ご、ごめん!」
「もう知らない!」

この後いつもより数倍高飛車なヨースケに襲われて2R。
ぬるめのシャワーは心地良かった。




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