You+I=302

C-BOY
Look@Me
GiveMe!
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電車に乗って15分。
久しぶりに来たってのに彼の家は何て変わり映えしないんだろ。
302号室、ここが彼の部屋。
インターホンに手を伸ばしてピンポン。
出てきたのは少し冴えない男。

「久しぶり、ヨースケ」
「ケンジも元気そうじゃん」

こいつが僕のキープ、僕のために使うペニスを持ってる男。
笑って本名なんか呼びやがって、調子いいんだから。

「ヨースケ何飲む?ビールもあるし、飲みたくないならオレンジジュース買ってあるよ」
「オレンジは100%?」
「うん。ちゃんと100%買いに行ったよ」

でれでれして、わざわざ買ってきたってわけねー。
お人好し、調子いい、キープのくせにちゃんとした恋愛感情なんか持っちゃってあぁ気持ち悪い。
お前なんかが僕に釣り合うと思ってんの?
お前も画面向こう側の大多数でしかないくせに。

「今日の、ちゃんと見てたよ」
「見てたわけ?」
「うん。ローター出してるの、すごいヨかった」
「ケンジは見なくていい言ったじゃん。会費結構高いでしょ?」
「うーん・・・でもヨースケたまにしか遊びに来ないし、頑張ってるから」
「この仕事は趣味の延長なの。頑張るとかじゃない」
「でもいつも皆からのプレゼント使うでしょ?それにカメラのアングルだって考えてるし、やっぱり頑張ってるよ」

わけわかんない。
グラスに注がれたオレンジジュースを一気に飲み干して、もぞもぞと足を擦り合わせているケンジに跨る。

「はは、思い出して勃起したの?」
「ごめん・・・」
「別に。僕もそのために来たんだし」

ベッドに移動して服を脱げばケンジも服を脱いで僕のペニスにしゃぶりつく。
あぁ、久々の人の舌、人の温もり。
ケンジは僕の太股に吸いついて、すぐにやめた。
キスマークなんか付けてたら僕の人気はたちまち地に落ちる。
理性なんかなくなったのかと思ったのにちゃんと残ってた。

「っはぁ、あっもっと吸って。んっんん!」
「んっんうぅっふ、んんぅ」
「あっ、後ろも、んっアナルも触って、あ、早く」

業務上使ってる言葉は使わず、ちゃんとケンジの舌に応える。
ケンジはローションを垂らすと僕のアナルに指を挿れた。
やってほしいことはケンジが全てやってくれる。
何を望んでも、何をさせてもケンジは文句を言わない。
こんなに都合のいい男なんて他にいるだろうか。
画面越しの大多数、その中の特別。
そこんとこ、この男はわかってんの?

「あああ!そこ、んぅ、もっと擦って、ああん!」
「んっ、ここ?」
「ふああぁ!あひっあっそこ、んああん!あっ」

ずるずるペニスを吸われながら前立腺をガリガリ引っ掻かれる。
ケンジの肩に足を乗せて、ゆるく腰を振る。
そうすればもっといい感じ。
ぐちゃぐちゃと水音が響いて、そこに混じる僕の喘ぎ声とケンジの乱れた息。

「も、いい、あっ!もう挿れ、あうぅ挿れて、ん」
「れも、んっまら」
「いいって、言ってるでしょ?ああ!早くっんっほしいの、はやくぅ」
「キツいときは言ってね?すぐ、止めるから」
「はやく、早く挿れて、ケンジ」
「んっんん・・」
「あは、あっああん!あっは、はい、てるぅ、うああ」
「ヨースケ、あ、キツイっ」

望んでいた通りのガチガチのペニス、たまんない。
ゆっくり奥まで挿ってきて、全部中におさまるとケンジは息をついた。
ビクビクと脈を打って、ただ舐めてるだけでそんなに興奮したのかって思う。
僕の顔の横に腕をついて、ゆっくり身体を引いたときのケンジが好き。
この冴えない男が格好良く見える一瞬。

「はっ、あっもっと、強く動いて、あん」
「でも、まだ」
「動かないなら、んんっ僕が動くっ」
「っああ、まっ動く、から」
「ああん!!あっいいっあん、あううぅん!」

ぐちゃぐちゃとなる音、それに合わせてぐちゃぐちゃになる僕の頭。
太くて、ガチガチのペニスが僕のアナルをかき混ぜる。
たまんない、大好き、この瞬間が好き。
自慰を大多数の誰かに見られることも、ケンジに抱かれることも。
こんな冴えない男の何が良かったんだろう。
・・・絶対セックスの相性が良かっただけだ。

「あっああ!もっと、あっ奥、突いて、んああぁぁぁ!ひっああっそこ、ああっ」
「きもちいい?ヨースケ、ちゃんと、きもちいい?」
「うんっうんっ!きもち、いいっあんっあっあっ」
「そう、んっ、よかった」
「あっああっ出る、あっイく、イくっひうぅ!あっんああっ!ああっひぃん!!!」
「んっ」

僕がイくとケンジはペニスを抜いて自分の手に射精した。
いつものこと、ケンジは僕がいいって言わないと中出しはしない。

「っは、あ・・・今お風呂、わかすから」
「まだいい」
「でも、イったら終わりでしょ?」
「今日は特別。早く勃たせて、それから抜かずに3発」
「さ、さすがに3発は・・・」
「いいから、今日は寝かしてあげないから」

未だに3発は無理っていうケンジのペニスを手で扱く。

「早くして、違う奴のトコに行ってもいいんだよ?」
「んっは、んっ、わ、わかった、から」

ケンジは精液塗れの手で大人しく自分のペニスを扱き始める。
そうやって、僕の言う事を聞いていればいい。
そうすればまだこの関係は続けていられるでしょ。

***

お互い意識が飛ぶようにして寝たのは朝方。
先に目を覚ましていたのはケンジだった。
もう昼過ぎだって言うのにテーブルに並んでいるのは朝食っぽいメニュー。

「おはよ。動けないならベッドまで運ぶよ?」
「つか、ケンジ仕事は?」
「今日は有給とった。とてもじゃないけど今日は疲れて行けないよ」
「クビになっても知らないから」
「キツいなぁ・・・」

グラスにオレンジジュースを入れて僕のところに持ってくるケンジ。
そのグラスをひったくってオレンジジュースを飲めば冴えない男が笑っていた。

「何。気持ち悪い」
「部屋にまだヨースケがいるって新鮮だなーって」
「画面の中からみちるくんが飛び出て来てうれしいって?キモ」
「違うよ。いつも画面の中にヨースケがいるんじゃない」

その言葉に面喰ってケンジを見る。

「俺はみちるくんが好きなんじゃなくて、ヨースケが好きなんだよ?」
「っ死ね、ホントキモい!」
「みちるくんは口汚くないし可愛いけど、でも俺は口汚くて高飛車なヨースケが好き」
「黙れ黙れ黙れ!キープのくせに生意気なんだよ!」

ヘラヘラ笑ってるケンジの頬を引っ叩いてからもう一度ベッドに潜り込んだ。
布団越しにずっしりとした重みを感じて、そこにケンジがいるのがわかる。

「みちるくんは皆のものでいいよ。でもヨースケは俺のものでいて、お願い」

ホント最悪。
告白の言葉まで冴えない、かっこ悪い。
お願いってなんなの。

「条件がある」
「何?」
「僕を養えるぐらいに出世して」

その言葉を理解するまでたっぷり30秒。
画面の中のみちるくんは画面から飛び出してヨースケになった。




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